「Vostro 320」は、デルのSOHO/スモールビジネス向けブランド「Vostro」シリーズから登場した新しい液晶一体型デスクトップPCだ。6万円台から買えるリーズナブルさと、シンプルなデザインの省スペースボディが特徴となっている。「一体型ビジネスパッケージ」と上位の「一体型ビジネスプレミアムパッケージ」の2モデルで展開されるが、ここでは後者をレビューしよう。
19型ワイド液晶ディスプレイを搭載したボディのサイズは、477(幅)×104(奥行き)×386(高さ)ミリ、重さは6.5〜8キロ(構成により異なる)で、ボード風のボディをシンプルなスタンドで立たせるカジュアルなスタイルを採用する。ボディは樹脂製で、ツヤ消しレッドのスタンド部裏以外は全面が光沢ブラックで塗装されたシックな仕上げとなっている。企業向けとはいえ、家庭のリビングに置いても違和感のないデザインだ。ネジ穴なども目立たないよう配慮されている。
背面のカバー内にはVESAマウント(100ミリ×100ミリ)に対応したマウントホールを装備しており、市販のVESA対応アームを利用したスタイルでの利用も可能だ。BTOメニューには、オプションとしてエルゴトロン製の「MXデスクマウント液晶ディスプレイアーム」(2万1500円)も用意される。
ボディの左側面にはDVDスーパーマルチドライブを内蔵し、右側面には、SDHC対応SDメモリーカード/MMC/メモリースティックPROなどに対応した8in1のカードリーダー(上位モデルのみ)、IEEE1394a(4ピン)、USB 2.0×3、ヘッドフォン、マイクのほか、輝度調整ボタンが用意されている。さらに背面には、eSATA/USB 2.0兼用ポート、USB 2.0×2、ライン出力のほか、PS/2×2、パラレル、シリアルなどのレガシーポートも備える。なお、電源を内蔵しているためACアダプタは不要で、電源ケーブルを背面に直接差し込んで使う形だ。通信機能は、ギガビット対応の有線LAN、IEEE802.11b/g対応の無線LAN(上位モデルのみ)を装備する。
同社の製品はBTOで柔軟なカスタマイズが可能なモデルが多いが、本機の場合は基本スペックが異なる2モデルが用意され、BTOの選択肢は非常に少ない。両者ではCPUの違いのほか、下位モデルでは無線LAN機能やメモリカードリーダー、Webカメラなどが省かれる。
CPUには上位モデルでCore 2 Duo E7400(2.8GHz/2次キャッシュ3Mバイト/FSB 1066MHz)、下位モデルがPentium Dual-Core E5300(2.6GHz/2次キャッシュ2Mバイト/FSB 800MHz)を採用する。チップセットにはグラフィックス統合型のIntel G41 Express/ICH7を搭載し、グラフィックス機能はG41内蔵のグラフィックスコア「Intel GMA X4500」を利用する。動画再生支援機能はインターレース解除や色空間変換などのごく基本的なもののみで、MPEG-4 AVC/H.264やVC-1などのハードウェアデコード機能は内蔵しない。このあたりはやはりスモールビジネス向けらしいチョイスといえる。
メモリは2Gバイト(1Gバイト×2/DDR2-800デュアルチャネル対応)、ストレージには容量160Gバイトの3.5インチHDD(Serial ATA対応/7200rpm)を搭載している。HDD容量が少なめなのはビジネス向けのクライアントPCとして割り切っているためだろう。メモリスロットやHDDベイにすぐアクセスできるようなカバーなどは用意されていない。
液晶ディスプレイのサイズは19型ワイドで、画面解像度は1440×900ドット(アスペクト比16:10)となっている。表面はビジネス向けらしく非光沢仕上げとなっているため、液晶自体は映り込みは気にならず、無難な視認性だ。液晶ディスプレイの周囲は光沢ブラックの塗装仕上げで映り込みやすいが、画面に集中しているときは特に気にならなかった。上下の視野角は狭めだが、ボディの角度を100〜125度程度の間で変更できるので使いやすい角度に調整すれば実用上は問題ないだろう。
上位モデルのみ、液晶の上部には130万画素のWebカメラを内蔵する。また、出力2ワット+2ワットのステレオスピーカーも本体に内蔵している。音量を大きくすると多少の音割れがあるが、ビジネス向けだけに十分だろう。
プリインストールOSは上位モデルがWindows Vista Business(SP1)、下位モデルがWindows Vista Home Basic(SP1)で、いずれも32ビット版となる。細かいところでは、キーボードとホイール付き光学マウスはいずれもUSB接続で、無線タイプを選べないのが残念だ。
一方、スモールビジネス向けのVostroシリーズならではのツールとして、「Dellバックアップおよびリカバリーマネージャ」がプリインストールされており、システム(Cドライブ全体)を光学メディアや外部ストレージにバックアップし、復元できる。Windows Vista標準のバックアップツールや出荷時の状態に戻すリカバリツールへのアクセスもここから行なえる。また、HDDが故障した際に(機密情報保護などのため)HDDを返却せず代替品を受け取れる「HDD返却不要サービス」、HDDが故障した際に復旧可能なデータを復旧してくれる「HDDデータ復元サービス」など、ビジネスでの利用に配慮したオプションサービスもありがたい。
次のページでは、ベンチマークテストの結果を見ていこう。
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