メッセンジャーを軸に、LINEはスマートフォン時代の新たなポータルになる――LINE 出澤剛社長に聞く:新春インタビュー(3/3 ページ)

» 2016年01月04日 10時00分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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Yahoo! Japanのスマホシフトにどう対抗するか?

―― 2015年を振り返りますと、Yahoo! Japanのスマートフォン分野への注力がとても感じられた1年でした。ポータルアプリはもちろん、Yahoo!ニュースやYahoo!地図、さらには無料のカーナビゲーションアプリなどまで投入し、これまでPC時代のネット企業だったYahoo! Japanが、スマートフォン時代の第一線に再び返り咲いた印象がありました。

 他方で、LINEはスマートフォン時代にコミュニケーション分野で圧倒的な成功を収めたことを背景に、サービスの裾野を広げて、Yahoo!のようなポータル/メディア的な機能を強化しています。LINEとして、Yahoo!のようなポータル事業者との競争についてどのように考えていますでしょうか。

出澤氏 まず前提として、スマートフォンがインターネットの主要デバイスとなったことで、ユーザーの“情報の取り方”が変わりました。アプリが台頭したことで、Webが見られなくなった。これは日米ともに共通の傾向ですが、スマートフォン利用時間のおよそ7〜8割はアプリの利用にあてられている。しかも、そのアプリの中でも利用時間が長いのがメッセンジャーです。とりわけ日本やアジアでは、メッセンジャーの利用時間が最大です。

 そう考えますと、今までのポータルサイトや検索サービスがインターネット利用の入り口という考え方は、徐々に変わってきている。こうしたスマートフォン時代の変遷で考えると、「何がポータルになるか」といえば、それはメッセンジャーなのだと思います。

―― PCインターネット時代は総合的なポータルサイトや検索サービスの下にメールというコミュニケーションがありましたが、スマートフォン時代はむしろ逆である、と。メッセンジャーこそがポータルであり、その先にさまざまなサービスが展開していくということですね。

出澤氏 そうです。時代背景の変遷やユーザーの行動様式の変化で考えれば、(ユーザーの入口という)本来のポータルの役割は必然的にメッセンジャー側に寄らざるを得ません。

 さらにスマートフォンになっていろいろなUI(ユーザーインタフェース)が作れるようになり、コミュニケーションを軸にさまざまな異なるサービスを結び付けられるようになりました。EメールやSMSのような単一のコミュニケーションツールではなく、LINEはコミュニケーションを軸にさまざまなサービスやビジネスを作れるという構造ができていますので、そこがわれわれ の競争優位性や差別化になると考えています。

―― スマートフォン時代の、アプリの特性をいち早くつかんだ強みですね。

出澤氏 ええ。さらにわれわれには国内5800万人のユーザー基盤があります。しかも多くの方が毎日、頻繁に(LINEを)使っていただいている。この接触頻度の高さも、競合他社に対する強みです。

―― スマートフォンの利用ニーズは大きく2つあり、その1つは「コミュニケーション」です。そこでLINEが強いのはおっしゃる通りです。一方で、もう1つのニーズは「ニュース」で、国内においてこの分野はYahoo!ニュースが圧倒的な強さを持っています。

出澤氏  われわれもニュース分野には注力しており、2015年はアカウントメディア制度を導入しました。メディア各社にLINEアカウントを持ってもらい、そこの編集権はメディア各社が持つという仕組みで、そもそもの立ち位置が(Yahoo!ニュースとは)違います。

 スマートフォンユーザーのニュースの読み方は、PCインターネットの時代とは違います。アプリの中で長い記事を読むのはあまり適さないので、テキスト中心のストレートニュースは、まずはLINEのメッセージ形式で(メディア各社の)LINEアカウントから取得して、詳しい記事は各社のサイトで読む方が理にかなっていると思います。

―― LINEの独自性を打ち出しながら、ニュース分野での成長も狙っていく、と。

出澤氏 その通りです。ニュース分野に関しては、2016年に名実ともにナンバー1を目指します。

―― 2016年もさまざまな分野に注力されるわけですが、出澤社長ご自身の抱負はどのようなものでしょうか。

出澤氏 まずは事業規模を大きくし、さらに経営スピードも速くしていきます。その上で、各サービス分野でプラットフォーム化を進めつつ、2016年はパートナー企業とのアライアンスを通じて、LINEのエコシステム(生態系)をしっかり育てていきたい。そこでのキーワードは「アカウント」です。既に2015年からLINE LiveやLINE NEWSでその展開をしてきていますが、LINEアカウントを通じてパートナー企業といろいろな新しいサービスを生みだしていく。また海外市場への水平展開を通じて、各国でのトップシェアを取っていきたいですね。

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