メッセンジャーを軸に、LINEはスマートフォン時代の新たなポータルになる――LINE 出澤剛社長に聞く:新春インタビュー(2/3 ページ)

» 2016年01月04日 10時00分 公開
[神尾寿,ITmedia]

O2OとCRM、そして汎用ポイント事業へのスタンスは?

出澤剛

―― O2O分野における取り組みはいかがでしょうか。

出澤氏 O2Oは今後の成長領域としては“非常に大きい”と考えています。その前提として、スマートフォンの何がすごいのか、という話があります。これまでのPCを使ったインターネット利用では、使う場所が限られている上に、1人1台でもなかったりします。しかしスマートフォンならば、個々人が1人1台で持っている上に、24時間いつでもどこでも利用できる。そう考えますと、スマートフォン向けのネットサービスの主戦場は、まさにO2Oだといえます。ここは2016年に、これまで以上に注力していきます。

―― 現状ですと、O2Oの主力商品はLINE@ということになるのでしょうか。

出澤氏 そうですね。LINE@はお店とLINEユーザーが直接コミュニケーションできるツールとして普及しています。他方で、LINE@の課題は、(店舗が提供している)LINE@アカウントをユーザーに登録してもらうところにあります。ここではQRコードやBeaconなどさまざまな技術にトライして、新しいサービスを模索しています。

―― 最近ではユニクロや無印良品など大手企業が、独自に会員アプリを作ってPOSレジのバーコード認証でCRM(顧客管理システム)に活用するというケースが増えています。一方で、これは会員証アプリの乱立で使いにくいといった側面もあるのですが、LINEとしてそういったさまざまな店舗の会員証機能をまとめるウォレット的なサービスを提供する考えはないのでしょうか。

出澤氏 ウォレットとはちょっと違うのかもしれませんが、ユニクロさんほどの大手になりますと独自アプリを展開するメリットがあると思うのですが、中小規模の企業ですと独自アプリによる会員組織化が非効率という面があります。そこでわれわれは「LINEビジネスコネクト」を提供して、より効率的なCRMが行えるソリューションを提供しています。

―― 消費者視点でいいますと、流通小売りや飲食チェーン店のスマホ活用は、どこかでサービスを束ねてもらわないと使い勝手が悪いと感じます。

出澤氏 それはおっしゃる通りですね。一般的なスマートフォンユーザーですと、日常的に使うアプリは8個くらいです。そこに企業の(会員証やCRM)アプリが入り込むのは大変になっている。企業側としても、独自アプリを作ってプロモーションやメンテナンスをするのは大変なのです。LINEはユーザーが日常的に使っているツールですし、企業のメッセージを発信する、CRMとして活用するいった使い方でしたら、LINE内の機能で十分に対応できます。だったら、(CRMで)LINEを活用していただいた方が、コストも下がりますし、ユーザーの参加率も高くなって効率がよい。

―― 今後のCRMやO2Oを考えますと、ユーザーのモチベーションを作るという意味で、ポイントサービスとの連携が重要になってきています。特に汎用ポイントについては、CCCのTポイントやドコモのdポイント、楽天の楽天ポイントなどの競争が激しくなっています。

 LINEとしては、O2OやCRM分野を考える上で、汎用ポイント市場に対してどのような姿勢で臨むのでしょうか。

出澤氏 いま一部始めているのは、LINEの中に「フリーコイン」という仕組みを用意することです。これは企業の動画広告を見ると、フリーコインという形で(LINEの)独自ポイントがたまり、それでスタンプが買えるというものです。これはおっしゃっているような汎用ポイントではありませんが、LINEの中にあるポイント的な機能といえます。

―― 今後の展開として、CCCやドコモのような汎用ポイント事業への進出はあるのでしょうか。

出澤氏 LINE@はじめ周辺環境は整ってきていると感じています。ただ、これは以前から申し上げているのですが、現時点では「検討段階」です。ただし、(汎用ポイント事業について)検討をしていることは確かです。

―― O2OやCRMはリアル店舗側のビジネスの話ですが、他方で、EC分野も堅調に成長しています。特に2015年はBtoCだけでなく、メルカリを筆頭にCtoCのEC市場が急成長して注目を集めました。

出澤氏 EC分野ですと、LINEは「LINE MALL」を中心にしつつ、2015年は新しい取り組みも行いました。例えば海外商品を現地通貨で買える「LINEトリップバザール」や、LINEアカウントからECができる「LINEフラッシュセール」、またLINEの友達にプレゼントが贈れる「LINEギフト」などです。

 それらの取り組みの中で、手応えを感じているのが、LINEアカウントから直接プッシュで商品をお勧めして、そのまま購入できるという仕組みについてですね。

―― 2016年はEC分野でどのくらいの売り上げ規模を見込まれていますか。

出澤氏 うちは具体的な数字を明かさない方針なのですが、2016年はEC分野の伸びしろが大きいと考えているのは確かです。

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