KDDI田中氏、「スマートフォンでもWiMAX 2+を利用したい」「提案が評価されたと思っている」

» 2013年07月30日 20時11分 公開
[長浜和也,ITmedia]

増収増益、契約純増、MNPトップ、ARPU上昇で好調の第1四半期

KDDI代表取締役社長の田中孝司氏

 KDDIは、7月30日に2014年3月期第1四半期決算を発表した。連結業績は、前年同月期比で増収増益。営業収益は1兆24億円、営業利益は1787億円となった。セグメント別の業績でも、家庭個人向けに通信サービスを提供したり端末を販売したりする「パーソナル」、個人向け家庭向けにコンテンツや決済サービスなどを提供する「バリュー」、企業向けに通信サービス、端末、データセンター、クラウドサービスを提供する「ビジネス」、企業向けに通信サービス、端末、データセンター、クラウドサービスを提供する「ビジネス」のすべてで、増収増益を達成した。

 KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、第1四半期の営業利益増加の要因について、通信料収入の増収、周波数再編コストの解消、そして、J:COM連結などが貢献したと説明している。

2014年3月期第1四半期の連結業績は営業収益が1兆24億円、営業利益は1787億円に達した(写真=左)。前年同期から844億円も増えた営業利益の理由について、通信料収入、周波数再編コストの解消、J:COM連結影響を挙げている(写真=右)

 auの主要業績指標については、契約件数、MNPは純増を続けている。MNP純増では前年同期比で53.8パーセントの増加で、3キャリアトップを21カ月第1位を継続していることを訴求した。また、解約率も3キャリアで最も低い水準をキープし、特にこの第1四半期はauで過去最も少ない解約率になったことを紹介している。1契約あたりの月間売上高(ARPU)も、2013年2月を底に上昇を継続しており、2014年3月期の主要な目標の1つである「第4四半期の前年同期比における反転」に向けて順調に推移していると述べた。上昇を続けているデータARPUでも前年同期比と比べて上昇額が390円拡大した。

契約数、MNPの純増は続いており、解約率も3キャリアで最も低い

 田中氏は、データARPUの上昇拡大において、スマートフォンユーザーの増加が貢献していると説明している。auユーザーにおけるスマートフォンユーザーの浸透率は2011年6月の5.4パーセントから2012年6月に23.6パーセント、そして、2013年6月には39.7パーセントまで伸びた。また、フィーチャーフォンからスマートフォンに移行したユーザーのデータARPU上昇額も2013年3月期第1四半期の1700円から2014年3月期第1四半期には2500円まで増えている。

 モバイル通信料収入は、2013年3月期第4四半期で前の四半期からマイナスとなったが、2014年3月期第1四半期では、前年同期比で4.6パーセントプラスの4049億円と、2013年3月期で最も高い水準だった第3四半期も超える伸びとなった。

課題であったARPUも上昇を続けており、目標の第4四半期の反転も見えてきた(写真=左)。データARPUの上昇額も拡大しているが(写真=中央)、これは、スマートフォンユーザーの拡大が貢献している(写真=右)

当面はWiMAXとWiMAX 2+のハイブリッドで

 KDDIの事業展開で重要な方針となっている「3M」の説明では、auスマートバリューが着実にユーザーへ浸透しており、新規契約に貢献していることに加え、auスマートパスが付加価値ARPUを押し上げていると説明した。また、2013年夏モデルとともにタイムラインUIを導入してリニューアルしたauスマートパスでは、auショッピングモールでスマートパス会員登録が5倍になり告知した限定品が完売するなど、リニューアルの効果が確認できたほか、新しく始まったauスマートサポートでは利用者の70パーセントが40歳以上で、電話応対満足度が89パーセントと高いことなど、好調なスタートを切ったと評価している。

 なお、UQコミュニケーションズの2.5GHz帯域BWA新周波数追加割当について田中氏は、「これまでかけてきたことと、われわれの提案が評価されたと思っている」と述べた。田中氏は、周波数割り当てを受けてUQコミュニケーションズが10月に開始を予定しているWiMAX 2+について、データ端末に加えてスマートフォンでも利用したい考えを示したが、具体的に対応する製品については、登場時期やラインアップ、仕様などは明らかにしなかった。また、従来のWiMAXについては、当面は従来のWiMAXと新しいWiMAX 2+のハイブリッドな端末を提供して、既存のユーザーをWiMAX 2+に移行する考えを示した。

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