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» 2010年09月08日 08時54分 公開

ThinkPadはソフトウェアで進化するヤマトの諸君が語る(2/2 ページ)

[長浜和也,ITmedia]
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たくみの技で起動時間は早くなる

 続いて、Windows 7 Lenovo Enhanced Experienceについて、同社 第三TVT開発 Microsoftプロジェクト・マネージャーの柴谷淳治氏が解説した。この機能は、Windows 7を導入したThinkPadシリーズの「W」「T」「Ts」「L」「X」(X100eを除く)で、起動時間とシャットダウン時間を短縮する機能だ。柴谷氏は、起動時間とシャットダウンの短縮を可能にしたのは、「CPU利用率の解析」「サービス起動状況の解析」「HDD使用状況の解析」と説明する。

 CPUの使用率解析では、OS起動時の初期段階でCPUの負荷率がほとんどないことに着目してその原因を追求、ストレージデバイスコントローラに不要なアクセスが多発していたためCPUが停止状態にあったことを突き止めた。そこで、BIOSとドライバのインタフェースを最適化してCPUの停止状態を解消、起動時間が約21秒短縮できたとする。

 また、サービス起動状況の解析では、必要とされていない段階で起動に長い時間を要するサービスが起動していることを発見。この起動するタイミングをずらすことでも9秒短縮できたとしている。HDD使用状況の解析では、起動のたびに不要なフォントキャッシュファイルの読み込みがあるために起動時間が延びていたが、Microsoftの協力によってOSレベルで改善。この結果、不要なHDDアクセスがなくなり11秒短縮されたという。

 Windows 7 Lenovo Enhanced Experienceは、現在もチューニングを継続しており、同じWindows 7導入モデルながら、ThinkPad T400sのOS起動時間が22.4秒だったが、ThinkPad T410sでは19.7秒と改善されている。

CPU使用率の解析で不要なストレージデバイスへのアクセスをなくし(写真=左)、サービス起動状況の解析で不適切なサービスの起動をシフト(写真=中央)、HDD使用状況の解析では必要のないファイルアクセスをなくして(写真=右)、起動時間の短縮を実現した

ユーザーを意識させることなくベストな設定を自動で

 VoIPを快適に使うソフトウェアとして開発された「ThinkVantage Communications Utility」の説明は、同社第一TVT開発 主任SWエンジニアの塚本泰史氏が担当した。塚本氏は、ThinkVantage Communication Utilityに実装された機能から、一時的に撮影を中断する「プライバシー機能」と、VoIPで問題となるキーボードノイズ(打鍵音)の軽減機能を紹介した。

 プライバシー機能では、従来、Webカメラをハードウェア的に無効にする手法が一般的だが、この場合、ネットワーク接続で不具合が発生するケースも多く、それを防ぐためにソフトウェア的にダミーの画像を送信するようにしたという。また、キーボードノイズの軽減では、VoIP接続中にキーボードのタイプが始まったことを検知したら、マイクの音量を自動的に下げるようにしている。

ThinkVantage Communications Utilityは、VoIP接続のためにカメラとオーディオの設定を集約したユーティリティで、Fn+F6キーで起動する(写真=左)。一時的に画像を送りたくないときにはプライバシー機能を利用する(写真=中央)。キーボードを打鍵するとそのノイズがVoIPのオーディオに乗ってしまう。それを防ぐために、キーボードを打鍵し始めたら自動でマイク音量が低くなる機能も用意された(写真=右)

 省電力マネージャーの最新機能を紹介した同社第三TVT開発 主任SWエンジニアの今井拓水氏は、使い勝手の向上と長時間のバッテリー駆動、環境負荷の軽減という3つの観点で解説。使い勝手では、複数の項目をスライダーだけで調整できる簡単省電力設定と、移動時に液晶ディスプレイを閉じてもスリープに移行せず、再び開いたときにすぐ使用可能な「簡易復帰機能」を紹介した。この機能では、CPUは休止してファンやHDDも動作を止めているが、ネットワーク接続は維持されるなど独自の電力管理モードに移行する。

 また、「デュアルモード・バッテリー」では、通常の充電モードのほかにバッテリーの使用寿命を延ばすために低電圧で充電するモードを設けただけでなく、ユーザーの「バッテリー充放電」「スリープとレジューム」「起動と終了」「ACの抜き差し」といった回数をチェックして、適切な充電モードに自動で切り替える機能が導入されている。

省電力マネージャーでは、使い勝手とバッテリーの延命対策、そして環境負荷の軽減を目指す機能が用意される(写真=左、中央)。デュアルモード・バッテリーでは、通常の充電モードと低電圧の充電モードが用意されるほか、ユーザーの利用状況をチェックして適切なモードに自動で切り替えてくれる(写真=右)

 最後に登場した同社 第一TVT開発 Advisory SWエンジニアの長沢達美氏は、Access Connectionの特徴を紹介。ThinkPadが搭載可能な無線LAN、ワイヤレスWAN、そして、モバイルWiMAXのほかに有線LANやモデムを利用した通信まで、すべてのネットワークの接続環境をAccess Connectionだけで行えるほか、接続場所ごとの設定をワンクリックで呼び出せる簡単な切り替えや、設定を保存したロケーションプロファイルの一括配布による接続管理の簡便化などをアピールした。

Access Connectionsは、ThinkPadがカバーするネットワーク接続はすべて設定可能(写真=左)。モバイルWiMAXのサインアップもAccess Connectionsから、サービス提供事業者のサインアップページにアクセスできる(写真=右)

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