“Windows 7特需”が進行中だけど“弾”が足りなかった11月のアキバ5分で分かった気になる、11月のアキバ事情(2/2 ページ)

» 2009年12月02日 11時32分 公開
[古田雄介,ITmedia]
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HDD/SSDに低価格化と高速化の動き

ギガバイトのUSB 3.0&SATA 3.0対応マザー「GA-P55A-UD6」のパッケージ

 11月を通してコンスタントに注目を集めていたのはストレージ関連だ。月末には複数のショップで、2TバイトHDDが数量限定1万2980円の価格が付けられるなど、低価格化は継続している。通常売価でも1TバイトHDDが7000円台、2TバイトHDDが1万4000円前後と、大容量モデルで容量単価の差がほとんどなくなっている。

 そうしたなか話題を集めているのは、最大6Gbpsの転送速度を実現する次世代Serial ATA規格「Serial ATA 3.0(SATA 3.0)」だ。前述のUSB 3.0対応マザーボードもSATA 3.0コントローラーを搭載しており、いくつかのショップには対応HDDの登場を待つユーザーからの問い合わせがよくかかってくるという。

 そして11月14日、初のSATA 3.0対応HDD「Barracuda XT ST32000641AS」が入荷した。2Tバイトの3.5インチHDDで、価格は3万円弱から3万4000円と、従来のSATA IIモデルより2倍以上高い。それでも、入荷後すぐに売り切れるショップが多かった。

 TSUKUMO eX.は「HDDが大容量化したことで、空き容量よりもコピーやバックアップの時間を気にする人が多くなっている印象があります。価格がこなれてラインアップも増えれば、SATA 3.0はまず普及していくでしょう。Barracuda XT ST32000641ASは少数ながら、安定して再入荷できると思います」と話していた。

 SATA 3.0の普及のカギについて、T-ZONE.PC DIY SHOPは「対応SSD待ちでしょうね。SATA 3.0対応HDDでも、モデルによってはSATA II対応SSDに勝てません。SATA 3.0対応で内部転送速度が200Mバイト/秒超のSSDが登場したら、何万円でもヒットすると思います。ま、先のことですけどね」と語る。

 そのSSDで11月に注目を集めていたのは、東芝製モデルだ。東芝製SSDを採用したモデルは、国内ではアイ・オー・データ機器から「SSDN-ST」シリーズが10月末に登場しているが、人気の高さから11月初旬に入手困難となった。

 そして、入れ替わるように海外メーカー扱いの東芝製SSDが登場。いくつかのショップが並行輸入で海外から直接仕入れたSUPER TALENTの「UltraDrive DX」シリーズがヒットした。価格は128Gバイトの「FTM28DX25T」が5万円弱で、64Gバイトの「FTM64DX25T」が2万5000円弱。ともに128Mバイトキャッシュを搭載するMLC型だ。入荷したTSUKUMO eX.は「SSDは低価格化が一段落して、逆に少し高騰する兆しをみせています。価格の変動が激しいときは様子見するユーザーが多くなるのですが、それでも東芝製とインテル製のSSDは飛び抜けて売れていますね」と話している。

 なお、インテル製SSDはKingston Technologyから40Gバイトモデル「SNV125-S2 40GB」が登場。1万円弱という値ごろ感も手伝って、こちらもヒットしていた。

「Barracuda XT ST32000641AS」発売を伝えるTSUKUMO eX.のPOP(写真=左)。SUPER TALENT「UltraDrive DX」シリーズ(写真=中央)。Kingston Technology「SNV125-S2 40GB」(写真=右)

小さくなったAMD製CPU(の箱)と地デジチューナー

AMDの新CPU。下段奥が「Phenom II X4 965 BlackEdition(C3)」。モデルによってはC2ステッピングを継続している

 そのほか、AMD製CPUの新モデルも注目度が高かった。11月第1週に、C2からC3ステッピングに変更した「Phenom II X4 965 BlackEdition」が2万1000円前後で登場。3.4GHz動作や6MバイトのL3キャッシュなどは従来と同じだが、TDPは140ワットから125ワットに下がっている。

 ドスパラ秋葉原本店は「加えてメモリコントローラーも改善されています。オーバークロック耐性も上がったと評判で、普段のリビジョン変更以上の反響で迎えられていますよ」と話していた。その後、「Phenom II X4 945(C3)」やAthlonブランドで初のトリプルコアとなる「Athlon II X3 435」などが立て続けに投入されたが、新モデルはいずれもリテールパッケージが一回り小さくなっていた。

 小さくなったといえば、SIMカード大のコンパクトな「mini B-CASカード」を採用した地デジチューナーも話題を集めている。11月後半、アイ・オー・データ機器から3モデルとエスケイネットから1モデルが登場。いずれも、従来のクレジットカード大のB-CASカードを挿す必要がなくなったため、筐体や基板が大幅に小さくなっており、低価格化とも相まって「全盛期のワンセグ並みの存在感ですね。売れています」(クレバリー1号店)と好評だ。

 アイ・オー・データ機器から登場したのは、USB 2.0接続ユニット「GV-MVP/HZ3」と、PCI Express x1接続の「GV-MVP/HS3」「GV-MC7/HZ3」。GV-MVP/HZ3とGV-MVP/HS3は地デジとワンセグチューナーを搭載しており、独自ソフトで視聴する。GV-MC7/HZ3は地デジのみに対応しており、Windows Media Centerを利用するタイプだ。価格は順に、1万3000円前後、1万3000円前後、9000円前後。エスケイネットの「Monster TV U3」は、デジタル3波(地上デジタル/BS/110度CS)に対応するUSB 2.0接続ユニットで、付属のリモコンと独自ソフトで視聴する。価格は1万5000円弱だ。

 Windows 7の登場以来、地デジチューナー関連が好調に売れている背景について、某ショップは「低価格化の流れとマシンの買い替えの流行が同時に来たのが大きいですね。ワンセグ並みの価格で地デジが見られるようになるので、『せっかくPCを新調するし、ついでにテレビ機能を追加しよう』と考える人が増えているのでしょう」と分析していた。

AMD「Phenom II X4 945(C3)」。ほかにも「Phenom II X4 955 BlackEdition(C3)」も出回っている(写真=左)。アイ・オー・データ機器「GV-MVP/HS3」(写真=中央)。エスケイネット「Monster TV U3」(写真=右)

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