「海外での通信費は高い」はもう古い? 最新の海外渡航者向け通信サービスをチェック!5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(3/3 ページ)

» 2018年03月22日 06時30分 公開
[島田純ITmedia]
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これからに期待の「eSIM」

 海外でのデータ通信手段として、新たに登場したのが「eSIM」を活用したサービスです(参考記事)。eSIMは通信キャリアの情報などをリモート操作で書き換えできることが大きな特徴で、1枚のSIMカードでローミングに頼らずに通信料金を抑えることを期待できます(この記事では広義のeSIMに含まれる「クラウドSIM」もまとめて「eSIM」と呼びます)。

 「eSIM」を活用した通信サービスでは、世界各地(100か国前後)で利用できるデータ通信パッケージをスマホアプリやWebサイト上で購入し、SIMカードを入れ替えずに使えるという共通の特徴を持っています。当初はモバイルルーター型のものが多かったeSIM通信サービスですが、最近は「AIRSIM」のようなSIMカード型もちらほら出てきました。

GlocalMe G2 GlocalMe(香港)のクラウドSIM対応モバイルルータ「GlocalMe G2」
AIRSIM 信京電訊(香港)のeSIM「AIRSIM」

 例えば国内でも手に入る「GlocalMe」のeSIM通信サービスでは、渡航先に合わせたデータパッケージが購入できます。例えば韓国向けには1GBのデータパック(有効期限1年間)を15ユーロ(約2000円)と、現地でプリペイドSIMカードを購入するより安価で、有効期限も長いのでおトクです。

GlocalMeの韓国パック GlocalMeの日本・韓国向けデータパック(1GB)。韓国で使う場合、現地のプリペイドSIMカードより安価に使える

 さらに、旅行会社のエイチ・アイ・エス(H.I.S.)が日本通信と共同で設立した「H.I.S.Mobile」が、eSIMを活用して「1日500円(200MBまで)」で使える海外渡航者向けの通信サービスを5月から提供する予定です。ただし、具体的なサービス内容については後日発表となります。

H.I.S.Mobile 新規参入の「H.I.S.Mobile」もeSIMを活用した通信サービスを提供予定

 eSIMを活用した通信サービスは、国際ローミングサービスの手軽さと現地プリペイドSIMの料金の安さをある意味で「いいとこ取り」したサービスです。しかし、課題がないわけではありません。

 まず、eSIMを使ったデータ通信サービスは、渡航先でデータ通信ができるようになるまでに1〜5分ほど掛かるという問題があります。

 文章にすると「そのぐらい、待てばいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、このような仕様を把握していないと、「プリペイド残額不足かな?」「いや、サービスエリア外か?」「何か不具合でも起こっているのか?」……といった具合に不安が次から次へとやってくるかもしれません。

 先ほど紹介したAIRSIMについては、SIMカードを入れて渡航先でスマホの電源を入れた後、再起動してからでないと通信できないことが多々あります。こちらも利用時の“クセ”をある程度把握していないと使いこなせないかもしれません。

 もう1つ、現地で利用するネットワークが必ずしも「現地品質」とは限らないという問題もあります。もう少し具体的にいうと、現地キャリアのネイティブ接続ではなく、eSIMが対応している他国キャリアのローミング扱いになっていることがあるのです。

 筆者が経験した例を紹介すると、中国向けに提供されている「enjoymov」というeSIMでは、日本国内での通信が香港のキャリアのローミング扱いとなりました。そのせいか、国内の大手キャリア回線と比べて、速度面では不満を感じる結果となりました。

 この点は筆者が普段国内キャリアの通信サービスを使っているからこそ気付きましたが、初めて訪問する土地や、通信事業者のサービスでは気付かないこともあるでしょう。「現地の通信事情は悪くないはずなのに、速度が出ない……」という時は、eSIM以外のサービスを試してみるのも良いでしょう。

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