MVNOが生き残るには? Y!mobileは格安SIM? 「モバイルフォーラム2017」パネルディスカッション(2/3 ページ)

» 2017年03月24日 06時00分 公開
[田中聡,ITmedia]

Y!mobileが「格安SIM」をうたう理由

モバイルフォーラム2017 Y!mobileの寺尾洋幸氏

 今回パネリストとして参加した寺尾氏が所属するY!mobileは、この中では唯一MVNOではなく、厳密に言うと大手キャリア(ソフトバンク)のサブブランドとなる。しかしY!mobileの料金体系もMVNOと遜色ないため、参加する形となった。寺尾氏は、生き残るためには「変化すること」が重要だと話す。

 「Y!mobileの前身はウィルコムやイー・アクセス。(ウィルコムでは)日本で初めて電話かけ放題サービスをやり、スマートフォンの“はしり”である『W-ZERO3』など、初めてのことを試してきた。当然、追いかける方は多かったが、競争環境はどんどん変わってきている。変化していくことが、お客さまのためになる」(寺尾氏)

 「Y!mobileは何で安いのか?」と石川氏に突っ込まれると、「グッドクエスチョンですね」と笑顔の寺尾氏。「扱っている端末は廉価なもの、ミッドからミッドローまでが多い。例えばAndroid Oneは、大手キャリアが売っている有名端末と比較すると、はるかに安い。うまく料金に転換するために、お客さまに少し我慢してもらっている。例えば20GB、30GBの大容量プランはやっていない」(寺尾氏)

 多くのMVNOが自社サービスを「格安SIM」と言うのをためらっている(嫌っている)なか、MVNOでないY!mobileがあえて「格安SIM」と銘打ったプロモーションを行っているのが印象的だ。寺尾氏は「やってみて反省するタイプですから(笑)」と言いつつ、MVNOと同じ土俵で勝負したいという思いがあることを話す。「これまでも、スマートフォンとSIMをセットにして安いという認識はあったが、それまではMVNOとMNOどちらとしても扱ってもらえない状態が続いていた」(同氏)ことから、格安SIM/スマホをあえて訴求することにした。

モバイルフォーラム2017 Y!mobileが格安SIMの訴求に打って出たのも、変化を恐れないという考えによるところが大きそうだ

格安スマホが市民権を獲得するには

 「格安スマホが市民権を獲得するには」というテーマでは、まず上田氏が回答。「一般的な人は大手キャリアを使うのは普通。その中でmineoを使うのが普通となれば、市民権を獲得できたといえる」と話す。そのために必要なのは、格安スマホを使えば安くなるんだという「認知」、格安スマホでできることとできないことがあることの「検討」、mineoにしかないメリットの「訴求」の3段階とした。

モバイルフォーラム2017 mineoではまず格安スマホの「認知」から取り組む

 大尾嘉氏は「明確なビジョン」「ブランド力の強化」「分かりやすいお得感」が大事だと話す。ブランド力について、楽天モバイルはCMも打っており認知度は高そうに見えるが、「まだ楽天モバイルは知られていない。認知だけではサービスを選ぶとは思っていない」と大尾嘉氏。「CMは大事だが、実際使ってみたお客さんがいいといっていただいて、他のお客さまに紹介していく」と話し、顧客ロイヤリティーの高さを示す「ネットプロモータースコア」にこだわっているとのこと。

 楽天モバイルは大手キャリア並みに幅広いラインアップの端末を扱っており、割引も積極的に行っている。これもお得感につながっている。「ラインアップは、ハイスペックからコスパがいいもの、グローバル、国産まで、一通り選べるようにしている。割り引くのは、端末の値段が障害になっているから。格安スマホといいながら格安じゃないので、その障壁を取り除こうと」(大尾嘉氏)

モバイルフォーラム2017 楽天モバイルで重視している3つのポイント

店舗展開が契約者の獲得につながる

 リアル店舗を展開するMVNOも増えている。楽天モバイルはこの店舗展開が契約者の獲得に効いているという。「楽天ユーザーはインターネットユーザーなので、お店に行く人はネットをやっていないことが多い。そこから楽天経済圏に流れていく」と大尾嘉氏はメリットを話す。

 mineoも渋谷と名古屋に店舗をオープンした。「渋谷店はブランドを発信する旗艦店。できるだけ気軽に入ってもらえるよう、1階にカフェを、4階にはマイネ王ユーザーが入れる専用スペースを設けた」と上田氏。mineoでも店舗の開設が契約獲得につながった手応えがあるという。「説明を聞きながら安心して契約したい人に来ていただけることに加え、『店舗があるmineo』というブランド発信にも役に立っている」(上田氏)

 LINEモバイルも家電量販店での取り扱いを開始したが、「店頭スタッフが慣れていなくて、ご迷惑をお掛けしているのが現状。精進していく」(大熊氏)と控えめなコメント。

 IIJは独自店舗を出していないが、ビックカメラで「BIC SIM」を販売しており、「現時点では量販店とのつながりを大事にしている」(島上氏)とのこと。

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