iPhone Xのインカメラは赤外線を使って顔を立体的捉えている。そのため、インカメラでもポートレートモードで撮影できる。
ということは、iPhone Xならインカメラで撮ったポートレート写真でもFocosを活用できるのである。
ということで一例。
髪の毛のエッジに不自然な部分はあるけれど、背景をより大きくボカすことで背後に映り込んだわたしを目立たなくしてみた。
iPhone Xを持っている人は、自撮りの背景も自在に操れるのだ。これはこれで楽しい。
もちろん、Focosは人物じゃなくてもいける。
小田急の新型ロマンスカー「GSE(70000形)」を正面からポートレートモードで撮ったものを、先頭にだけピントを合わせたり、中の座席にだけ合わせたりしてみた。
先頭にピントを合わせたら、何となくミニチュア写真っぽい仕上がりに。一方、中の座席にピントを合わせたところ、手前と奥がボケて後ろの座席だけにピントが合った。何か斬新。
もうちょっと遊んでみよう。
普通に背景を思い切りボカしたのがこちらのポートレート写真。
この写真を使って、いろいろ遊んでみる。
今までの例では、絞りサイズの「サイズ」を使ってボケをコントロールしてきたのだが、絞りサイズには他に「シェイプ」「ハイライト」「ビビッド」「変形」の機能が付いてくる(シェイプの一部項目とハイライトはプロバージョン限定)。
最初のおすすめは「ハイライト」。
これを選んでスライドバーを一番右へ持っていくと、背景の明るい部分が強調されて、そこのボケが大きく目立つのだ。
続けて「シェイプ」を変える。
これは「絞りの形」を変えるものだと思えば良い。普通は「円形」だけれど、これを変えるとボケの形が変わるのだ。
七角形にしてみよう。
今のレンズは「円形ボケ」を目指してるけれど、レンズによってはこんな風にボケることもありますね。
デジタルならではのシェイプもある。Appleロゴマークボケを試してみたのがこちら。
この形でボケるとか……デジタルならではのお遊びですな。
シェイプはイルミネーションのように点光源を背景に使った写真だと派手に出て面白い。
ボケ方を楽しむもう1つの機能として、「レンズ」がある。
カメラはレンズによって背景のボケ方が変わる。そこで、ボケ方に癖がある古い有名なレンズをシミュレートしてみよう、というのがこの機能だ(一部レンズを除きプロバージョンでのみ利用可能)。
例えば「Olympus Zuiko」にすると、周辺部が中心に向かう放射状のボケを楽しめる。また、「Carl Zeiss Jena」にするとぐるぐる回るようなボケを楽しめる。
このように、ボカす範囲やボケ方をデジタル処理で楽しめるのが「Focos」なのだ。
まあ、なんだかんだいってデジタル処理なので、リアルな光学的ボケに比べると不自然だったり、古いiOSのポートレートモードで撮った写真には未対応だったりする点には注意。
でもポートレートモードで撮ったら、Focosでボケをコントロールして楽しんでくださいまし……というくらいに面白い。
デュアルカメラなiPhoneをお持ちの人は、無料版でも良いので一度お試しあれ。
最後にネコ写真に「Helios 44」レンズ+ハートマークのぼかしをかけたものと、冒頭で紹介した写真のFocosボカシバージョンをどうぞ。
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