“Windows 7特需”が進行中だけど“弾”が足りなかった11月のアキバ5分で分かった気になる、11月のアキバ事情(1/2 ページ)

» 2009年12月02日 11時32分 公開
[古田雄介,ITmedia]
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「いきなり対応HDDまで出るとはね」――USB 3.0関連アイテムが続々登場!

各社から登場したUSB 3.0インタフェースカード。価格は3000円弱から8000円

 次世代の汎用インタフェースとして注目されている「USB 3.0」に対応した製品が、11月初旬から続々と登場している。USB 3.0は最大5Gbpsの転送速度を持つ規格で、USBバスパワーの上限もUSB 2.0の500ミリアンペアから900ミリアンペアに引き上げられている。なお、対応機器はUSB 1.1/2.0と下位互換性を持つが、USB 3.0を使うには専用のケーブルが必要だ。

 11月第1週に登場したTFTEC JAPANのインタフェースカード「USB 3.0 PCI-E CARD S19903」を皮切りに、バッファローやアイ・オー・データ機器、玄人志向、ラトックシステム、ASUSTeKの製品も複数のショップに入荷した。USB 3.0コントローラーチップを搭載したマザーボードもギガバイトとASUSTeKから発売されている。また、対応デバイスとしては、バッファローの外付けHDDシリーズ「HD-HxxTU3」の2Tバイトと1.5Tバイト、1Tバイトモデルも店頭に並んだ。なお、USB 3.0ケーブルはすでに複数のメーカーから多数のラインアップが登場している。

 USB 3.0関連のアイテムは、利用環境が整い切れていない新規格の製品としては異例なペースで売れているようだ。T-ZONE.PC DIY SHOPは「話題性が高いとはいえ、最初は様子見する人が多いと思っていました。しかし、インタフェースカードを並べた日にガンガン売れて、反響の大きさに驚きましたね」と正直な感想を述べる。

 この状況についてツートップ秋葉原本店は「USB 2.0の普及の度合いからして、USB 3.0もほぼ確実に広がっていくだろうと考えている人は多いのでしょう。普通の新規格に比べて、将来の実用度が予想しやすいのが好調な売れ行きの理由だと思います。ACアダプタいらずの外付け光学ドライブや、10数GバイトでもサクサクコピーできるUSB 3.0メモリなどの登場が想像できますし、それで身の回りが便利になることもね」と分析していた。

 とはいえ「新規格という条件を外せば、先行投資的なアイテム。普通の商品としてみると目立った売れ行きではありません」(某店長)との声もある。同店長は「やはりアキバ界隈での本格的な普及は、USB 3.0対応の外付けHDDケースやNASキットが複数登場してからでしょうね。早くて来年の春ごろだと思います。それまでに多くのマザーボードがUSB 3.0対応になるでしょう」と続けた。

USB 3.0カード第1号となったTFTEC JAPAN「USB3.0 PCI-E CARD S19903」。月末には同じ構成でビニール袋入りのモデルが2980円で販売された(写真=左)。ギガバイトのUSB 3.0対応マザー(写真=中央)。バッファローのUSB 3.0対応HDD「HD-H1.0TU3」(写真=右)

「“レア”っていってもいつも通りの入荷ペース。でも、需要がすごいんです」

SapphireのRadeon HD 5970カード「HD5970 2G GDDR5」

 10月に登場したRadeon HD 5870/5850/5770/5750に引き続き、Radeon HD 5000ファミリーで最上位となる「Radeon HD 5970」を搭載したグラフィックスカードが11月第3週に登場した。標準モデルの価格は7万円強から8万円強のあいだ。月末に登場したオーバークロック仕様のXFX「HD-597A-CNB9」は約9万円となる。Radeon HD 5970はHD 5870相当といわれるGPUを2基搭載する仕様で、ピーク時294ワットながら、アイドル時の消費電力が42ワットに抑えられているのが特徴だ。

 Radeon HD 5970カードはHD 5800シリーズ以上に流通量が少なく、ごく少数が入荷してすぐに売り切れるという状況が続いている。アキバでは、話題性が高くて流通量の少ないパーツが登場するとPCパーツショップを何店舗も探し歩くユーザーが多数発生するのが常だが、すでにRadeon HD 5970カードに関してはそういった様子は見られず、ショップに届く問い合わせもそれほど多くないようだ。

 ドスパラ秋葉原本店は「『どうせ在庫はないでしょ』とあきらめている人が多いのが実際のようです。反響自体は歴代のRadeonブランドの中でもトップクラスではないでしょうか。それゆえに人気が高く、需要に対して供給量が圧倒的に足りない状態になっています」と語る。潤沢に出回る時期について具体的な予想を立てているショップはなく、「来年の2月くらいに買えるようになればと思っていたほうがいいですよ」(某ショップ)など、落胆に近いコメントが目立った。

 一方、GeForceのハイエンドクラス「GTX 295/295」もにわかに在庫不足に陥っている。11月後半から、複数のショップで「年内最終入荷(!?)」「奇跡の再入荷」などと書かれたPOPが見られるようになった。

 フェイス秋葉原本店は「GeForce GTS 250以上のGPUは生産終了という情報が入ってきました。しかし、すぐにGeForceの次世代GPUが登場するわけでなく、空白の期間ができてしまうようです」と話す。この空白の期間については、「10月まではGTX 295/285もダブついていたので、メーカー側は市場在庫だけでやりくりできると思ったのでしょう」といったウワサが流れていた。ところが「Windows 7の影響か、11月から急に売れ行きが上向きました。そして在庫不足に陥ったわけですが、再入荷は大変難しい状況です。年内にベンダー各社の残りのストックが放出されて終わりでしょう。それも少数だと思いますけど」という。

 11月末現在、GeForce GTX 285とRadeon HD 5870/5850は、アキバ中を探せば何とか見つかるが、GeForce GTX 295は在庫を見つけ出すのはかなり厳しい状況となっている。そして、さらに入手困難なのがRadeon HD 5970カードだ。ツートップ秋葉原本店は「Radeon HD 5700シリーズやGeForce 9800は潤沢に在庫があるのに、上位モデルが全然売れないというのはくやしいですね。せっかく久々に調子がいい時期に、弾がないというのは痛いですよ。まあ、こればっかりは待つしかないです」とこぼしていた。

HISのRadeon HD 5970カード「H597F2GD」。標準仕様のカードは全長30センチ以上ある(写真=左)。11月中旬に撮影したT-ZONE.PC DIY SHOPのRadeon HD 5800シリーズ価格表(写真=中央)。11月後半、ツートップ秋葉原本店に入荷したGeForce GTX 285カード(写真=右)

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