祝!発売 iPad関連記事をジャンル別に一挙紹介

» 2010年05月27日 23時05分 公開
[ITmedia]
Photo いよいよ店頭に並ぶiPad

コラム、市場動向、調査

 新聞や雑誌、書籍などの印刷メディア産業は今、15世紀のグーテンベルク革命以来の大変革期に突入しつつある。当時の活版印刷技術は書物の大量生産を可能とし、それまで聖職者など一部特権階級に独占されていた情報アクセスや学習の手段を一般大衆に開放した。これによって合理性に立脚した近代社会が誕生し、その後の自然科学の発達や産業革命を促したと考えられている。

 新しいコンテンツを開発する上で、出版業界から最も熱い視線を浴びているのが、4月3日に米国で発売されたiPadであることは言うまでもない。ただし一般消費者の間では、この新型端末がそもそも、どんな用途に使えるものかが、いまだ判然としないようだ。

 日本市場での「iPad」発売日、5月28日がいよいよ2日後に迫ってきた。一足早く日本向けのiPad Wi-Fi+3G版に触れる機会を得た筆者は、iPadがAppleの“4番目の再発明”になり得ると感じた。

 Appleのタブレットマシン「iPad」の予想コストは、最も安価なモデルで約230ドル――米調査会社iSuppliが2月11日、「仮想分解」の結果を発表した。同社の推定によると、iPadのコストは最も安価な499ドルの「16GバイトHDD、3Gなし」モデルが229.35ドル、最も高額な829ドルの「64GバイトHDD、3G」モデルは346.15ドルとなる。この数字はパーツと製造コストを合計したものであり、ソフトやライセンス料は含まれない。

 iPhoneのビジネス活用の可能性を探る本連載の第2回は、4月3日9時(米現地時間)に発売された「iPad」のビジネス活用に関する最新情報を、現地リポートを交えてお届けする。

 米Appleは先週末、ファン待望のタブレット端末「iPad」を発売したが、週末の販売台数をめぐっては当初の予測がどんどん上方修正されており(アナリストの予測は20万台から70万台の範囲に広がっている)、長年休眠状態にあったタブレットコンピュータ市場を再び活性化させようというAppleの賭けはどうやら成功しているようだ。

 MMD研究所がビジネスパーソンのiPadの購入意向に関する調査結果を発表。約半数が購入に前向きであり、Wi-Fi版とWi-Fi+3G版のどちらを選ぶかについては両デバイスが同じ比率で並んだ。

 AppleのiPadは2010年に約700万台売れ、2012年にはさらにその3倍売れる――米調査会社iSuppliがこのような予測を明らかにした。同社の予想では、iPadの世界販売台数は2010年は710万台、2011年は1440万台、2012年は2010万台に達するという。

ソリューション、導入事例

 みずほ銀行は5月31日、銀行サービスへの活用に向けてアップルのタブレット端末「iPad」を試行導入すると発表した。7月から数店舗に導入する予定で、導入にあたってはソフトバンクグループと連携する。

 ユビキタスエンターテインメントは6月1日、iPad/iPhone向け動画配信ソリューション「Motion Ridr」を、7月1日に提供開始すると発表した。Motion Ridrは、動画をダウンロード型やストリーミング型で配信できるソリューション。有料配信と無料配信をサポートしており、DVDやBlu-ray向けソフトのようなリッチなメニューを作成して配信するなどのカスタマイズも可能としている。

 タブレットPC SEMは、iPad向けにWebサイトを最適化して構築するサービス。既存PCサイトに手を加えることなく、主要ページをiPadの画面サイズやユーザビリティ、導線設計に最適化し、同社の契約サーバ上で管理する。

 紙のアンケートでは不可能だったインタラクティブな対話型アンケートを実現。動画や音楽を利用した調査に対応する。

インフォテリアは5月27日、スマートフォン用コンテンツ作成・配信・閲覧サービス「Handbook」をiPadに対応させ、5月28日に販売を開始した。iPad版独自の機能として、動画やPDF、Excel、PowerPointファイルのプロジェクター出力機能を用意した。

