ケータイキャリアの中でいち早くワイヤレス充電の取り組みを進めているのがNTTドコモだ。同社はWPCには未加入だが、CEATEC JAPAN 2010にはWPC準拠の三洋電機製バッテリーに対応した試作機を展示するなど、ワイヤレス充電の採用には積極的な姿勢を見せている。
NTTドコモ 移動機開発部 技術推進担当 課長の金井康通氏はワイヤレス充電のメリットについて、置くだけで充電できる利便性に加え、コネクタカバーを開けずに充電できるので、カバーの耐久性や防水性能が向上すること、コネクタカバーが不要になれば薄型化にも貢献することなどを挙げた。
ただしワイヤレス充電をケータイで使う際には問題点もある。ワイヤレス充電では金属製のコイルを用いるので、電波の受信感度が劣化したり、ケータイのアンテナ(FeliCa、ワンセグ、GPS、Bluetoothなど)と干渉したりする恐れがある。さらに、磁気方位センサーや開閉センサー(ホール素子)への影響も懸念される。ドコモがWPC加入に踏み切れないのも、これらの課題が完全に解消されていないためだが、受信感度やアンテナへの影響は問題ないレベルを達成できる見込み。「現在、ワイヤレス充電を使いながらケータイとしても問題なく使えるかは調査中」(金井氏)とのことで、同社の検証結果が待たれる。
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