Xperia Zシリーズの完成形に――ソニーモバイルが「Xperia Z4」を発表

» 2015年04月20日 12時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 ソニーモバイルコミュニケーションズが4月20日、スマートフォンの新製品「Xperia Z4」を発表。2015年夏以降に、日本市場で発売する。日本でXperia Z4を取り扱う通信キャリアは発表されていない。

 Xperia Z4は、ソニーモバイルが2015年に展開するフラッグシップスマートフォン。3月に開催されたMobile World Congress 2015では、同じ「4」世代目の「Xperia Z4 Tablet」と「Xperia M4 Aqua」を発表したが、その中心に位置づけられるXperia Z4は、約1カ月半遅れての発表となった。ソニーモバイルはXperia Z4を「Xperia Zシリーズの完成形を目指した商品」と説明している。

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photo 「Xperia Z4」。カラーはホワイト、ブラック、カッパー、アクアグリーン(写真はグローバルモデル)

Xperia Z3よりさらに薄く、軽く

 デザインはXperia Zシリーズでおなじみ、どの方向からでも持ちやすい「オムニバランスデザイン」を継承。ラウンド形状のフレームや、アルムフレームとガラスパネルを密着させてシームレスに見せる手法など、ディテールはXperia Z3がベースとなっている。ソニーモバイルは「Perfection」を追求したといい、フレームの輝度をさらに高めた。厚さは約6.9ミリ、重さは約144グラムで、Xperia Z3(約7.3ミリ、約152グラム)よりもさらに薄く、軽くなった。

 カラーバリエーションはホワイト、ブラック、カッパー、アクアグリーンの4色で、すべてのカラーにカッパーの要素をちりばめた。例えばホワイトにはシャンパンカラーを、ブラックには赤みを入れている。アクアグリーンは、角度によっては青色にも緑色にも見えるよう調整した。カッパーはXperia Z3にもあるが、より高級感を高めたという。なお、今回もパープルは用意されない。

photophoto ホワイトとブラック
photophoto カッパーとアクアグリーン
photo 上が左側面、下が右側面。左側面にあるnanoSIM/microSDスロットは、nanoSIMとmicroSDを1つのトレイに載せて共用する形になっている

 外観で注目すべきは、Micro USB端子のカバーがなくなり、“キャップレス防水”を実現したこと。Micro USB端子は本体下部に備えている。これに伴い、マグネット式の充電端子がなくなり、卓上ホルダは今までの横置きではなく、縦向きにセットして充電するスタイルに変更された。

photo 下部にMicro USB端子とストラップホールを備える
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基本スペック

 OSはAndroid 5.0を搭載。ディスプレイはXperia Z3と同様の約5.2型のフルHD(1080×1920ピクセル)液晶を搭載しており、外光下でも視認性を保つ仕様も取り入れた。

 プロセッサは64ビットのオクタコア(8コア)を備え、Xperia Z3よりもCPUの性能が約2倍向上したという。通信性能はLTEの Category6をサポートし、理論上の速度は下り最大225Mbpsにアップ。Wi-Fiでは複数のアンテナを使うことで高速化を図る「MIMO」もサポートした。

 バッテリー容量は2930mAhで、スリープ時にアプリの動作を制御する「スタミナモード」も利用できる。IPX5/IPX8の防水性能とIP6Xの防じん性能も備える。

 時刻やメニューを3(横)×4(縦)のタイル状に大きく表示する「シンプルホーム」も用意。文字がより大きくなる「特大」フォントにしたり、壁紙を透過表示させたりもできる。

 時刻やカメラのショートカットなどを表示するウィンドウ付きの専用カバー(SCR30)を別売り(税別7000円)で提供する。Xperia Z4の本体カラーに合わせた4色展開で、IPX5/IPX8相当の防水仕様となっている。

カメラは料理モードを追加、インカメラは500万画素に

 有効約2070万画素のメインカメラはXperia Z3と同じセンサーを搭載。広角25ミリのGレンズ、イメージセンサー「Exmor RS for mobile」、画像処理エンジン「BIONZ for mobile」は健在。Z3と同じく、ISO感度が最大で12800まで上がり、薄暗い場所でもノイズを抑えたクリアな写真を撮影できる。

 Xperia Z4では新たに、プレミアムおまかせオートに「料理」モードを追加。食べ物がどこにあるのかを認識して、より明るく鮮やかな料理写真を撮影できるという。動画撮影時に、保存しながらリアルタイムでブレを予測することで、走りながら撮影してもブレを抑える「インテリジェントアクティブモード」を継承している。

 セルフィー(自分撮り)ニーズに対応すべく、インカメラは約510万画素に強化したほか、広角25ミリのレンズにより、より広範囲を撮影できるようになった。さらに、インカメラにもプレミアムおまかせオートやインテリジェントアクティブモードを採用した。セルフタイマーは0.5秒、2秒、10秒から設定できる。

 撮影した顔にさまざまな効果を付けられる「スタイルポートレート」(メイン/インカメラ対応)や、撮影した顔をほかの人の顔と合成できる「ARマスク」(メインカメラ対応)という、人物撮影をより楽しめる機能も追加した。

音楽はLDACに対応、ヘッドフォンの自動認識機能も

 オーディオ面では、Xperia Z3と同じくハイレゾ音源の再生をサポートするが、Z4ではZ3の96kHz/24bitから192kHz/24bitへ周波数帯域が拡張され、さらに音質がアップ。MP3などの圧縮された音源をハイレゾ相当(96kHz/24bit)にまで拡張する「DSEE HX」や、周囲の騒音を約98%カットする「デジタルノイズキャンセリング機能」も継承している。

 スマートフォンとしては初めて、従来の最大約3倍(900kbps)のデータをワイヤレス(Bluetooth)で転送できるコーデック「LDAC」に対応した。Bluetoothでもハイレゾに近いデータ量のコンテンツを楽しめる。なお、LDACはXperia Z4 Tabletもサポートしている。

 スマートフォンならではの機能として、装着したヘッドフォン(有線のみ)で最適な音質になるよう自動調整する機能を備えた。これは、音楽の周波数を一通り再生して、ヘッドフォンの特性を分析することで実現しており、例えば「低域が弱ければそこを補強する」といった処理を内部で行っている。ソニーモバイルによると、有線のヘッドフォンならどの製品でも対応するが、もともと高音質な高価なヘッドフォンにはあまり効果なく、安いヘッドフォンほど差が分かるとのこと。

 ソニーモバイルは、4月22日からXperia Z4を銀座・ソニーショールームで先行展示する。

「Xperia Z4」の主な仕様
機種名 Xperia Z4
メーカー ソニーモバイルコミュニケーションズ
OS Android 5.0
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 810(MSM8994)/2.0GHz+1.5GHzオクタコア
メインメモリ 3Gバイト
ストレージ 32Gバイト
外部メモリ microSDXC(最大128Gバイト)
ディスプレイ 約5.2型フルHD TFT液晶
解像度 1080×1920ピクセル
バッテリー容量 2930mAh
メインカメラ 有効約2070万画素CMOS
インカメラ 有効約510万画素CMOS
ボディカラー ホワイト、ブラック、カッパー、アクアグリーン
サイズ 約72(幅)×146(高さ)×6.9(奥行き)ミリ
重量 約144グラム

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