ねこじゃらしは5月27日、アパレルブランド「FRED PERRY」直営店に、デジタルサイネージ端末としてiPadを導入したことを発表した。

 日本で23店舗のショップを展開する英アパレルブランドFRED PERRYでは、iPadによるデジタルサイネージの導入を予定しており、原宿店への導入を完了。同時にカタログアプリも納入し、来店者は店頭でiPadのデジタルカタログを閲覧できる。

 エイジアは5月28日、iPadをアンケート端末として活用する企業を対象に、「WEB CASでiPadアンケート!キャンペーン」を開始した。

 スターティアの子会社スターティアラボは5月28日、電子書籍作成ソフト「Digit@link ActiBook(デジタリンクアクティブック)」にiPhone用の電子ブック作成機能を追加した「アクティブックカスタム2」の提供を開始した。

 スモールネットワークは5月28日、iPad向けの電子書籍を作成する出版社向けサービス「逸品ブックサービス」の提供を開始した。

 スマートフォンの企業導入サポートサービスを手がけるジェナが、ショールームでiPadを活用するためのソリューションを提供する。

 プレゼンテーションを支援するソリューションで、大日本印刷(DNP)、イノスと共同で開発。ショールームや展示会場で商品をプレゼンテーションする際、動画や画像、PDFなどのリッチなコンテンツをさまざまな方法で表示できる。アンケート機能も用意され、顧客データやマーケティングデータの収集にも活用可能だ。

 CRI・ミドルウェアが5月27日、同社のiPhone/iPadアプリケーション向けインアプリ告知型PRソリューション「CLOUDIA」のファミリー製品として、同じくクラウドを活用するソリューション「栞(CIORI)」を発表した。

 図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営するNotaと岐阜県中津川市立図書館が5月28日から、iPadを利用した図書館サービス利用システムの実証実験を実施する。実験の期間は約3カ月間を予定している。

 シーエフ・カンパニーは、米Socket Mobileが開発したiPad対応のBluetoothバーコードリーダーを発売した。シーエフ・カンパニーでは、従来から小型軽量のBluetoothバーコードリーダー「Cordless Hand Scanner(CHS)」シリーズを販売しており、新たに販売するCHSは2次元バーコードの読み取りに対応し、iPadにもデータを送信できる。

 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは4月15日、iPad向けデジタルマガジン制作ツールを販売すると発表した。デジタルマガジン化の提案や製品のデモンストレーション、販売活動などを行う。

 コンポーネントデザインは5月11日、iPadを使った営業支援ソリューション「コンタクト管理 for iPad」を5月17日から提供すると発表した。

 名古屋文理大学は、同大学の情報メディア学科に来春入学する2011年度新入生全員に、iPadを無償配布すると発表した。

 同大情報文化学部情報メディア学科では、これまでにもiPhone向けソフトの開発プロジェクトを進め、学生が制作したアプリケーションをAppStoreで公開するなど、積極的な取り組みを行ってきた。新たにiPadを導入することで、学生に新たな情報技術を体感させるとともに、次世代の情報社会への想像力と創造力を伸ばす機会を与えるとしている。

 コニットと電通は、iPhone/iPadのアプリ内課金機能を手軽に利用できるようにする課金支援サービス「SamuraiPurchase(サムライパーチェス)iPhone/iPad版」をASPサービスとして提供開始する。デジタルコンテンツを販売する事業者向けに提供するもので、利用料は月額12万6000円から。また、Android携帯向けのアプリ内課金支援サービスを、GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)が提供する決済サービスを活用して、6月をめどに提供する。

 ACCESSは4月2日、iPhone/iPad向け雑誌閲覧用ソフト「NetFront Magazine Viewer」を開発すると発表した。あわせて国内外の出版社などを対象に、雑誌コンテンツをiPhone/iPad向けに電子化するサービスを開始する。

 福岡県の博多学園は4月26日、博多高等学校の学生と教職員向けに、5月末からアップルのタブレットマシン「iPad」を100台導入すると発表した。iPadを学生や教職員に貸し出し、電子書籍化した副教材を活用する次世代型eラーニングシステムの構築に取り組む。紙の教科書や資料だけでは伝えきれない情報の補強や反復学習に活用するほか、生徒と教職員間の双方向性とつながりの強化を目指す。

