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» 2013年03月04日 22時43分 UPDATE

ダブル対応スマホも発売済み:FeliCaとの違いは「世界標準+低コスト」 KDDIがNFCへの取り組みを説明

国際的にスマートフォンへのNFC搭載が進む中、KDDIはNFC普及に向けた取り組みについて説明を行った。国内ではすでに普及しているFeliCaとともに、新たな非接触型サービスの拡充を図る。

[平賀洋一,ITmedia]
photo KDDIの小林氏

 KDDIは3月4日、NFCを使った情報取得や決済サービスの拡大を目指して15社と連携することを発表した。またSK Planetとともに、日韓両国で利用できるクーポンサービスのプラットフォーム構築も進める。

 同日に開催された記者説明会でKDDI商品統括部サービス企画本部長の小林昌宏氏は、「我々の調査ではNFCの認知率はまだまだ低く、なかなかユーザーに知っていただく機会が少ない。今回は15社のサービスと一緒に取り組みをアピールしていきたい」とNFC普及に対する意気込みを語った。

photophoto NFCの認知率(写真=左)とFeliCaの普及率(写真=右)

 NFCには、電子マネーのICカードと同じ役割をする「カードモード」と、タグを使ってクーポンの配信や端末の設定が行える「リーダー/ライターモード」、そしてNFCスマホや周辺機器などの関連機器とデータをやりとりする「P2P(Peer to Peer)」モードという3つのモードがある。小林氏は「この3つのモードを使ってNFCを広めていく。生活の隅々にまでNFCという技術が入った世界は決して遠くない未来に訪れると思っている」と説明した。

photophoto FeliCaとNFCの違い(写真=左)。3つのモードと世界標準であることをテコに、利用シーンの拡大を狙う(写真=右)

 KDDIはNFCの3モードに対応した端末「GALAXY S II ISW11SC」(Samsung電子製)を国内で初めて発売したほか、NFCとFeliCaにダブル対応した「AQUOS PHONE SERIE SHL21」(シャープ製)をいち早くラインアップ。NFC普及に積極的な姿勢を見せている。

 ただ日本では、すでにFeliCaを使った「おサイフケータイ」などのサービスが普及・充実しているもの事実。KDDIによるとau端末のうち約70%がFeliCaを使ったおサイフケータイに対応しており、さらに全体の14%のユーザーが実際にモバイルFeliCaを使ったサービスの会員になっているという。

 小林氏は「(カードモードに限れば)ユーザーから見れば、使われている技術はFeliCaでもNFCでも関係ない」と話す。しかし、ユーザーがオリジナルのタグを作成できるリーダー/ライターモードや周辺機器と連携できるP2Pモードがあることを挙げ、「NFCは世界標準規格で低コストであり、FeliCaにはない世界が開けるのではないかと考えている」(小林氏)と述べた。

photophoto 各業界団体がNFCを標準規格として制定(写真=左)。ことなる事業者でも共通したサービスを提供できるよう、利用環境の整備が進んでいる(写真=右)
photophoto NFCは利用できるプラットフォームも多い(写真=左)。普及率の予測(写真=右)

 NFCは各業界の標準化団体で非接触型通信の規格として採用され、ほぼ国内専用のFeliCaよりも海外で利用できる機会が増える。また対応するスマートフォンのプラットフォームが多いのも特徴だ。搭載機器は2016年に世界市場で8億台に上ると予測され、日本市場でも3分の2がNFCに対応するとみられる。

photo KDDIの取り組み

海外ではどれくらい使われている?

