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» 2015年04月03日 21時17分 UPDATE

「ゲオスマホ」誕生:巨大な会員基盤と豊富な販売チャネルを生かす――ゲオとNTTコムが提携した理由

ゲオとNTTコムの業務提携により、「ゲオモバイル」が誕生した。全国1000以上の店舗や2000万人の会員を持つゲオと、MVNOのSIMサービスで高いシェアを誇るNTTコムがタッグを組むことで、格安SIMのユーザー層拡大が期待される。

[田中聡,ITmedia]

 ゲオホールディングスとNTTコミュニケーションズが業務提携を行い、NTTコムのSIMカード「ゲオ×OCN SIM」とSIMロックフリースマートフォンをセットにした「ゲオスマホ」を発表。4月2日からゲオ50店舗で展開している。

 ゲオ×OCN SIMは、現在NTTコムが販売している「OCN モバイル ONE」と同じスペックで、データSIMと音声SIMを選べる。ゲオ×OCN SIMならではの特典として、全国のゲオで利用できる100円割引クーポンが付く。セット販売のスマートフォンは、「priori2」か「Ascend G620S」のほか、ゲオが販売している中古スマートフォンを選べる。

photophoto 「ゲオスマホ」の特徴
photophoto OCN モバイル ONEと同じSIMカードを1047店舗で販売する(写真=左)。端末+SIMのセット価格は「業界最安値水準」という月2828円から(写真=右)

 ゲオは、2002年からは新品のケータイを、2009年からは中古のケータイを販売しており、現在は全国1000店舗以上で携帯電話の買取や販売を行っている。2014年にはOCN モバイル ONEの販売も開始し、今回のゲオスマホに発展させた。ゲオスマホを扱う店舗名は「ゲオモバイル」となる。

 ゲオが抱えている2000万人という会員基盤は大きな強みで、SIM+スマホを提供するにはうってつけの基盤といえる。ゲオホールディングス代表取締役社長の遠藤結蔵氏は「SIMも本格展開し、おかげさまで販売実績も順調に推移してきたが、会員の数をかんがみると、まだ成長の余地がある。通信事業者との提携を通じて、新たなサービスを提供する必要があると認識していた。NTTコミュニケーションズさんとの話し合いを通じて、弊社の方向性が合致したので、提携をお願いした」と経緯を話す。

photophoto ゲオホールディングス代表取締役社長 遠藤結蔵氏(写真=左)。NTTコミュニケーションズ 代表取締役副社長 庄司哲也氏(写真=右)

 NTTコムにとってゲオと提携することは、全国で展開している1000以上の店舗が手に入り、ユーザーとの接点を増やせることを意味する。これは大きなメリットだ。NTTコミュニケーションズ 代表取締役副社長の庄司哲也氏も「提携の狙いは、保有している魅力的な販売チャネルがあるため」と話す。「多くの店舗が生活圏内にあり、来店頻度の高いお客様をお持ちだと聞いている。OCN モバイル ONEのような、モバイルサービスをいまだにご存じでない、または利用いただけてないお客様に、親しんでいただく機会を圧倒的に増やせるのでは」と期待を寄せた。

photo ゲオの強み

 OCN モバイル ONEは、MVNOのコンシューマー向けサービスでシェア1位を維持しているが、販売はネットや家電量販店、ユーザーは30〜40代のリテラシーが高い層が中心だった。ゲオ店舗で販売することで、20代やシニアなど、これまで取れていなかった層へリーチする機会が大幅に増える。

photophoto 中古端末市場はさらなる成長が見込まれている(写真=左)。ゲオアキバ店では、SIM購入者の約4割が中古端末を同時に購入しているという(写真=右)
photo 今後は若者や主婦、ファミリー層も取り込んでいく