米Squareは5月11日(現地時間)、スマートフォンをクレジットカード決済端末にするサービス「Square」を開始した。米AppleのiPhone、iPad、iPod touch、米GoogeのAndroid搭載端末で利用できる。現在対応するのは米国内で発行されたVisa、MasterCard、American Express、Discoverのクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、ギフトカード。

 iPhoneの法人向け導入支援サービスで知られるジェナが、アップルのタブレット型コンピュータ「iPad」向けビジネスの総合サービスを提供すると発表した。

 シーエフ・カンパニーは5月24日、iPhone/iPod touch/iPadに対応した、Koamtac製Bluetoothバーコードデータコレクター「KDC200i」「KDC300i」の販売を開始した。

 両製品は、シーエフ・カンパニーが従来から販売していたKoamtacの1次元バーコードデータコレクター「KDC200」と2次元データコレクター「KDC300」を、iPhoneやiPod touch、iPadに対応させた製品。手のひらサイズで軽く、ペンダントのように首にさげて使うことができる。

 モバイル端末向け電子書籍ソリューションを手がけるセルシスとボイジャーは、同社製品をアップルのタブレット型デバイス「iPad」に対応させると発表した。両社は携帯電話やスマートフォン向けの電子書籍ビューアと、各ビューアに対応するコンテンツをワンソース・マルチユースで生成できるオーサリングツール「ComicStudioEnterprise」の提供で知られ、国内の発売日が決まったiPadについても、対応する電子書籍ビューアを提供。iPad向け電子書籍ビューアは、端末を縦にしたときには片開き表示、横向きの時には両開き表示に対応する。

 サムライインキュベートは3月10日、iPad向けアプリケーションサービス開発・企画を行う起業家に特化した支援・インキュベートサービスの提供を開始すると発表した。

共愛学園前橋国際大学は、2010年度から全学生と教職員にアップルのiPod touchを配布すると発表した。合わせてキャンパス内を無線LANエリア化し、ユビキタス・キャンパスを始動させる。

 双方向型授業で利用するほか、語学自習、時間割や授業概要などの学内情報提供、成績や出欠状況などの個別情報へのアクセス、履修登録などの幅広い用途で活用。iPadも順次導入する予定としている。

 ビデオリサーチインタラクティブは5月25日、iPhoneやAndroid端末などのスマートフォン、iPadなどのスレート端末にも対応するアンケート作成/集計/管理ツール「モバQA neo」を、7月から提供すると発表した。利用料金は3万円から。

 インフォテリア、ユビキタスエンターテインメントが、アップルのタブレット型端末「iPad」向けにアプリを開発する。

 ウエディングプロデュースとレストラン運営を手がけるノバレーゼは、同社が運営するドレスショップ「NOVARESE」に、iPadを導入すると発表した。5月14日から米国版iPadを旗艦店の「NOVARESE銀座」に試験導入して効果を検証し、7月上旬までに他の7店舗にも導入する計画だ。

サービス、アプリ

 ソフトバンクグループのビューンは、iPad、iPhone、iPod touchとソフトバンクケータイ向けに、30以上の新聞や雑誌、テレビニュースなどを定額で閲覧できる配信サービス「ビューン」の提供を6月1日に開始する。

 ヤフーはアップルのiPad向けに、電子コミックと地図を提供すると発表した。

 マピオンが、位置情報関連の新サービスを試験的に公開する「マピオンラボ」で、iPad向け地図サービス「Mapion Touch DX」(マピオンタッチ デラックス)の提供を開始した。利用料金は無料。

 産業経済新聞社は5月28日、iPadで産経新聞を読めるアプリケーション「産経新聞HD」の提供を開始した。アプリはAppStoreからダウンロードでき、新聞データは発行日の5時に配信される。

 楽天が運営するオンライン書店「楽天ブックス」が、iPad限定で雑誌の一部を無料で閲覧できるアプリ「チラよみ」をリリースした。チラよみは、雑誌36誌の一部コンテンツを無料で閲覧したうえで、気に入った雑誌を楽天ブックスで購入できるサービス。電子雑誌内に掲載されている一部の商品については、クリックすると「楽天市場」の検索結果ページに遷移し、その商品を購入できる。

