・推薦機種……iPhone 14 Pro、Pixel 7 Pro、POCO F4 GT、Nothing Phone (1)、AQUOS sense7
自分が使って楽しかったもの、欲しくなるような端末を選びました。
iPhone 14 Proで個人的に気に入ったのは「ダイナミックアイランド」。ノッチが大きいと言われている状況を逆手に取って、情報が表示される楽しさや使い勝手を変えてきたところを評価しました。また、カメラも、50MPになってピクセルビニングにも対応しましたし、UIで望遠の倍率を2倍・3倍で選べるようになって、カメラの使い勝手が上がったこともよかったです。
Pixel 7 Proは、やはりカメラですね。Androidのカメラって、これまでHuaweiやOPPOの製品がいいという印象を持っていたのですが、Pixel 7 Proでは望遠でも明るくて、30倍ズームにしてもキレイに撮れます。これがあればデジカメは要らないですね。仕事もこれで成立するという完成度でした。
Xiaomiの「POCO F4 GT」は、Snapdragon 8 Gen 1を搭載して6万4800円(※早割適用時)〜で発売されたように、ゲーミングを意識した端末としての圧倒的なコストパフォーマンスの高さを評価しました。120Wでの充電に先駆けて対応していますし、充電のケーブルもL字型になっていて、プレイ中に邪魔になりづらい。ポップアップトリガーはゲーム以外の操作にも割り当てられます。クアッドスピーカーなので、YouTubeとかを視聴する際の音もよかった。意外と面白くて、買ってからワクワクする要素が多い端末でした。
Nothing Phone(1)は、単なるデザイン端末と思いきや、使ってみると心地よく使えました。さすがOnePlusにいた人が立ち上げたメーカーだなと思わされる完成度でした。新しく出たイヤフォンと合わせて使うとより楽しめる――というデザインの世界観もしっかり打ち出している。こういうスタートアップが出てくると、業界が活気づくと思うので、ぜひグレードアップした(2)の登場を期待したいという意味で、選びました。
ミッドレンジについては、横並びで順当進化したもの――「使えればいいだろう」という端末が多かった中で、AQUOS sense7はカメラにテコ入れして、センサーを変えてくるなどのチャレンジがありました。実際に使ってみた印象としても、動作の安定性や使い勝手の面で、横並びのミッドレンジから一歩抜け出した、と感じています。
・推薦機種……Galaxy Z Fold4、Xiaomi 12T Pro、Zenfone 9、AQUOS sense7、Galaxy M23 5G
フォルダブルスマートフォンは「Galaxy Z Fold3」で完成されたとは思っていましたが、実は使っていると不満もありました。例えば、ペンのホールディングがよくない、閉じたときのディスプレイのアスペクト比が長すぎるなど。一方、Galaxy Z Fold4ではこうした細かいところが改善されました。スペックだけを見るとそんなに変わっていない印象もありますが、実はフォルダブルをより多くの人に広める端末になっていたのではと感じます。
「Xiaomi 12T Pro」に関しては、2億画素のカメラや120W充電がキャッチーな端末。これまで日本では安価なRedmiシリーズで数を売っていた印象が強かったですが、ここにきてグローバルで一番売れているシリーズを日本市場に投入してきたわけです。同社の日本市場にかける本気度を感じた一台でした。
ASUSは「Zenfone 8」のときに、小型とカメラフォンと2路線に分けていましたが、どちらも市場ニーズから脱線していた印象でした。それをどうするのかと思っていたら、「Zenfone 9」で小型かつカメラフォンという形に集約されました。しかも、セルフィーではなく、動画ニーズを踏まえたアクションカム的な使い方が想定されている。いい意味でASUSらしからぬ端末でした。
AQUOS sense7は今年(2022年)一番好きだった端末です。「シャープやればできるじゃん!」と。これまではミッドレンジだからこんなものでしょう、という雰囲氣がありましたが、方やXiaomiなどを見ると競争の中で磨かれている印象がありました。しかし、sense7は質感もいいし、カメラもバランスがいい。家族に安心して買い与えられる端末って何だろうと考えたときに浮かぶスマートフォンですね。
「Galaxy M23 5G」は、日本のギャラクシーファンからしてみたら100年待っていた待望の(オープンマーケット向け)端末ですからね。それを出してくれたのがうれしい。それに尽きます。
・推薦機種……iPhone 14 Pro、Pixel 7 Pro、Xperia 1 IV、iPhone SE(第3世代)、Pixel 6a
ハイエンドは他社に比べて秀でているものがあるか、そして新しいトレンドを作ったか、という部分に着目しました。iPhone 14 Proはフルモデルチェンジに近い変更がありました。実際に使うと、ダイナミックアイランド以外にも常時点灯が便利でした。カメラも画素数が上がって、ピクセルビニングによって2倍ズームでも劣化なく撮れます。スペックに現れにくいところですが、しっかり使い勝手を改良してきたのは評価すべきポイントだと考えました。
Pixel 7 Proは、石野さんのレビュー記事などを見ても、30倍や10倍で遠くに立ったモデルさんをキレイに撮れていたのが驚きでしたし、皆既月食の際には、iPhoneよりもPixelで撮った方がキレイだと話題になりました。AIを活用したボイスレコーダーや翻訳などは従来機から継承しつつ、カメラ、特に望遠性能のインパクトがあったという点を評価しました。
Xperia 1 IVは、望遠カメラの光学ズームなど変態的な部分ももちろんあるのですが、それプラスでゲームの配信であるとか、周辺機器を活用してVチューバー向けの撮影ができるとか、専用の動画撮影アプリから配信までの体験をシームレスに整えるという仕掛けが面白かった。コンシューマーに対しては自分ごととして捉えにくい部分もあるのですが、カメラをただ消費するのではなく、カメラで配信するという提案をしてきたところも評価したいなと思いました。
ミッドレンジは皆さんと被る部分が多いですが、22年のミッドレンジはチップセットの性能が底上げされて、単に安いスマートフォンではなくなった印象があります。値段も5万円くらいに上がってはいますけれどね。そんな視点でiPhone SE(第3世代)とPixel 6aを選びました。前者はiPhone 13と同じA15 Bionicを、後者はPixel 6と同じ当時のTensorを搭載して、両者ともに5Gにも対応しました。Pixel 6aには望遠カメラがありませんが、レビューを振り返るとPixel 6/6 Proと比べても広角カメラの差はそこまでないことが分かります。
メディアとしても、iPhone SE(第3世代)とPixel 6aの記事は非常に読まれました。そうした視点からも評価している2台です。
審査員が選んだ5機種を集計し、ハイエンド部門とミッドレンジ部門の上位5機種をノミネート機種として選出しました。
ハイエンド部門は1位にPixel 7 Pro、2位にiPhone 14 Pro、3位にGalaxy Z Fold4がランクイン。以降は2票ずつ獲得したZenfone 9、Galaxy S22 Ultra、Xperia 1 IV、Pixel 7が並びましたが、決選投票によってZenfone 9とGalaxy S22 Ultraが勝ち進みました。
ミッドレンジ部門は1位がPixel 6aとAQUOS sense7、3位がiPhone SE(第3世代)、4位がOPPO Reno7 A、5位がNothing Phone(1)という結果になりました。
この後、各部門で審査員が配点をした上で、ナンバーワン機種が決まります。果たして、各部門のノミネート機種5つの中から栄冠を手にする機種はどれか? 結果は12月中に掲載予定の次回レポートをお待ちください。
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