ここ数年の間にすっかりとおなじみになってきたSIMフリースマホ。なかでもASUSとHUAWEI の販売が好調です。この2つのメーカーを比較して、それぞれの特徴をお伝えします。
まず、それぞれのメーカーがスマホを出すまでの歴史をみておきます。
ASUSは、台湾に本社を置くPCや周辺機器を総合的に手がけるメーカーです。日本では2008年に発売の「Eee PC」が大ヒット。ネットブックと呼ばれる低スペックなPCでしたが、モバイルWi-Fiルーターとセットで購入すると0円で購入が可能で、サブ用途や入門機として多くの人に選ばれていました。
2012年には「Nexus」ブランド発となるタブレット、Nexus 7を発表。しっかりとしたスペック・質感ながらも価格が2万円代と手頃で、コチラもロングセラーとなりました。その後、2014年にはZenFone 5を国内投入。LTEに対応し、スペックも十分ながら2万円代の低価格で、スマッシュヒットとなりました。2015年に登場した後継機ZenFone 2では、発売当時では初の4GBの大容量RAMを搭載し、「性能怪獣」の名にふさわしいスペックで存在感をアピールしてきました。結果として、この9年で「PC」「タブレット」「スマホ」で3度、ASUSが価格破壊する瞬間を目撃しました。それぞれの分野の安かろう悪かろう製品を一蹴するかのごとく、節目節目で活躍するASUSは流石と言えるでしょう。
一方のHUAWEIは、中国に本社を置く通信機器メーカー。端末の他にも、基地局のネットワーク設備も手がけています。日本では「デジタルフォトフレーム」「モバイルWi-Fiルーター」「キッズケータイ」などの、メーカー名があまり表に出ない製品を多く手がけており、なんでも器用にこなす便利屋として、その名前をとどろかせていました。スマートフォンは「Ascend」ブランドで展開していましたが、デザインなどがパッとせず他のメーカーに埋もれていた時期もありました。しかし、2015年に「Ascend」の冠を外してリニューアルした「HUAWEI P8lite」「honor6 Plus」などが大ヒット。一気に先頭集団まで追い上げてきています。
逃げるASUS、追うHUAWEIという構図の両社ですが、共に2016年は素晴らしい機種を発売しました。代表的な機種は、ASUS「ZenFone 3」、HUAWEIは「P9」です。この2機種がメーカーの「顔」として存在感を示していました。
ZenFone 3(ZE520KL) | HUAWEI P9 | |
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直販価格 | 42,984円 | 54,864円 |
搭載OS | Android 6.0 | Android 6.0 |
サイズ | 146.8mm×73.9mm×7.69mm | 約145mm×約70.9mm×約6.05mm |
重さ | 144g | 約144g |
ディスプレイ | 5.2インチ 1920×1080 | 5.2インチ 1920×1080 |
CPU | Snapdragon 625 | HUAWEI Kirin 955 |
RAM | 3GB | 3GB |
内臓ストレージ | 32GB | 32GB |
アウトカメラ | 1600万画素 | 1200万画素 |
インカメラ | 800万画素 | 800万画素 |
バッテリー容量 | 2650mAh | 3000mAh |
DSDS | 対応 | 非対応 |
au回線 | 対応 | 非対応 |
国内発売日 | 2016年10月7日 | 2016年6月9日 |
一見すると似通ったスペックのように感じる両機種ですが、日本以外での価格を見ると印象が変わってきます。
ZenFone 3の台湾での価格は約30,000円。日本で発売するにあたり、au回線及びauVoLTEに対応させるなどの若干のカスタマイズが入ったことで、少しだけ価格が上がっています。
対するP9の欧州での価格は約73,000円。「日本は大事な市場と捉えている」とのことで、逆に安く販売しています。
ベースの価格で倍近く違う2台を単純に比較することは難しいのですが、両者ともにスペックや本体の質感は十分。ZenFone 3はau回線に対応しており、mineo(aプラン)やUQ mobileなどでの使用も可能。またデュアルSIM・デュアルスタンバイ(DSDS)もOKなため、様々な格安SIMを同時に試すことも可能です。対するP9は、SIMカードこそ1枚しか入りませんが、ライカお墨付きの2つのレンズで高画質な写りを実現。Proモードでは細かい設定が可能なため、三脚を使った本格的な撮影も可能です。
「さまざまなSIMカードで遊びたい人はZenFone 3」「多機能かつハイクオリティーなカメラで遊びたい人はP9」と重視する項目によって決めてもいいと思います。
(文:モバイルプリンス)
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