次世代チップセット「Snapdragon 845」が正式に発表――搭載製品は2018年前半にも登場予定石川温のスマホ業界新聞

» 2017年12月15日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 クアルコムは6日(米国時間)、「Qualcomm Snapdragon Technology Summit 2017」の2日目に、新チップセット「Snapdragon 845」の詳細を明らかにした。

 すでにサンプル出荷が行われており、搭載製品は2018年前半にも登場するという。つまり、Snapdragon 845のスペックを見れば、2018年のスマホトレンドが見えてくるということになりそうだ。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年12月9日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 やはり注目はAI対応だろう。ライバルとなるファーウェイのKirinやアップルが機械学習などを訴求しているなか、クアルコムでは「第3世代となるAIモバイルプラットフォームで、前世代よりも3倍もパフォーマンスが向上している」と強調。スマホ向けAIでライバルよりも先行しているとアピールしていた。

 また、クアルコムではVR、AR、MRなどを「XR」という表現にまとめてしまっている。そのXRでは、Snapdragon820のころは、VRのヘッドマウントディスプレイで首の向きぐらいしか認識できなかったが、Snapdragon 845では、部屋の空間を認識し、XR空間を歩けるようになるという。また、映像も120fps、2Kの映像を2つ、表示することも可能になるという。スマホによるXR体験はさらにリアリティを増したものになりそうだ。

 カメラは、4K/60fps/HDR10という動画撮影が可能で広大な色空間を表現できるようになる。

 また、最近、カメラの画質評価として、各社が引き合いに出すDxOMarkでは、iPhone 8が94、Pixel 2が98なのに対し、Snapdragon 845を搭載したデバイスは、100を超える数値をマークしたという。

 100点満点の評価で100を超えてしまうというのは驚きだが、これがどういった製品に搭載されたものになるのか、とても気になるところだ。

 また、プレゼンにおいては、顔認証についても触れられていた。アップル・iPhone Xの顔認証が予想以上に認知され、話題となっていることを考えると、Android勢においても、Snapdragon 845との組み合わせにより、顔認証が標準的な機能になるのは間違いなさそうだ。

 ネットワーク的には下り1.2Gbps、5CA、4x4 MIMOというスペックを持つ。CAの組み合わせも柔軟になっており、アンライセンスバンドのLTEにも対応する。

 すでにファーウェイなどが実現しているDSDV (Dual SIM-Dual VoLTE)も使えるようになるが、このあたりはキャリアが嫌がりそうな仕様でもあるだけに、キャリア向けの製品が対応するかはかなり微妙なところだろう。

 Snapdragon 835のスケジュールを振り返ると、昨年末に概要が発表され、今年のMWCでソニーが搭載端末としてXperia XZ Premiumを披露したという流れがあった。

 Snapdragon 845搭載端末は、すでに中国・シャオミーが名乗りを上げているが、他メーカーからもMWCあたりで発表されることだろう。

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