 説明会には日本航空(JAL)とSK Planetの担当者も出席し、NFCの利用拡大について現状を語った。

photophoto 日本航空の清水氏(写真=左)とSK Planetのキム氏(写真=右)

 JALは2012年10月から、auのNFC対応スマートフォン向けに「JALタッチ&ゴーサービス」を開始している。日本航空WEB販売部アシスタントマネージャーの清水俊弥氏は、「国内のスマートフォン普及率は40%弱だが、JALのモバイルチャンネルにおける国内便の販売シェアはスマホが7割近い。またチケットを売るだけでなく、旅のスケジュール管理や観光ガイド・クーポンの配信など、JALのサービスを提供する重要なタッチポイントであると認識している」と述べ、特にスマートフォン対応の重要性を訴えた。

 NFCを使ったタッチ&ゴーサービスは、スカンジナビア航空(SAS)やニュージーランド航空(NZ)も提供しているが、2社とも専用のNFCタグをシールでスマホに貼り付けたり、NFCタグを埋め込んだマイレージカードやデビットカードを使うという方式。JAL以外の航空会社にとって、NFCに対応したスマホ向けアプリの開発はこれからの検討課題だという。

 SK Planetは、韓国の通信事業会社SK Telecomの子会社で、日本でもAndroid向けのアプリマーケットなどを展開。韓国ではSIMカードで認証するモバイル金融サービスや交通サービスなども提供している。NFC対応も2011年と早くから取り組んでおり、ソウル・明洞地区にある“NFCゾーン”や2012年の麗水(ヨス)国際博覧会におけるNFCサービスの提供などを手がけた。

 SK Planetコマース事業部マネージャーのキム・インスク氏はNFCサービスの活性化策について、「通信事業者やクレジットカード会社などのNFCサービスに関わるステークホルダー間の調整、また標準化されたプラットフォームの確立、そしてサービス範囲の拡大が課題となった。そのため、政府が主導するKorea Grand NFC Allianceの設立や、サービス仕様の標準化、そしてオープンポリシーを導入してサービスプロバイダーの参入をしやすくするためのSmart Touch Platformを開発して提供している」と語った。また同社は新大久保を舞台に、KDDIと連携してNFCタグの活用トライアルを実施する予定だという。

photophoto 「ココシル銀座 タッチ de クーポン」で使われているucodeNFCタグを郵便ポストに設置して、周辺の情報をスマホに取り込むサービス。JPタワーのオープンに合わせて、3月21日から東京・丸の内エリアでの実施を予定している。郵便ポストによる情報配信は日本で初めての試みだという。日本郵便とユーシーテクノロジー、東京都建設局が共同で実施する
photophoto ナクシスの衣料用品向けスマートタグ。スマホをかざすと商品の詳細な情報や通販サイトのURLを取得。店舗側は、どんなユーザーがタグを読み取ったのかほぼリアルタイムで計測できる
photophoto サイバーエージェントの交通広告向けNFCタグ(写真=左)。ブリリアントサービスらが東京・池袋のサンシャイン水族館で実施している「Ikesu」サービス。水槽前のNFCタグをスマホで読み取ると、その魚をコレクションできる(写真=右)
photophoto SMARTRACのNFCタグ(写真=左)。スマホのリーダーライター機能を使って自分の情報をタグに書き込み、名刺などに貼り付けて読み取ってもらうことができる(写真=右
photophoto スマートフォンのNFC内に電子証明書を書き込む東北インフォメーションシステムズのプラットフォーム。業務用PCと組み合わせることで、ユーザーの個人認証が簡単に行える
photophoto ソニーのNFC対応Bluetoothスピーカーとイヤフォン
photophoto Bluetoothの接続設定をかざすだけで行える(写真=左)。スマホ向けのコンテンツストレージ「LLS-201」。スマホと通信するためのWi-Fi設定や、バックアップする際のきっかけにNFCを用いる(写真=右)
photophoto パナソニックのNFC対応スマート電子レンジ。スマホでダウンロードしたレシピをタッチすることで電子レンジに転送できる(写真=左)。個人ごとの体重や測定結果をNFCでスマホに伝えるパナソニックの体組成計。アプリでは歩数計と連動したカロリー消費計算などが行える(写真=右)

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