「HUAWEI P9」のカメラはどこまでキレイに撮れる?――iPhone 6sと比べてみた

» 2016年06月09日 21時13分 公開
[田中聡ITmedia]
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 Huaweiの新型スマートフォン「HUAWEI P9」が、日本でも正式に発表された。本機の特徴は、何といってもライカと共同で開発した1200万画素のデュアルカメラを搭載していること。RGBセンサーとモノクロームセンサーを組み合わせることで、より鮮やかに、かつディテールも精緻に描画できることを特徴としている。

HUAWEI P9 「HUAWEI P9」

 4月のロンドンでの発表会ではiPhone 6sを引き合いに出して、その画質の良さをアピールしていたが、実際はどうなのか? ロンドンでの発表時に、現地の街中やホテルでP9とiPhone 6sで何枚か撮影をしたので、その違いを見てみたい。なお、確認したのは4月時点であり、現在とは一部ソフトウェアが異なることをご了承いただきたい。

 まず気になったのが、暗い場所でどれだけ明るく撮影できるか。P9のモノクロセンサーはカラーフィルターがない分より多くの光を取り込めるほか、各センサーの画素ピッチが1.25マイクロメートルで、iPhone 6sの1.22マイクロメートルよりも大きい。画素ピッチが大きいほどより多くの光を集められるので、暗所での撮影で有利になる。なおF値はP9とiPhone 6sどちらも2.2。ちなみにサムスン電子の「Galaxy S7 edge」は、1.4マイクロメートルというさらに大きな画素ピッチを実現している。このタイミングならS7 edgeとも比較したいところだが、これは後日試してみたい。

 iPhone 6sのカメラも明るく撮影できることで定評があるが、下の写真を見比べると、P9の方がより明いことが分かる。道路はP9の方が不自然にならない程度に明るいし、建物もiPhone 6sでは黒くつぶれてしまっているところが、P9はしっかりと描写できている。もちろんノイズも抑えられている。また、P9の方がiPhone 6sより画角が広いことも確認できた。

HUAWEI P9HUAWEI P9 左がP9、右がiPhone 6sで撮影したもの。P9の方が道路も建物も鮮明に写せている

 こちらは確かにP9の方が明るいが、ショーウィンドウに並んでいる商品は、照明が当たっていてもともと明るいので、P9の方が白飛びしてしまっている。ショーウィンドウ内はiPhone 6sの方が自然だ。

HUAWEI P9HUAWEI P9 左がP9、右がiPhone 6sで撮影したもの。こちらはP9がやや“明るすぎる”印象

 レンガや建物はどちらも明るく写せているが、P9は赤みが、iPhone 6sは青みが強く、色味の違いが出た。レンガはP9の方が鮮やかで、後ろの白い看板はP9の方が白く描写できているので、P9の方が見たままの色を出せているといえる。その次の建物の写真は、拡大するとiPhone 6sの方がノイズが目立つ。

HUAWEI P9HUAWEI P9 左がP9、右がiPhone 6sで撮影したもの。P9のレンガの方が深みのある色だと感じる
HUAWEI P9HUAWEI P9 左がP9、右がiPhone 6sで撮影したもの。iPhone 6sの方がややノイズが目立つ

 室内の写真はどうか。下記はホテルの廊下を撮ったもので、P9の方が明るく赤みが強いが、iPhone 6sも暗いというほどではなく、影が強調されたメリハリのある一枚になっている。どちらかが良いかは好みの問題ともいえそうだ。

HUAWEI P9HUAWEI P9 左がP9、右がiPhone 6sで撮影したもの

 メニューの写真はP9の方が見たままに近く、iPhone 6sはメニュー内のカラフルな色に引っぱられてしまい、ホワイトバランスが少しおかしくなっている。

HUAWEI P9HUAWEI P9 左がP9、右がiPhone 6sで撮影したもの

 エッグベネディクトの写真は甲乙付けがたいが、卵のてっぺんやお皿の花の白い部分など、ホワイトバランスはやはりP9の方が正確だと感じる。

HUAWEI P9HUAWEI P9 左がP9、右がiPhone 6sで撮影したもの

 こちらは韓国で撮影した屋外の写真。P9ではうっかりサイズの比率を4:3から16:9に変更してしまったが、16:9では写真の上下が切り取られてしまう。空はiPhone 6sの方が鮮やかだが、P9の方が見たままの色に近い印象だ。

HUAWEI P9HUAWEI P9 左がP9、右がiPhone 6sで撮影したもの。こちらはiPhone 6sの方が鮮やかに映し出せている

 P9全体の傾向として、暗い場所でも不自然にならない程度に明るく撮影できること、ホワイトバランスの調整に優れていること、肉眼で見たままと近い状態を描写できること……が挙げられる。日本での発売後もあらためてレビューしたいが、デュアルレンズは単なるキワモノではなく、しっかり機能していることが分かった。

モノクロ撮影やフィルムモードも利用できる

 P9はモノクロームセンサーを専用で1つ搭載しており、質感の高いモノクロ写真を撮影できることも特徴だ。他のスマホでも撮影した写真をモノクロ加工することはできるが、スマホで専用のモノクロセンサーを搭載しているのはP9が初めてと言っていいだろう。

 余談だが、撮影モードをオートにして右側(フォトライト寄り)のレンズを指で触れると画面に指が写るが、モノクロ撮影にして左側のレンズを指で触れると指が写る。なのでデュアルレンズの右側がRGBセンサー、左側がモノクロームセンサーであることが分かる。

HUAWEI P9 デュアルレンズの右側にRGBセンサー、左側にモノクロームセンサーを搭載している
HUAWEI P9HUAWEI P9 左がオート、右がモノクロで撮影したもの。照明が反射している微妙なグラデーションもしっかり表現できている

 写真の色味を変えて撮影できる「フィルムモード」も用意。「標準」のほか「鮮明な色」「ソフトな色」を利用できる。カラフルで派手な写真を残したければ「鮮明な色」、色を抑えて締まりのある写真を残したければ「ソフトな色」を活用するといいだろう。

HUAWEI P9HUAWEI P9HUAWEI P9 左から「標準」「鮮明な色」「ソフトな色」で撮影
HUAWEI P9HUAWEI P9HUAWEI P9 P9の撮影画面。右にフリックするとモード、左にフリックすると設定が現れる。モノクロ撮影は「モード」内だが、フィルムモードは「設定」内にあり、少々分かりづらい。動画撮影は1080×1920ピクセル/60fpsまで対応している

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