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» 2010年01月19日 17時42分 UPDATE

Android端末で高度な動画編集が可能に――Movidiusの「Myriadプラットフォーム」

「携帯事業で差別化を図るためには独自のアプリケーションを提供する必要がある」――iPhoneのヒットで見えてきた動向の中で、半導体企業のMovidiusが着目しているのが「動画編集」だ。同社の「Myriadプラットフォーム」を導入することで何が変わるのか。

[田中聡,ITmedia]
photo Movidius マーケティング担当ディレクターのボブ・テイト(Bob Tait)氏

 Movidius(モビディウス)は1月19日、携帯電話向のマルチメディアプロセッサ・プラットフォーム「Myriad(ミリアッド)」のAndroid版を発表した。Myriadプラットフォームに搭載されている半導体やソフトウェアモジュールを組み合わせることで、さまざまなアプリケーションを開発できる。今回のAndroid版プラットフォームには、同社が2009年1月に発表したマルチメディアプロセッサ「MA1110」の基盤技術が利用されており、端末上で高度な動画編集が可能になる。

 同社マーケティング担当ディレクターのボブ・テイト(Bob Tait)氏は「Android端末が発売された当初は“iPhoneの代替”で十分だったが、もはや性能が高いだけでは満足されない。今後は独自のアプリケーションを提供する必要がある」と話し、アプリを支えるプラットフォームが携帯市場で重要な役割を果たすことを示唆した。

 テイト氏は、Myriadを採用するメーカー側のメリットとして、複数の携帯端末に、さまざまな機能を同一プラットフォーム上で実装することで端末の開発コストを減らせることや、ソフトウェアアップデートにより複数の機能を追加できることなどを挙げた。

photophotophoto Myriadプラットフォームの構成(写真=左)。基盤技術、半導体、ソフトウェアモジュールをベースにアプリケーションを開発する(写真=中)。今後の携帯電話機能のロードマップ例と、そこで果たすMyriadプラットフォームの役割について(写真=右)

 今回のAndroid向けプラットフォームで採用した機能は「動画編集」。同社の動画編集アプリを利用することで、動画のトリミングやトランジション(フェードイン、フェードアウトなどの切り替え効果)、色変換、ファイル共有、シャープネス/コントラスト/彩度の調整、輝度向上、手ブレ補正、ノイズ除去、ズームインなどが可能になる。ピクセルとフレーム単位でエフェクトを加えたり、解像度の低い映像を高精細な画面にきれいに映したり、解像度を下げてリサイズするといった編集も可能だ。こうした高度な動画編集がすべてAndroid端末上で可能になる。

photophoto 動画編集アプリで可能な機能(写真=左)。動画の手ブレ補正や色変換、目立たせたい部分のズームインなどのエフェクトが可能(写真=右)

 Movidiusは、iPhoneが市場を席巻した要因にも着目した。「iPhoneが導入されたことで業界が大きく変化した。iPhoneから学んだことは、使い勝手がいいほどユーザーは機能やサービスをよく使うということ。ケータイユーザーの中で、iPhoneユーザーのインターネット利用が断トツに多いことがそれを物語っている」とテイト氏は話す。同氏は、先述した機能をはじめとする、動画や画像の「撮影」「編集」「閲覧」「共有」機能で顧客満足度を高めることが使い勝手の向上につながると見ている。

photophotophoto インターネット、アプリケーション、位置情報サービス、音楽再生、ビデオ再生いずれも、iPhoneユーザーが最も利用頻度が高いという調査結果が出ている(写真=左)。撮影、編集、閲覧、共有の4点から優れたユーザー体験の提供を目指す(写真=中、右)

 将来的には3D画像を作成できるアプリケーションの提供も検討しているという。「携帯端末は、目から画面までの距離が一定で設定しやすいので、3D鑑賞に適している」とテイト氏は説明する。こうした3D画像の作成は“デュアルカメラ機能”を用いることで可能になる。2つのカメラで異なる露出を設定、10Mピクセルの画像を組み合わせて超解像度の画像を作成、暗い場所で異なるシャッタースピードで撮影、超ワイドパノラマ撮影、静止画と動画の同時撮影、といったことが可能になる見込みだ。

 「Myriadプラットフォームを採用した商品は携帯電話事業者にとって魅力的なものになる」とテイト氏は自信を見せる。「動画のアップロードやダウンロード、動画閲覧サービスなどで新たな収益モデルを促進できる。例えば、ユーザーが掲載した動画の閲覧件数に応じてポイントを付与し、そのポイントでほかのサービスや製品を購入できるといった仕組みや、広告の新しいビデオエフェクトのダウンロードなどができれば、コンテンツプロバイダや広告関係者が興味を持つだろう」

photophoto Movidiusがこれまでに開発した、Myriadプラットフォーム搭載のプロセッサ「MA1100」と「MA1102」

 日本市場についてテイト氏は「モバイル市場で抜きん出ている重要な存在」とコメント。MyriadプラットフォームをまずAndroidに対応させたのは、「日本の携帯事業者が国際化を目指していると判断したため」だという。日本のケータイで高度な動画編集が可能になるのも、そう遠くないのかもしれない。なお、Movidiusは2月15日〜18日にスペインのバルセロナで開催される「Mobile World Congress」で、Android版Myriadのデモンストレーションを実施する。

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