ハイエンドは主役が不在? ミッドレンジが成長した1年――選考委員が挙げた5機種スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2015(1/4 ページ)

» 2015年12月25日 16時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 ITmedia Mobileは12月中旬、2015年を代表するスマートフォンを決定する「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2015」の審査会を開催しました。

 選考対象となるスマホは2014年12月から2015年11月までに発売したもので、最終選考に残ったのは以下の10機種です(機種のアルファベット順に掲載、かっこ内はメーカー名)。

今回のノミネート機種 スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2015のノミネート端末。左上からiPhone 6s、AQUOS EVER SH-04G、ARROWS NX F-04G、arrows M02、Xperia Z5 Compact、Xperia Z5 Premium、Galaxy S6 edge、ZenFone 2、TORQUE G02、MADOSMA(五十音順)

 2015年の選考委員は、ITmedia Mobileで活躍し、1年間を通じて携帯電話業界を取材してきた石川温氏、石野純也氏、太田百合子氏、佐野正弘氏、島徹氏、すずまり氏、房野麻子氏、村元正剛氏、山根康宏氏(五十音順)の9人と、ITmedia Mobile編集部(3人で1人扱い)です。

選考委員が選んだ「5機種」

 審査に先立ち、選考委員がそれぞれ5機種ずつノミネート候補を挙げました。各委員が推薦した5機種は、以下の通りです。

選考委員が選んだ5機種
選考委員(五十音順、敬称略) 機種
石川温 Galaxy S6 edge、iPhone 6s、MADOSMA、Xperia Z5 Premium、ZenFone 2
石野純也 g03、Galaxy S6 edge、MADOSMA、iPhone 6s、ZenFone 2
太田百合子 Galaxy S6 edge、MADOSMA、iPhone 6s、TORQUE G02、Xperia Z5 Compact
佐野正弘 AQUOS EVER SH-04G、ARROWS NX F-04G、Fx0 MADOSMA、Wine Smart LGS01
島徹 Galaxy S6 edge、honor6 Plus、iPhone 6s、Priori 3 LTE、Xperia Z5 Compact
すずまり AQUOS ZETAシリーズ、Galaxy S6、LUMIX DMC-CM1、iPhone 6s、ZenFone 2
房野麻子 arrows M02、Galaxy S6 edge、iPhone 6s、Xperia Z5、ZenFone 2
村元正剛 Galaxy S6 edge、iPhone 6s、Nexus 6P、Xperia Z5 Premium、ZenFone 2
山根康宏 Galaxy S6 edge、INFOBAR A03、SAMURAI 極(KIWAMI)、Xperia Z5 Premium、ZenFone 2
ITmedia Mobile編集部 AQUOS EVER SH-04G、arrows M02、ARROWS NX F-04G、iPhone 6s、Xperia Z5 Premium

 審査会では、出席できなかった石川氏・山根氏を除く委員の皆さんと、ITmedia Mobile編集部のメンバーが、2015年の携帯電話業界の動向を振り返りつつ、推薦した機種とその理由を熱く語りました。

2015年の振り返りと、5機種を選んだ理由

―― 投票の前に、まず(選考委員)ご自身が5機種を選んだ理由を含めて、2015年の端末動向を振り返っていただきたいと思います。

石野氏:Windowsスマホ市場を切り開くマウスコンピューターの気概を買いたい

石野純也氏 石野純也氏

石野氏 「MADOSMA」を真っ先に挙げたのは、Windows 10 Mobileの登場に合わせて、Windowsスマホが久しぶりに復活した、ということが大きいです。Windows 10 Mobileをきっかけに「これから新しい市場が生まれそうだ」という予感があるなかで、小さなメーカーがしっかりと使えるものを真っ先に出したことを評価したいです。スマホを作ったことのないメーカーがチャレンジしたことと、10 Mobileを待たずにWindows Phone 8.1の状態で投入して市場の様子をうかがいつつも育てていこうという気概も買いました。

