―― 日本と中国は政治的な問題を抱えていることから、中国の通信機器メーカーに対しても微妙な見方をする人もいます。政治的に難しい状況の中、日本で展開する際にはソフトウェア面、とりわけプライバシーへの配慮が非常に重要だと思いますが、Huaweiとしてどのような取り組みをしているのか教えてください。
馬氏 まずはユーザーのプライバシー保護について話したいと思います。
創業から30年間、Huaweiは品質に関して「中国製だから」という問題に直面してきたこともあります。通信機器を取り扱うメーカーとして長い時間をかけてヨーロッパ、米国、日本と販売先を拡大してきましたが、その過程で他国からも新しい技術を学んできました。現在では品質面でも改善が進んでいます。
その過程で、いろいろな国での経験をもとにさまざまな管理体制を整えていきました。プライバシー関連で法整備が一番進んでいるのはヨーロッパの国々ですが、弊社ではヨーロッパ連合(EU)の法令に準拠する形でプライバシーポリシーを設定しています。他国でもプライバシー保護法令を作る動きがありますが、弊社では特に厳しい基準に合わせて管理するようにしています。
馬氏 コンシューマー向け製品の品質という観点で、弊社は2つの強みを持っています。
1つは弊社の品質管理システムです。弊社は通信インフラ製品も手がけていますが、これには高い信頼性が求められるため、最も高い品質基準を適用しています。コンシューマー製品についても、この基準をアレンジした品質基準を定めています。
ただ、この基準を実現する上で、さまざまな課題に直面しました。例えば、サプライヤー(部品メーカー)に対して弊社の基準を提示したところ、それを満たせないという事例が複数ありました。温度・湿度の試験についてコンシューマー向けにアレンジした基準を提示したら「基準が高すぎる」と言われてしまったことはその一例です。しかし、根気強く説得して弊社の品質基準を採用してもらいました。
中国企業(であるHuawei)が世界において品質の良さを証明し認めてもらうためには、多大な努力がどうしても必要です。より高い基準が、世界でのより高い評価につながると考えています。
もう1つの強みは、弊社のハンドセット(端末)事業がキャリア向けに製品を提供するところから始まった点にあります。
世界中の100社以上のキャリアと取引関係を持ち、キャリアとの品質基準のすりあわせも実施してきました。このことは、世界中のユーザーが求める品質基準を満たすということも意味します。
品質は「基準」を設けることが一番(重要なこと)です。その点で、弊社の品質基準は自信を持って紹介することができます。日本を含めて、どこへ出荷する製品でも「世界統一基準」で品質管理をしています。
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