MM総研、ケータイとスマホのサービス利用実態を調査 通話利用の差が広がる

» 2016年04月07日 22時00分 公開

 MM総研は4月7日、スマートフォン・MVNOの月額利用料とサービス利用実態について発表した。

 調査時期は2015年の12月で、Webアンケートのサンプル数は3万5668件。対象はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、Y!mobileのフィーチャーフォン・スマートフォン利用者、およびMVNO利用者。

 大手キャリアが2014年6月以降に開始した新料金プランの加入率は、フィーチャーフォン利用者が7.2%、スマートフォン利用者が30.6%。また月額平均利用料金を比較すると、フィーチャーフォン利用者は3260円、スマートフォン利用者は6283円となり、MVNOの音声通話対応プランは2072円、データ通信のみのプランは1552円となった。

 1週間の音声通話時間(データ通信の利用は含まない)は、フィーチャーフォンが19.9分、スマートフォンが23.5分、MVNOが5.9分。1週間に行う1回5分以上の通話回数については「0回」が最も多く、特にMVNOユーザーは少ない傾向にある。

 携帯キャリアのスマートフォン利用者にデータ通信容量について聞いたところ、約54%が3GB以下の通信量となり、MVNO利用者が現在契約しているプランのデータ通信容量は「月間3GB以下」が63.1%と最多だった。1日の通信サービス利用時間は、フィーチャーフォンは67.8分、スマートフォンは179.2分、MVNOは155.2分となり、用途別の利用時間は「情報収集」「エンタメ」「コミュニケーション」の順で利用時間が長くなっている。

リリース本文

 以下、リリースの本文です。

新料金プランの利用率はフィーチャーフォン7.2%、スマートフォン30.6%

 ユーザー調査では大手キャリアが2014年6月以降にそれぞれ開始した、音声通話定額やデータ通信量の多段階選択と家族間でのシェアやギフトを打ち出した新料金プランに関する加入状況について質問した。その結果、フィーチャーフォン利用者の加入率は7.2%、スマートフォン利用者の加入率は30.6%となった。

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月額利用料金はフィーチャーフォン3,260円、スマートフォン6,283円

 利用端末種類別の月額利用料金(※1)について分析した結果、フィーチャーフォン利用者の月額利用料金は3,260円となった。

 スマートフォン利用者の月額利用料金は6,283円となり、フィーチャーフォンの約2倍となった。

※1:「月額利用料金」=「通話料」+「データ通信料」+「オプション料」

  ◇通話料・データ通信料・オプションそれぞれについて質問

  ◇端末購入費用・端末割賦料金は含まない

  ◇オプションには故障・紛失時等の補償サービス、コンテンツサービス利用料を含む

  ◇消費税は含まない

MVNOの平均利用料金は音声通話対応2,072円、音声通話非対応1,552円

 MVNO利用者の月額利用料金についても同様に分析した。MVNOでは音声通話サービスに対応したSIMカードと非対応のSIMカードを提供しているため、それぞれの平均利用料金を算出した。その結果、音声通話対応MVNO利用者は2,072円となった。音声非対応MVNO利用者は1,552円となった。

 大手キャリアのスマートフォンと比較した場合、音声通話対応は約33%で3分の1、音声非対応は約25%で4分の1の金額となった。

 大手キャリアのフィーチャーフォンと比較した場合も、音声対応MVNOは約64%、音声非対応MVNOは約48%の金額となった。

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1週間の通話時間はフィーチャーフォン 19.9分、スマートフォン 23.5分、MVNO 5.9分

 利用端末別の音声通話時間(LINE電話、Face Time、Skypeなどのデータ通信を利用したIP電話サービスは含まない)について質問した結果、1週間の平均通話時間はフィーチャーフォン19.9分、スマートフォン23.5分、音声通話対応MVNOは5.9分となった。

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 大手キャリア及びMVNOでも1回5分以内に限定した音声定額サービスが提供されている。音声通話利用者に対して1 週間で1 回5 分以上の通話回数について質問した。その結果、「0 回」が最も多く、フィーチャーフォンで62.0%、スマートフォンで58.4%、音声対応MVNOで81.6%となった1 回5 分以上の通話は大手キャリア・MVNO 共に少ないが、特にMVNO の通話が少ない傾向があるようだ。

