ソニーは5月26日、Atom搭載ミニノートPC「VAIO type P」の2009年夏モデルとして、同シリーズ初のWindows XP搭載機種を発表した。店頭販売向けにボディーカラーがクリスタルホワイトの「VGN-P50/W」、ガーネットレッドの「VGN-P50/R」、ペリドットグリーンの「VGN-P50/G」を6月6日に発売する。カラー以外の仕様は3モデルとも共通だ。価格はいずれもオープンで、実売価格は8万5000円前後と予想される。
Z550+256GバイトSSDもテスト:待望のXP搭載「VAIO type P」を徹底検証する
金銀か黒茶か、これは悩ましい選択だ:「VAIO type P」直販モデルの新カラバリ“全16通り”を見比べる
2009年PC夏モデル:type PのXPモデルや新色、地デジ対応type Tが登場――ソニー「VAIO」夏モデル第2弾
“P”旋風は止まらない:これぞ「VAIO type P」の真骨頂!?――ワイヤレスWAN+GPSモデルを攻略する
ソニー、“type P”ワイヤレスWAN搭載店頭モデルの発売日を決定――2月14日
こいつ、動くぞ!:「VAIO type P」でWindows 7 日本語β版を走らせる
ポケットスタイルPC発進:本日発売の「VAIO type P」を動画でおさらいする
真の実力が明らかに:これは理想の低価格ミニノートPCなのか!?――「VAIO type P」徹底検証(後編)
ソニー初のAtomマシンが登場:これは理想の低価格ミニノートPCなのか!?――「VAIO type P」徹底検証(前編)
新鋭ミニPCをいきなり分解:やはり中身もNetbookとは大違い――「VAIO type P」を丸裸にする
山田祥平の「こんなノートを使ってみたい」:時代を築くVAIOが現れた──「VAIO type P」開発者の証言
2009年PC春モデル:1600×768ドット液晶/588グラムの“ポケットスタイルPC”――「VAIO type P」
VGN-P50/W・R・GはプリインストールOSにWindows XP Home Edition(SP3)を採用。2009年1月に発表されたWindows Vista Home Basic搭載のワイヤレスWANモデル「VGN-P80H/W」、およびワンセグモデル「VGN-P70H/W・R・G」の下位機種に位置付けられ、Vista搭載機種は継続販売される。
XPモデルでは基本動作のレスポンスが向上する半面、HD動画の再生支援機能やワイヤレスWAN内蔵のGPS機能は利用できない。Vista用に設計されたVAIOオリジナルアプリケーションの「ウィンドウ整列ユーティリティ」をはじめ、「VAIO Location Search」「x-Radar」「VAIO Media plus」「VAIO MusicBox」「SonicStage V」「PMB(Picture Motion Browser)」「プロアトラスSV4 for VAIO」「VAIOナビ」「Plug & Display」が省かれている。ネットワーク切り替えユーティリティは「VAIO Smart Network」から「Wireless Smart Switch Utility」に変更された。
Vistaモデルでウィンドウ整列ユーティリティに割り当てられていたボタンは「マルチディスプレイ出力」、VAIO Media plusに割り当てられていたボタンは「消音」が出荷時設定となっている。各ボタンの機能はカスタマイズが可能だ。
ボディデザインは既存の機種と変わらず、同社が“ジャストKeyboardサイズ”と呼ぶパームレストのない横長のデザインを採用する。本体サイズは245(幅)×120(奥行き)×19.8(高さ)ミリ、重量は約626グラムだ。バッテリーはリチウムイオンポリマーを採用し、標準バッテリーで約4時間、別売のバッテリーパックL装着時で約8.5時間駆動する。バッテリーパックL装着時は重量が約118グラム増える。
基本スペックは、CPUがAtom Z520(1.33GHz)、チップセットがグラフィックス機能のIntel GMA 500を統合したIntel System Controller Hub US15W、メインメモリが1GバイトのDDR2-533 SDRAM(オンボード/増設不可)、HDDが80Gバイト(1.8インチ/4200rpm/Ultra ATA接続)。液晶ディスプレイはLEDバックライトを搭載した1600×768ドット表示の8型ワイド(光沢/ARコート)、キーボードはキーピッチが約16.5ミリ、キーストロークが約1.2ミリ、ポインティングデバイスはスティック型だ。
インタフェースは2基のUSB 2.0、ヘッドフォン、専用I/Oポート、SDHC対応SDメモリーカード/MMCスロット、メモリースティックPROスロットを搭載。ネットワーク機能はIEEE802.11b/g/nの無線LAN(11nはドラフト準拠)とBluetooth 2.1+EDR、NTTドコモのFOMA HIGH-SPEED対応ワイヤレスWANモジュール(下り最大7.2Mbps)を内蔵する。さらに、専用I/Oポートに接続する別売のアダプタを使うことで、アナログRGB出力と1000BASE-Tの有線LANにも対応する。
そのほか、電源オフの状態からWindowsよりも高速に起動が可能なLinuxベースのインスタントモードを備えている。Vistaモデルはインスタントモード時にワイヤレスWAN機能を利用できなかったが、XPモデルではワイヤレスWAN機能が使えるようになった。
CTOによる仕様の変更に対応したソニースタイル直販のVAIOオーナーメードモデルも同時発表された。XPモデルは6万7800円から、CTOメニューを拡充したVistaモデルは7万4800円から購入できる。出荷は店頭モデルと同時期の見込みだ。
カラーバリエーションは、店頭向けの3色と従来から直販限定色として選択できたオニキスブラックに加えて、新たにパイライトゴールドを用意した。また、クリア層下のカラー塗装層をレーザー照射で焼き付けることで、クリア層下に浮き上がったような柄を生成できる「レーザー加飾」による天板も選べるようになった。レーザー加飾の天板は、フローズンクリスタル(ホワイト)、メッシュガーネット(レッド)、レイヤードペリドット(グリーン)の3パターンだ。さらに、キーボードの配色もこれまでのシルバーに、ダークブラウンが追加された。キーボード上部のメッセージ刻印サービスは引き続き提供される。
基本スペックも強化された。CPUの最上位グレードはAtom Z540(1.86GHz)から同Z550(2.0GHz)に変更され、128Gバイトが上限だったSSDは新たに256Gバイトが選べるようになっている。256GバイトのSSDは従来より高速アクセスが可能なタイプだが、VAIO type PではSSDをSerial ATA/Parallel ATA変換アダプタ経由で接続するため、パフォーマンスはあまり上がらないという。
XPモデルはメモリが1Gバイトに固定され、SSDは32Gバイトしか選べない。また、Bluetoothを省くことができず、Webカメラやノイズキャンセリングヘッドフォンを追加できないなど、Vistaモデルに比べて仕様に制限がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.