千趣会とヤッパは5月27日、両社が共同開発したiPad対応のデジタルカタログアプリの無料配信サービスを開始すると発表した。5月28日に、「ベルメゾン・ラボ」における次世代サービスの一環として、実証実験を開始する。

 電通とヤッパは5月18日、電子雑誌の有料配信サービス「MAGASTORE」のPC向け閲覧サービスとiPad向けサービスを開始すると発表した。MAGASTOREではこれまで、iPhoneや携帯電話などの携帯端末向けにサービスを提供してきた。5月18日にWindowsとMacintosh向けの閲覧サービスを開始し、5月末にはiPad向けサービスを提供する。

 頓智ドットは5月15日、iPad向けアプリ「セカイカメラ for iPad」の配信をApp Storeで開始した。価格は無料。同アプリでは、「セカイカメラ」のコンテンツをiPadで閲覧したり、投稿したりできる。

 電子コミック配信サイト「eBookJapan」を運営するイーブック イニシアティブ ジャパンが、漫画家の佐藤秀峰氏が代表を務める佐藤漫画製作所と電子化契約を締結した。5月28日から、佐藤秀峰氏の作品をeBookJapanサイトで順次リリースする。

 パピレスは5月28日から、コミックや小説・実用書、写真集など6500冊以上の電子書籍をラインアップするiPad向けサービス「電子貸本Renta!」を開始する。

 ユビキタスエンターテインメントは5月27日、iPad対応アプリの第1弾として「Zeptopadプランナーノート for iPad」を発売した。

 Zeptopadプランナーノート for iPadは、企画者向けに設計・開発されたノートアプリケーション。フリーハンドのスケッチ、文字や図形、写真などの利用、マインドマップの作成支援、テンプレート図形をサポートしている。

 KLabは5月28日のiPad発売に合わせて、iPadと複数のiPhone間で通信可能なパーティーゲームをシリーズ化して提供する。親機のiPadと、複数の子機のiPhoneを連動させて楽しめるパーティゲームを開発。第1弾として「PartyPoker β版」「PartyCoupleMatching β版」を提供する。

 コンデナスト・パブリケーションズ・ジャパンとコンデナスト・ジャパンは5月24日、電子雑誌アプリの販売を開始した。今回発売するのは「VOGUE NIPPON」「GQ JAPAN」「VOGUE HOMMES JAPAN」の3誌。月刊誌VOGUE NIPPONおよびGQ JAPANは3月発売の5月号以降、年2回発行のVOGUE HOMMES JAPANは、3月発売の2010 S/S号以降の毎号を販売する。独立したアプリとしてApp Storeで販売するほか、電子雑誌の有料配信サービス「マガストア」内でもコンテンツを販売する。

 NTTソルマーレは5月26日、iPad向けコミックコンテンツの販売を、国内、海外で同時に開始したことを発表した。同社は日本国内の携帯コミック市場で、有料コンテンツ累積7億ダウンロードを達成しているほか、世界29カ国でコミックの配信実績がある。配信チャネルの1つであるるAppStoreでは、iPhone向けコミックの配信も行っており、今回、日本でのiPad発売に先立ち、同端末向けにもコミックコンテンツの提供を開始した。

 米Amazon.comは4月2日、AppleのiPad向け電子書籍アプリ「Kindle App for iPad」をリリースした。App Storeから無料でダウンロードできる。

 PHP研究所は5月26日、iPad向け電子書籍「人生心得帖 for iPad」の販売を開始した。同社はこれまでにも、PCや携帯電話、iPhoneなどのデバイス向けに、電子書籍約1000タイトルを提供しており、5月28日にiPadが発売されるにあたり、実験的な取り組みとしてiPad向け電子書籍の第1弾をリリースした。

 米AppleのiPadが米国で発売される4月3日を前に、iTunes Store内のApp StoreにiPadアプリが登場した。日本時間4月2日午前7時現在、180本のアプリが掲載されている。EvernoteやWordPressなど、iPhone版の定番アプリでiPadに対応したもののほか、iPadの画面サイズを生かしたゲームなどの専用アプリもある。

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