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» 2009年02月27日 01時31分 UPDATE

「国際事業の収益を10%に上げる」――ドコモ、国際事業の現状と展望を説明 (1/2)

NTTドコモが国際事業戦略の説明会を開催。渡航者向けの国際サービス、法人向け国際ソリューション、海外出資や提携、海外でのiモードビジネスについて、国際事業部長の国枝俊成氏が説明した。

[田中聡,ITmedia]

 NTTドコモは2月26日、国際事業の説明会を開催し、ドコモ執行役員 国際事業部長の国枝俊成氏が国際事業の現状と今後の取り組みについて説明した。

WiMAXよりもLTEが主流になる

photo NTTドコモ 執行役員 国際事業部長 国枝俊成氏

 国枝氏は「2008年12月時点で、世界中で約40億人のユーザーが携帯電話を所有しており、普及率は(全人口の)6割に上る。その中で特に伸びているのがアジアと太平洋で、その次がアフリカと中東。2012年には携帯の普及率が80%にまで拡大するだろう」と世界の携帯電話契約者数の推移を説明した。

 世界での携帯電話の方式は8割がGSMで占められており、3Gは日本では約9割に伸びたが、世界ではようやく2割に達したところ。ただし「GSM方式とW-CDMAは、ネットワーク構成での親和性があるため、今後はGSMからW-CDMAへの移行が進む」と同氏。

 世界の携帯電話事業の潮流について同氏は「プリペイド端末やスマートフォンなどの“2台目需要”が増えている」と分析。2月16日〜19日に開催されたのMobile World Congressにも言及し、「タッチパネルやQWERTYキーを搭載するケータイが多数展示されていた。日本の折りたたみタイプは性能面では進んでいるが、世界では形状の需要が異なると感じた」と述べた。

photophoto 世界の携帯電話契約数の推移(写真=左)と、今後の成長の見込み(写真=右)

 2010年に商用化が予定されるLTEは、日本ではドコモ/ソフトバンクモバイル/KDDI、米国ではAT&T/Verizon Wireless、欧州ではVodafone(英国)/Orange(フランス)/T-Mobile(ドイツ)/Telefonica(スペイン)が導入する予定。UQコミュニケーションズが2月26日に開始したWiMAXについては「WiMAXはLTEと並行してサービス提供されるだろうが、“大量生産効果”という意味ではLTEが主流になると考えている」と話した。

photo 世界のLTEの動向

国際事業の収益をドコモ全体の10%に上げる

 ドコモの国際事業戦略は、以下の3点に分けられる。

  1. 国際ローミング収入の拡大(渡航者向け/WORLD WINGとWORLD CALL)
  2. 法人向け国際ソリューション(海外拠点向け)
  3. 出資や提携による海外事業基盤の確立(アジア・太平洋エリア中心)

 これらの3つの戦略を支える基盤となるのが、国際ローミングや法人向けサービスの分野で事業協力を進める「Conexus Mobile Alliance(コネクサス・モバイル・アライアンス)」だ。「提携先の企業価値を高めることで出資先でのシナジー効果を上げ、キャピタルゲインにつなげたい」(国枝氏)

photo ドコモの国際事業戦略は、Conexus Mobile Allianceが支える

 収益について同氏は「ドコモの国際事業の収益は、2009年3月締めで1000億円に近づくと見ている。そのうちの60%が主にWORLD WINGとWORLD CALLによるもので、40%が持分利益や配当、iモードロイヤリティ収益の合計値となる。現在の国際事業の収益はドコモ全体では2%強だが、近い将来、10%くらいには上昇させたい」と述べた。

 「近い将来」の具体的な時期について同氏は「5年以内を1つの目安」としつつも、「出資先の自然な成長を待っていては目標達成は厳しい。出資後に放っておくのではなく、シナジー効果を求める。チャンスがあればM&Aを実行したい」と説明した。

photo 国際事業の収益は、ドコモ全体の2%から10%を目指す

国際サービスには付加価値を付ける

 ドコモの国際ローミングサービス「WORLD WING」は、2009年2月24日時点で音声通話が179の国と地域で、パケット通信が137の国と地域で、テレビ電話が47の国と地域で利用できる。また、WORLD WING利用者のうち、約90%が自端末をそのまま海外で使っているという。

photo ドコモの国際サービス。「国際ローミングの地図が白くなっている国は、色をつけていきたい」(国枝氏)

 「現状のローミングサービスに加え、海外でも利用できる電子マネー『iD』や、プレミアクラブ会員向けの優待サービス、現地の天気予報や交通情報を確認できる『iエリア』など、付加価値サービスも提供したい。こうしたサービスにより、さらにトラフィックが増えることも期待される」(同)

 「弊社のアンケートによると、ドコモユーザーの2人に1人が海外に行く際に充電器を忘れており、(海外用の)充電器を持ってくださいという呼びかけをしている。成田のワールドカウンターでは1日50台ほど海外用充電器を販売しているほか、韓国のロッテ免税店やヨーロッパの三越では、携帯用の充電スタンドを設置している」(同)

 さらにドコモは、KTFの電話番号を割り当てることで、韓国での通話料を割安にできるサービス「海外プラスナンバー」を3月2日に提供開始する。

 「2008年は250万人が韓国に渡航し、1人で何度も渡航する人もいた。海外プラスナンバーの通話料は、KTFの国内通話よりは少し高いが、何度も使うお客さんにとっては、ローミングし続けるよりも安くなる」(同)

 海外プラスナンバーがほかの国で導入される可能性について同氏は「検討はしているが、海外プラスナンバーは割安のローカルナンバーを割り当てるので、(ドコモの)収益が下がる可能性もある。とはいえ、なるべく多くのお客さんにサービスを使ってもらいたいので、“パイを増やせばプラスになる”――つまり最初は損をするかもしれないが、長い目で見れば収益が上がる、という考えでやっていきたい」と述べた。

photophotophoto ドコモの海外向け付加サービス。海外で使用中の携帯が故障した場合に、代替機を滞在先まで配送して帰国まで貸し出すサービスや、海外向けの充電サービスも提供する
photo Conexus Mobile Allianceの参加国
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