ソニーが「2013 International CES」開催前日にプレスカンファレンスを行い、スマートフォン「Xperia Z」をはじめとする新製品を発表した。このほかに4K液晶テレビのBRAVIAやCyber-shotなどの新製品も発表されたが、本稿ではモバイル関連のトピックに焦点を当てる。
ソニー 社長兼CEOの平井一夫氏は「昨年にSony Ericssonがソニーのファミリーになり、Androidスマートフォンとタブレットを1つのブランド“Xperia”に統合させた」と振り返る。そして今回発表されたXperia Zについては「ソニーの最高の技術が使われており、美しいデザイン、(NFCによる)簡単な機器連携、エキサイティングなコンテンツによって素晴らしいユーザー体験を得られる」とアピールした。
続いて、Sony Electronics President&COOのフィル・モリニュー氏がXperia Zの詳細な特長を説明。Xperia Zには、ソニーがこれまで培ってきた家電の技術が注入されている。その1つが「モバイルブラビアエンジン2」だ。「カラー、コントラスト、シャプネスなどのテレビ用ディスプレイの技術をスマートフォン向けに最適化している」とモリニュー氏は説明する。13Mピクセルのカメラについては積層型の「Exmor RS for mobile」を採用することで、「HDRビデオを撮影できる世界初のスマートフォン」(同氏)となった。「Xperiaをポケットに入れておけば、さまざまなエンターテインメント体験をいつでも得られる」(同氏)。背面のガラスが特徴的なデザインにも触れ、「ハイクオリティな素材を使っており、Xperiaは多くのスマートフォンの中でも特に際立っている」と胸を張る。
NFC対応のXperiaをかざすだけで対応機器を操作できる「ワンタッチ機能」も引き続き訴求し、このCESでも、NFC搭載のBluetoothスピーカー「SRS-BTX500」「SRS-BTX300」や、ポータブルBluetoothスピーカー「SRS-BTM8」「SRS-BTV5」といった新製品を発表。これらのスピーカーにXperia ZなどNFC対応スマホをかざすだけで、スピーカーの電源が入ってBluetoothのペアリングが開始され、スマホで再生中の音楽がスピーカーから再生される。今回は新しいカテゴリーの製品として「Sony Personal Content Station」も発表。同製品は1Tバイトのストレージを内蔵しており、Xperia ZなどをかざすとXperiaのデータが転送される。Wi-Fi接続をして、他のデバイスとクラウド上でデータを共有することも可能だ。
Xperia向けのオリジナルアプリとして、これまで「WALKMAN」「アルバム」「ムービー」を用意してきたが、新たにテレビと連携した「TV SideView」(無料)も提供する。こちらはプリインする形ではなく、Google Playから入手する必要がある。このアプリは、ソニー製 BRAVIA、Blu-ray Discプレーヤーなど、ソニー製の対応機器に向けたもので、同一ネットワークに接続している必要がある。視聴中の番組の詳細をスマホで確認したり、アプリ経由で番組についてSNSへ投稿したりできる。また、ほかの番組のリコメンド機能や、Video Unlimited、Music Unlimited、YouTubeなどを横断して目当てのコンテンツを検索する機能もある。テレビやBlu-ray Discプレーヤーのリモコン操作も可能だ。
カンファレンスの最後に平井氏は「我々のゴールは、誰もがソニーの製品を使ってソニーのコンテンツを楽しんでもらえるような魔法を作ること。全世界のコンシューマーに感動してほしい。あなたがソニー製品を使って『ワオ!』と言ってもらえるようなイノベーションを加速させたい」と力強く語った。
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