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スマートフォン利用者の月間平均通信量は4.31GB(ギガバイト)・中央値は3.00GB

 大手キャリアのスマートフォン利用者を対象に、各キャリアのデータ通信量を確認できるサイトを案内して、前月のデータ通信容量を質問した。その結果、「わからない」「ゼロ」「30GBより大(外れ値として対象外)」を除いた平均データ通信量は4.31GB(ギガバイト)、中央値は3GBとなった。上記を除いた有効回答のみを対象とした場合、月間通信量は「〜1GB以下」19.6%、「〜2GB以下」21.4%、「〜3GB以下」13.3%となり、約54%のユーザーが3GB以下の通信量となった。

 これにより、2016年4月現在のMVNOの主力プランである月間3GB相当のサービスに収まる利用者が大手スマートフォン利用者の半数を占めることが窺える結果となった。ただし、本アンケートではスマートフォン利用者の60%が前月のデータ通信量が「わからない」と回答している点に留意する必要がある。

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MVNO SIMカード利用者の通信容量プランは月間3GB以下プランが63.1%で最も多い

 MVNO利用者に現在契約しているデータ通信容量プランについて質問した。その結果、「月間3GB以下プラン」63.1%が最も多く、「デイリープラン(110MB/日など)」9.8%、「月間5GB以下(3GB超)プラン」9.4%の順となった。大手キャリアのスマートフォン通信量同様、3GB以下に収まるユーザーが過半数を占める結果となった。

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通信サービス利用時間はフィーチャーフォン67.8分、スマートフォン179.2分、MVNO 155.2分

 利用端末別の1日の通信サービス利用時間について質問した。その結果、フィーチャーフォンは67.8分、スマートフォンは179.2分、MVNOは155.2分となった。

 用途別(※2)の利用時間を分析すると、全て「情報収集」「エンタメ」「コミュニケーション」「その他」の順で利用時間が長くなった。

※2:用途の分類(本リリースでは各利用時間を4カテゴリに集約)

「コミュニケーション」・・・メール・メッセージの送受信、IP電話、SNS

「情報収集」・・・インターネット閲覧、ニュース、地図アプリ

「エンタメ」・・・ゲーム、ストリーミング動画視聴、電子書籍・漫画、オンラインショッピング

「その他」・・・データ・アプリ等のダウンロード/アップロード、オンラインストレージ、テザリング

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ユーザーは利用状況の把握とライフスタイルにあったサービス選択に関心を持つことが重要

 2015年9月末の携帯電話契約数は1億2,723万件で人口普及率は100%を突破。そのうちフィーチャーフォン 5,486万件、スマートフォン 7,237万件とスマートフォン契約数比率は56.9%となっており、スマートフォン契約数に占めるMVNO契約数は321万件(スマートフォン契約数の4.4%)に留まっている。

 スマートフォン契約数および契約数比率は今後も増加傾向が続く見通しであるが、今後はフィーチャーフォン利用者の購入動向が注目されている。

 今回の調査結果ではフィーチャーフォンの平均月額利用料金が3,260円。スマートフォンは約2倍の6,283円となった。家族間シェアやセット割引を活用しても料金の上昇が避けられないユーザーや、フィーチャーフォンに満足しているユーザーにとっては、スマートフォンは敬遠されがちである。今後、利用料金を抑えながらスマートフォンを利用したいと考えるフィーチャーフォン利用者にとって、音声対応MVNOは有力な選択肢の1つとなるだろう。既存スマートフォン利用者もMVNOへの変更や使い分けによる追加利用で月額利用料金の節約を実現することも可能となるだろう。

 携帯電話サービスは大手キャリアだけでなく、多くのMVNOが参入してきている。ユーザーは大手キャリアとMVNOそれぞれの特徴を理解して、自分の利用状況やライフスタイルにあったサービス選択に関心を持つことが重要といえるだろう。

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