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» 2011年06月01日 04時00分 UPDATE

スマートフォンが変えるケータイショップのあり方とは――スマホ専門店「AND market 霞が関」オープン

携帯電話の大手販売代理店であるNECモバイリングは、スマートフォン専売店「AND market 霞が関」を6月1日にオープンさせる。主にキャリアショップを運営してきた同社が手がける、マルチキャリア・スマートフォン専門という新業態だ。

[平賀洋一,ITmedia]

 NECモバイリングは6月1日、スマートフォン専門店「AND market 霞が関」を東京千代田区の霞が関ビルディング1階にオープンさせる。

 同店はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3キャリアのスマートフォンとタブレットに加え、データ端末やノートPC、PSP、ニンテンドーDSなどのWi-Fi対応機器、液晶シートや端末カバーなどのアクセサリー、スタンドや外付けキーボードといった周辺機器を取り揃えるショップ。スマートフォンの新しい販売方法と、サポート体制を確立するために企画されたトライアル店舗だ。

photophoto 「AND market 霞が関」

photophotophoto ドコモ、au、ソフトバンクの主要3キャリアのスマートフォンを取り扱う

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photophotophoto タブレットやノートPC、アクセサリー、周辺機器もラインアップ

 運営するNECモバイリングは、全国で「ドコモショップ」を経営する携帯電話の大手販売代理店。KDDIやソフトバンクモバイルなど、別キャリアの携帯電話を販売する専売店も数店舗を運営するが、国内3キャリアの垣根を超えてスマートフォンやタブレットを専門に扱う業態は、このAND marketが初めての試み。将来的にはイー・モバイルやUQコミュニケーションズの製品も取り扱う。

 スマートフォン専門店らしく、端末ごとのスペックや対応サービスの違い、月々の料金プランや割賦金額などをタブレット上のアプリで説明するのが大きな特徴だ。接客時には店員がiPadを使って説明するほか、店内に備え付けられたiPadを来店者が自ら操作して製品を比較したり、端末にあったアクセサリーや周辺機器を注文できる。

 スマートフォンは製品選びや契約時に説明する要素が多岐に渡るため、従来のような紙の資料と店員のトークでは時間がかかるケースが増えており、タブレットを使って説明することで時間の短縮とサービスの平準化を図る狙いがある。また、3GとWi-Fiの通信速度の違いや、GPSを使った地図表示や動画視聴のイメージなど、ビジュアルに訴える分かりやすい商品説明も可能になるという。そのため、説明用のカウンターがないなど、見た目でもキャリアショップとの違いは大きい。

photophotophoto 接客時に使われるiPad用アプリ。取り扱い製品のカタログとして機能や価格を比較できる

photophotophoto 店内のサポートメニューもアプリで確認できる。こうしたアプリの存在もあってか、店内スタッフは携帯電話の知識ではなく接客スキルを重視して集められた

 店頭では製品の販売だけでなく、機種変更時のデータ移行やメール設定を無償で提供するほか、画像や音楽コンテンツの移行、購入後のOSアップデートやセキュリティソフトのインストールなど、使っていくうちに必要な操作もレクチャーし、場合によっては1件1000円で代行する。さらに、より高度な技術的相談や法人契約などについては、VCS(ビジュアルコンシェルジュサービス)と呼ばれる同社のテレビ電話システムを使った遠隔サポートを提供。より専門的な知識を持ったオペレーターが問題解決を支援する。

photo 高度な内容のサポートは、VCS(ビジュアルコンシェルジュサービス)を使って提供する

 AND marketのもう1つの特徴が、「らくサポ」という独自のサポートサービスの提供だ。これは月額525円で会員になれば、何度でも電話サポートが受けられるというもの。トラブル時の診断や対処法はもちろん、スマートフォンの活用相談やアプリの選びかた、無線LANの設定方法を相談できる。また、セキュリティソフト(800円相当)の無償提供やクーポンサービス、公衆無線LANサービス(380円)なども含まれている。NECモバイルリングによると、販売店が独自のサポートサービスを販売するのは、業界初とのことだ。

スマートフォン専門店の狙いとは

photo NECモバイルリング マーケティング戦略本部ホームICT事業推進部Managerの西川征一氏

 AND market 霞が関の狙いについてNECモバイルリング マーケティング戦略本部ホームICT事業推進部Managerの西川征一氏は、「市場の急激な変化に、消費者の購買動向も変わってきている。新しいサービス、新しい端末販売のあり方をいち速く確立したい」と話す。特に大きく変化しているのが、フィーチャーフォンとは違うスマートフォンの“選ばれ方”だ。

 「あるキャリアでは、携帯電話の販売比率が専売店(キャリアショップ)と量販店で7:3くらい。しかしスマートフォンに限ると量販店の比率が高くなる。ユーザーはキャリアのブランドよりも、端末の魅力でスマートフォンを選ぶ傾向が増えており、専売店ではカバーしきれなくなってきた」(西川氏)

 各キャリアとも、2011年の夏モデルではスマートフォンを充実させる傾向にあるが、フィーチャーフォンのようなフルラインアップの品揃えはスマートフォンでは難しい。またiPhoneを筆頭に、XperiaやGALAXYなどメーカーのブランドで製品を選ぶことも浸透している。「(AND marketのような)専門店であればキャリアの壁を超えて、フラットに、自由にスマートフォンを選んでいただける」(西川氏)というわけだ。

 また、スマートフォンの購入者は関連アクセサリーや周辺機器を同時に購入する傾向が高いという違いもある。「スマートフォン選びはファッション的な要素も強くなってきており、端末を購入したついでにケースも合わせて選ぶ方が多い。『AND market』という店名には、スマートフォンだけでなくアクセサリーや周辺機器、サポートなどを合わせて買っていただけるという意味もある」(西川氏)という。AND marketではユーザー属性に加えて購買動向を分析し今後の品揃えに生かす方針で、こうしたマーケティングはキャリアショップでは行っていないという。

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 NECモバイリングは、AND marketで培ったノウハウを自社の直営店やフランチャイズ先に広げることで、事業の拡大を目指す方針だ。まずは、年度内に3店舗を都内にオープンさせる。実は1号店がある霞が関ビルディングは、NECモバイリングが入居するオフィスビルで、新業態のトライアルだけでなく業界関係者へのPRという役割も持っている。そのため、一般の消費者向けの旗艦店の設立を別に予定している。

 「AND market 霞が関は、我々の新しい販売方法をキャリアやメーカーに認めてもらう場でもある。また、AND marketの新しいサービスをチャレンジするためにも、弊社に近い場所のほうが良かった。こことは別に、一般のユーザーに広く認めていただく店舗を早急に立ち上げたい」(西川氏)

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