 格安、あるいはミッドレンジのスマホが普及する流れの中で、コストパフォーマンスで2015年の前半に一番インパクトがあったのは、「g03(グーマルサン)」です。

 一方、「ミッドレンジばかりでもつまらないよね」という中で、SIMロックフリースマホの中にもスペック的にキャリアのハイエンドモデルと遜色ないものが出てきた、という象徴として、筐体(きょうたい)の安っぽさやパーツの傷付きやすさはあるものの、「ZenFone 2」を評価したいです。SIMロックフリースマホ市場全体を先導した意味でZenFoneシリーズを1機種挙げたい、と思った中で「ZenFone Selfie」と悩んだ結果、こうなりました。

 ここまで見てくると、キャリアのフラッグシップはあまり元気がなかったな、という印象を受けます。そんな中でも何が輝いていたかな、と考えたときに、何だかんだ言っても「iPhone」は話題になりましたよね、というところはあります。ただし、「iPhone 6s Plus」は2014年の「iPhone 6 Plus」と同じ理由で評価できないのであえて入れずに、「iPhone 6s」を選びました。iPhoneとしては初めてSIMロック解除が可能になった、という意味でも話題性がありました。

 Androidスマホの中で、お金という枠を取り払って何が一番良かったか、と考えると、microSDが使えないという不満点はありつつも、デザインを一新して、今までとは違う高級感もあり、パフォーマンスもバッチリという意味では「Galaxy S6 edge」のバランスが取れていて良いと思いました。「Xperia Z5」とも悩んだのですが、ちょっと特徴が薄すぎるんですよね。誰にでも勧めやすい反面、このような場にはノミネートさせにくいな、と。S6 edgeは、プロセッサのExynosの性能の高さや、3キャリア全て取り扱っていることも買っています。

村元氏:Nexus 5Xを買って後悔した?

 村元正剛氏 村元正剛氏

村元氏 「iPhone」と「Xperia」と「Galaxy」は外せないと思って、そこから選んだときに、iPhoneは「6s」かな、と思いました。2015年のiPhoneは、進化の度合いは弱かったですが、「3D Touch」という新しい操作性に踏み込んでいて、スペックがハイエンド横並びになっている中で「買い換えたい」と思えるような要素を入れてきました。

 「Xperia Z5 Premium」は、「Xperia Z5」と比べると画面の画質といい、背面のミラー仕立てといい、購買意欲をくすぐる仕掛けがあります。あと、今のところ、スマホで4Kはこの機種だけで、新しいことに踏みこんできたことも評価しています。

 「Galaxy S6 edge」も、デザインを変えて、画面の両サイドをエッジ(湾曲)にしてきました。力のあるメーカーは、新しい試みをしていて、これら3機種は「スマホはまだ変わる」という姿を見せてくれました。

 「ZenFone 2」は、今のキャリアのハイエンドを使っていた人でもSIMロックフリーへの乗り換えを検討できる端末として挙げました。本体価格も、同程度のスペックのキャリアのハイエンドスマホ半額ほどで、メインメモリやストレージの容量も選べます。ある種、僕の中では「SIMロックフリースマホ唯一の成功例」だと思っています。「iかZenか」という感じで、SIMロックフリースマホの代名詞になったと思います。

 GoogleのNexusについては、僕は「Nexus 5X」を買って、仕様も気に入っています。でも、後悔しているんです。「Nexus 6P」と使い比べると、6Pの画面は有機ELで、解像度もWQHD(1440×2560ピクセル)できれいなのは当然ですが、スピーカーの音がとてもいいんですよね。今年(2015年)は音楽や映像の定額配信サービスが流行しましたが、それとの相性がとてもよいのです。「Nexus 5」から5Xは「普通の進化」でしたが、6から6Pの進化は「評価すべきもの」がある。Huaweiの技術もしっかり生かしつつ、余計なものが入っていない「ピュアさ」というNexusの魅力も持ち合わせています。僕は6Pを愛しています。買い増ししてもいいぐらいです(笑)。

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