 利用者のすそ野を広げる取り組みの一環として、ゲオモバイルでは、スマートフォンやSIMに精通した「スマホ相談員」を全国で100人(1店舗2人)ほど配備する。相談員は「そもそも格安スマホって何?」「SIMロックの解除の仕方は?」といった素朴な疑問にも答えられるようトレーニングを受けている。MNPや新規契約を即日対応する店舗も増やし、キャリアショップと比べても遜色のないサポートを目指す。ゲオモバイルの50店舗は現在北海道、埼玉県、愛知県などが中心で、東京都は渋谷センター街店とアキバ店のみだが、「3年以内に100店舗を目指す」(森田氏)とのことで、さらに拡大していく構えだ。

photophoto 全国の「ゲオモバイル」
photo 初代「スマホ相談員」の海藤美沙さん。ゲオホールディングスの社員だ
photo ゲオモバイルと、そのほかのゲオ店舗でのサービスの違い
photo ゲオ モバイル運営部 ゼネラルマネージャー 森田広史氏

 ゲオ モバイル運営部 ゼネラルマネージャーの森田広史氏は「他社(のMVNO)はEC販路が多く、経済的なメリット(の訴求)だけが先行している。品質や使い勝手、手続きなど、まだ一般消費者には分かりにくいところがある。店頭接客でそのニーズに応えることで、SIMの拡大を図れる」と話す。「シニア層もレンタルでは増加傾向にある」(森田氏)そうで、エンタメシニア世代にも提案できるチャンスがあるとみる。

 その中でゲオが「外せない」とこだわるのが「音声通話」だ。「お客様のニーズに応えるには、音声SIMの取り扱いを強化する必要がある」と森田氏。ゲオアキバで、OCN モバイル ONEの音声SIMを即日開通する実証テストを行ったところ、2015年2月の音声契約は約326枚だったという。「音声のニーズは高く、しっかりと商品とサービス開発を行えば、さらなる拡販が見込める」(森田氏)と考え、音声SIMの拡販も視野に入れる。

photo ゲオアキバ店で2014年12月と2015年1〜2月に音声SIMの即日渡しを実施

 森田氏は2015年度のゲオスマホの販売目標について「端末で100万台を目指す」と宣言。これは新品として用意するpriori2とAscend G620Sのほか、ゲオが販売している中古端末も含むものだが、あながち無理な数字でもなさそうだ。ゲオは「3000円からハイスペック機まで」(森田氏)、中古端末を豊富に扱っており、その中にはiPhoneも含まれる。ゲオの中古端末でも、やはりiPhoneの人気は高いそうだ。

 キャリアが提供している毎月の割引は付かないが、iPhoneをはじめとするハイエンド機を“そこそこ安い”価格で購入できるのは魅力。ゲオモバオイルで割賦販売を実施することも追い風になるだろう。「Ascend Mate7」や「ZenFone 5」といった人気のSIMロックフリー端末が(新品で)ないのは少々寂しいが、端末ラインアップの拡充にも期待したい。

photophoto 中古端末は、iPhone 5sやドコモのハイエンドスマホも販売(写真=左)。ゲオが扱っている中古端末でも割賦販売を開始する(写真=右)

 ゲオならではの特典には、もうひと声欲しいところ。100円割引クーポンの対象は旧作のレンタルDVD/BDのみで、期間は6月30日まで(延長の可能性はある)。毎月の請求額から10%の「DMMギフト券」をプレゼントするDMM mobileなどと比べると、少々物足りない。利用額によって特典を変える、ゲオで使えるポイントサービス「Ponta」と連携するといった取り組みがあってもいいだろう。

 「通信のことなら何でも相談できる店頭スタッフを配備し、SIMフリー端末を含めた中古端末、トレンドを押さえた新品、レンタルをする人にとって便利なサービスやコンテンツを提供したい」と意気込みを語る森田氏。店舗数の拡大やコンテンツ連携などがさらに進めば、OCN/ゲオの相乗効果で格安SIM+スマホの普及がさらに進みそうだ。

photophoto NTTコムとゲオの強みを生かし、「総合モバイル戦略」で攻めていく
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