割り当ては1事業者に――携帯端末向けマルチメディア放送の開設指針案

» 2010年02月03日 20時04分 公開
[ITmedia]

 総務省は2月3日、携帯端末向けマルチメディア放送の免許割り当てへ向けて、電波監理審議会へ省令案の諮問を行うと同時に、各種制度の整備案を発表した。2月4日から3月5日まで意見を募集し、電波監理審議会の答申を踏まえ、実際の制度を整備する。

 アナログテレビ放送が停波する2011年7月以降に、空き周波数となるVHF帯とUHF帯の電波を有効利用すべく、総務省は90MHz〜108MHzの帯域にTV以外の放送、170MHz〜202.5MHzの帯域に自営通信、207.5MHz〜222MHzの帯域にTV以外の放送、そして710MHz〜770MHzの60MHz幅をITSと携帯電話などの電気通信を割り当てる方針を発表している。今回の省令案や制度整備案は、このうちの207.5MHz〜222MHzの帯域で、携帯端末向けのマルチメディア放送を実現すべく作成されたものだ。

 この制度整備案の中で「207.5MHz以上222MHz以下の周波数を使用する特定基地局の開設に関する指針案」が公表されており、ここに携帯端末向けマルチメディア放送を提供したい事業者が、基地局を開設する際に申請すべき事項や認定に関する条件などが列挙されている。

 それによると、申請できる帯域幅は14.5MHz。つまり1事業社(1技術方式)分の枠しか用意されていない。申請が複数ある場合は、開設計画を審査して認定先を選定する。

 現在この周波数帯で利用できる技術方式としては、フジテレビジョン、伊藤忠商事、NTTドコモ、スカパーJSAT、ニッポン放送らが設立したマルチメディア放送や、ソフトバンクモバイルなどが推進する「ISDB-Tmm」方式と、KDDIとクアルコムジャパンが設立したメディアフロージャパン企画が推進する「MediaFLO」の2つが挙げられている。2009年11月に公表された携帯端末向けマルチメディア放送への参入希望調査によると、全国向け放送の受託放送にはマルチメディア放送とハートネットワークがISDB-Tmm方式で、メディアフロージャパン企画がMediaFLO方式で名乗りを上げており、複数の事業者が認定を申請するものと予想される。

 現在UQ WiMAXWILLCOM CORE XGPに割り当てられている、2.5GHz帯の免許も、2社の割り当て枠に対して4社が名乗りを上げ、各種論戦や公開討論、審査の末、2007年末にUQコミュニケーションズ(当時はワイヤレスブロードバンド企画)とウィルコムに割り当てられた経緯がある。携帯端末向けマルチメディア放送でも、各陣営が免許取得に向けて活動を活発化させることになりそうだ。

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