WWDCでiOS 8の発表を行ったAppleだが、日本市場では別のカードを切ってきた。それが、ドコモへのiPad導入だ。ドコモは、2013年9月にiPhone 5s/5cを導入し、iPhoneの取り扱いを開始した。一方で、iPadに関しては「相手のあることなので」(代表取締役社長 加藤薫氏)と言及を避けていた。Windowsを搭載した8インチタブレットなどの攻勢があり、以前よりシェアは落としているものの、日本市場でのiPadのシェアは依然として高い。法人での導入例も多く、この分野に強いドコモにとっては、必要不可欠な端末だった。
ドコモの加藤氏は、夏モデルの発表会でタブレットについて「大きな位置を占める。そのために魅力的なタブレットを出した」と述べており、6月から新たに導入した料金プランとの相乗効果を期待していた。新プランの目玉の1つが、パケット通信量を家族または2台目以降の端末と分け合うことができる「パケあえる」。夏モデルでは「Xperia Z2 Tablet」や「AQUOS PAD」がラインアップされているが、ここにiPadが加わることでさらに厚みを増した格好だ。
実際、シェアプランを活用すれば、「iPad Air」や「iPad mini with Retinaディスプレイ」を安価に運用できる。2台目の端末として「データプラン(スマホ/タブ)」を契約して、1回線目とパケット通信量をシェアする「シェアオプション」をつけると、料金は2376円(税込)。ここにISP代の「spモード」を加えても、合計は2700円(税別)だ。最も安いiPad miniの16Gバイトモデルで月々サポートが2295円発生する(ここでは料金の条件を均等にするため、月々サポートを税別で表記した)ため、2台目にかかる料金は405円ということになる。iPad mini 16Gバイトモデルを24回の割賦で購入しても、毎月の支払い(端末代)は3000円もかからない。
基本使用料/パケット定額料 | オプション | ISP料金 | 合計(月) | 合計(2年間) | データ通信量 | |
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ドコモ | データプラン(定期契約あり):1836円 | 2台目プラス/シェアオプション:540円 | 324円 | 2700円 | 6万4800円 | 主回線や家族とシェアした分だけ+1Gバイト |
Xiデータプラン フラット にねん(iPhoneやXiスマホと併用してプラスXi割キャンペーン適用):3066円(25カ月間) | − | 324円 | 3390円 | 8万1360円 | 7Gバイト | |
Xiデータプラン フラット にねん(FOMAスマホやドコモケータイと併用してプラスXi割キャンペーン適用)4094円(25カ月間) | − | 324円 | 4418円 | 10万6032円 | 7Gバイト | |
au | ゼロスタート定額〔LTEダブル定額 for Tab(i)〕:0〜5122円(2年間) | au Wi-Fi SPOT使用料:504円 | 0円 or 324円 | 504〜5950円 | 1万2096〜14万2800円 | 7Gバイト |
スマホセット割:4607円(2年間) | − | 324円 | 4931円 | 11万8344円 | 7Gバイト | |
はじめる!データシェアキャンペーン:3078円 | − | 324円 | 3402円 | 8万1648円 | 7Gバイト(14年8月末まで、データシェア開始後は9GバイトをiPhoneとシェア) | |
ソフトバンク | スマホまとめて割(ゼロから定額プラン for 4G LTE):0〜5076円(2年間) | ソフトバンクWi-Fiスポット使用料:504円 | 0円 or 324円 | 504〜5904円 | 1万2096〜14万1696円 | 7Gバイト |
スマホまとめて割(4G LTE定額プログラム適用時):4536円(2年間) | − | 324円 | 4860円 | 11万6640円 | 7Gバイト | |
タブレットセット割:3078円 | − | 324円 | 3402円 | 8万1648円 | 7Gバイト(14年8月末まで、9月以降は2Gバイト) | |
とはいえ、iPad AirやiPad miniの発売から半年以上が経過しているため、“次期iPad”を待った買い控えが起こる可能性はある。また、ドコモのiPad導入を察知してか、KDDIやソフトバンクは先行してキャンペーンを実施しており、どちらの端末とも実質価格はドコモが販売するiPadを下回っている。すでに購入しているユーザーもいるため、他社からユーザーを奪ってくる効果は限定的になりそうだ。新料金プランとの相乗効果がどこまで効いてくるのか、発売後の動向は引き続き注視したい。また、従来は2割程度といわれていた、モバイルデータ通信対応タブレットの市場がどこまで広がるのかも注目しておきたいポイントだ。
ドコモ | au | ソフトバンク | ||||||||||
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16GB | 32GB | 64GB | 128GB | 16GB | 32GB | 64GB | 128GB | 16GB | 32GB | 64GB | 128GB | |
一括価格 | 6万1560円 | 7万7760円 | 8万8560円 | 9万8280円 | 6万6720円 | 7万7520円 | 8万8320円 | 9万9120円 | 6万6720円 | 7万7520円 | 8万8320円 | 9万9120円 |
月々サポート/毎月割/月月割(24カ月) | 2565円 | 2565円 | 2565円 | 2565円 | 2520円 | 2540円 | 2580円 | 2620円 | 2520円 | 2540円 | 2580円 | 2620円 |
実質価格 | 6480円 | 1万6200円 | 2万7000円 | 3万6720円 | 6240円 | 1万6560円 | 2万6400円 | 3万6240円 | 6240円 | 1万6560円 | 2万6400円 | 3万6240円 |
実質価格(キャンペーン適用) | − | − | − | − | −7800円 | 2520円 | 1万2360円 | 2万2380円 | −7800円 | 2520円 | 1万2360円 | 2万2380円 |
ドコモ | au | ソフトバンク | ||||||||||
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16GB | 32GB | 64GB | 128GB | 16GB | 32GB | 64GB | 128GB | 16GB | 32GB | 64GB | 128GB | |
一括価格 | 5万5080円 | 6万5880円 | 7万8840円 | 8万9640円 | 5万5920円 | 6万6720円 | 7万7520円 | 8万8320円 | 5万5920円 | 6万6720円 | 7万7520円 | 8万8320円 |
月々サポート/毎月割/月月割(24カ月) | 2295円 | 2430円 | 2565円 | 2565円 | 2330円 | 2500円 | 2520円 | 2540円 | 2330円 | 2500円 | 2520円 | 2540円 |
実質価格 | 0円 | 7560円 | 1万7280円 | 2万8080円 | 0円 | 6720円 | 1万7040円 | 2万7360円 | 0円 | 6720円 | 1万7040円 | 2万7360円 |
実質価格(キャンペーン適用) | − | − | − | − | −1万4040円 | −7320円 | 3000円 | 1万3320円 | −1万4040円 | −7320円 | 3000円 | 1万3320円 |
ドコモからiPadが発売されたことで、iPhoneに続き、iPadも3キャリアで横並びになった。iPhoneと同じ流れだとすると、iPadのSIMフリー版投入も予想され、キャリアにとってはタブレットでの差別化も難しくなった。Xperia Z2 TabletやAQUOS PADのような高価格帯でブランド力が比較的強いタブレットだけでなく、より低価格帯のタブレットや、Windowsタブレットを投入するなど、今までとは別の軸を持ったラインアップも必要になってくるだろう。
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