SIMフリー端末を投入するHuaweiの狙い/“規制緩和”進むiOS 8/ドコモ版iPadへの期待石野純也のMobile Eye(5月26日〜6月6日)(3/3 ページ)

» 2014年06月06日 23時25分 公開
[石野純也,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ドコモがiPadを導入、「パケあえる」との相乗効果も期待

 WWDCでiOS 8の発表を行ったAppleだが、日本市場では別のカードを切ってきた。それが、ドコモへのiPad導入だ。ドコモは、2013年9月にiPhone 5s/5cを導入し、iPhoneの取り扱いを開始した。一方で、iPadに関しては「相手のあることなので」(代表取締役社長 加藤薫氏)と言及を避けていた。Windowsを搭載した8インチタブレットなどの攻勢があり、以前よりシェアは落としているものの、日本市場でのiPadのシェアは依然として高い。法人での導入例も多く、この分野に強いドコモにとっては、必要不可欠な端末だった。

photo 「iPad Air」と「iPad mini with Retinaディスプレイ」の2機種が、ついにドコモから発売される

 ドコモの加藤氏は、夏モデルの発表会でタブレットについて「大きな位置を占める。そのために魅力的なタブレットを出した」と述べており、6月から新たに導入した料金プランとの相乗効果を期待していた。新プランの目玉の1つが、パケット通信量を家族または2台目以降の端末と分け合うことができる「パケあえる」。夏モデルでは「Xperia Z2 Tablet」や「AQUOS PAD」がラインアップされているが、ここにiPadが加わることでさらに厚みを増した格好だ。

photo 加藤社長はタブレットについて、「大きな位置を占める」と語っていた

 実際、シェアプランを活用すれば、「iPad Air」や「iPad mini with Retinaディスプレイ」を安価に運用できる。2台目の端末として「データプラン(スマホ/タブ)」を契約して、1回線目とパケット通信量をシェアする「シェアオプション」をつけると、料金は2376円(税込)。ここにISP代の「spモード」を加えても、合計は2700円(税別)だ。最も安いiPad miniの16Gバイトモデルで月々サポートが2295円発生する(ここでは料金の条件を均等にするため、月々サポートを税別で表記した)ため、2台目にかかる料金は405円ということになる。iPad mini 16Gバイトモデルを24回の割賦で購入しても、毎月の支払い(端末代)は3000円もかからない。

毎月の利用料金(※税込)
基本使用料/パケット定額料 オプション ISP料金 合計(月) 合計(2年間) データ通信量
ドコモ データプラン(定期契約あり):1836円 2台目プラス/シェアオプション:540円 324円 2700円 6万4800円 主回線や家族とシェアした分だけ+1Gバイト
Xiデータプラン フラット にねん(iPhoneやXiスマホと併用してプラスXi割キャンペーン適用):3066円(25カ月間) 324円 3390円 8万1360円 7Gバイト
Xiデータプラン フラット にねん(FOMAスマホやドコモケータイと併用してプラスXi割キャンペーン適用)4094円(25カ月間) 324円 4418円 10万6032円 7Gバイト
au ゼロスタート定額〔LTEダブル定額 for Tab(i)〕:0〜5122円(2年間) au Wi-Fi SPOT使用料:504円 0円 or 324円 504〜5950円 1万2096〜14万2800円 7Gバイト
スマホセット割:4607円(2年間) 324円 4931円 11万8344円 7Gバイト
はじめる!データシェアキャンペーン:3078円 324円 3402円 8万1648円 7Gバイト(14年8月末まで、データシェア開始後は9GバイトをiPhoneとシェア)
ソフトバンク スマホまとめて割(ゼロから定額プラン for 4G LTE):0〜5076円(2年間) ソフトバンクWi-Fiスポット使用料:504円 0円 or 324円 504〜5904円 1万2096〜14万1696円 7Gバイト
スマホまとめて割(4G LTE定額プログラム適用時):4536円(2年間) 324円 4860円 11万6640円 7Gバイト
タブレットセット割:3078円 324円 3402円 8万1648円 7Gバイト(14年8月末まで、9月以降は2Gバイト)

 とはいえ、iPad AirやiPad miniの発売から半年以上が経過しているため、“次期iPad”を待った買い控えが起こる可能性はある。また、ドコモのiPad導入を察知してか、KDDIやソフトバンクは先行してキャンペーンを実施しており、どちらの端末とも実質価格はドコモが販売するiPadを下回っている。すでに購入しているユーザーもいるため、他社からユーザーを奪ってくる効果は限定的になりそうだ。新料金プランとの相乗効果がどこまで効いてくるのか、発売後の動向は引き続き注視したい。また、従来は2割程度といわれていた、モバイルデータ通信対応タブレットの市場がどこまで広がるのかも注目しておきたいポイントだ。

iPad Airの価格(新規契約、機種変更)(※税込)
ドコモ au ソフトバンク
16GB 32GB 64GB 128GB 16GB 32GB 64GB 128GB 16GB 32GB 64GB 128GB
一括価格 6万1560円 7万7760円 8万8560円 9万8280円 6万6720円 7万7520円 8万8320円 9万9120円 6万6720円 7万7520円 8万8320円 9万9120円
月々サポート/毎月割/月月割(24カ月) 2565円 2565円 2565円 2565円 2520円 2540円 2580円 2620円 2520円 2540円 2580円 2620円
実質価格 6480円 1万6200円 2万7000円 3万6720円 6240円 1万6560円 2万6400円 3万6240円 6240円 1万6560円 2万6400円 3万6240円
実質価格(キャンペーン適用) −7800円 2520円 1万2360円 2万2380円 −7800円 2520円 1万2360円 2万2380円

iPad mini Retinaディスプレイモデルの価格(新規契約、機種変更)(※税込)
ドコモ au ソフトバンク
16GB 32GB 64GB 128GB 16GB 32GB 64GB 128GB 16GB 32GB 64GB 128GB
一括価格 5万5080円 6万5880円 7万8840円 8万9640円 5万5920円 6万6720円 7万7520円 8万8320円 5万5920円 6万6720円 7万7520円 8万8320円
月々サポート/毎月割/月月割(24カ月) 2295円 2430円 2565円 2565円 2330円 2500円 2520円 2540円 2330円 2500円 2520円 2540円
実質価格 0円 7560円 1万7280円 2万8080円 0円 6720円 1万7040円 2万7360円 0円 6720円 1万7040円 2万7360円
実質価格(キャンペーン適用) −1万4040円 −7320円 3000円 1万3320円 −1万4040円 −7320円 3000円 1万3320円

 ドコモからiPadが発売されたことで、iPhoneに続き、iPadも3キャリアで横並びになった。iPhoneと同じ流れだとすると、iPadのSIMフリー版投入も予想され、キャリアにとってはタブレットでの差別化も難しくなった。Xperia Z2 TabletやAQUOS PADのような高価格帯でブランド力が比較的強いタブレットだけでなく、より低価格帯のタブレットや、Windowsタブレットを投入するなど、今までとは別の軸を持ったラインアップも必要になってくるだろう。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  5. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  6. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  7. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年