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» 2015年04月20日 18時32分 UPDATE

「Zシリーズの命題に答える完成形だ」――ソニーモバイルが「Xperia Z4」で見せる自信

「Xperia Z4」の発表会で連呼されたのが「完成形」という言葉。それだけに、ソニーモバイルがいかに本機に自信を持っているかがうかがえる。また、フラッグシップスマートフォンを日本で発表したのも珍しい。その理由とは――。

[田中聡,ITmedia]

 ソニーモバイルコミュニケーションズが4月20日、フラッグシップスマートフォンの「Xperia Z4」を発表。2015年夏以降に日本市場で発売する。取り扱う通信キャリアは後日案内される見込み。

photo 「Xperia Z4」

 ソニーモバイルはこれまで、Xperia Zシリーズのフラッグシップスマホはいずれも海外の展示会で発表していたが、今回は日本でのみ発表。東京のソニー本社で、世界で初めてXperia Z4がお披露目された。代表取締役社長 兼 CEOの十時裕樹氏は、「ソニーモバイルの売上のおよそ9割をスマートフォンが占めており、これからの事業の柱として発展させていく。全世界の過半を占める高付加価値のスマートフォンは、ソニーモバイルが注目すべき領域。この領域でいかにイノベーションを起こして、お客様のニーズに応えていくか、新たな付加価値を創造できるかが大切だと考えている」と意気込みを話した。

photo ソニーモバイルの十時社長

デザイン、カメラ、エンタメで最高の体験を

 ソニーモバイルは2013年から2014年にかけて「Xperia Z」「Xperia Z1」「Xperia Z2」「Xperia Z3」を発表してきたが、その「完成形」とされるのがXperia Z4だ。

 Xperia Zシリーズでは「デザイン」「カメラ体験」「エンタテインメント体験」に注力しているが、特にこだわりがあるのがカメラだ。Xperia Z1から、サイバーショットでのおなじみの「Gレンズ」を採用し、カメラ機能を大きく訴求してきた。シニアバイスプレジデント デザイン・商品企画部門 部門長の田嶋知一氏は、「カメラスマホを極めることをXperia Zシリーズの命題の1つとして取り組んでおり、Z4は現時点でのカメラスマホの1つの完成形に仕上がった」と自信を見せる。

photo ソニーモバイルの田嶋氏
photo Xperia Zシリーズでは、デザイン、カメラ、エンタメを強化してきた

 Xperia Z4ではさらにリッチなユーザー体験を提供すべく、ベースとなるスペックを向上させた。プロセッサは64ビットのオクタコア(8コア)となり、LTEは下り最大225MbpsのCategory 6、Wi-FiはMIMOをサポートし、より高速な通信が可能になった。田嶋氏は、カメラやアプリの起動、UIの応答性、リッチコンテンツのダウンロードやストリーミング、ブラウジングの操作感が格段に向上していることをアピールした。

photo スマホとしての基本性能が大きく向上

 OSがAndroid 5.0となったことで、Xperiaの世界観を生かしつつ、Android 5.0特有の「マテリアルデザイン」も多くのアプリで取り込んだ。例えば、Walkmanアプリでは再生/一時停止のボタンがアニメーションで滑らかに切り替わったり、アルバムアプリでは画面の端から端まで表示させたり、といった具合だ。

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photophoto Xperiaの世界観を生かしながら、マテリアルデザインを取り入れた

 デザイン面ではMicro USB端子を下部に配置してキャップレスとし、SIMとmicroSDスロットを1つに集約したことで、田嶋氏は「極限までシンプルなサイドビュー」になったことを強調した。

 カメラは、ソニーのGレンズや画像処理エンジンを継承しつつ、コントラストや色調整で料理をおいしく記録する「料理」モードを、プレミアムおまかせオートに追加。インカメラの画素数も510万に上げたほか、自分の顔と友だちの顔を合成したりできる「ARマスク」、顔やその周辺を好みのテイストにアレンジできる「スタイルポートレート」といった、自分撮りを生かせる機能も新たに用意した。

photophoto プレミアムおまかせオートに料理モードを追加(写真=左)。ソニーモバイル独自の多彩なカメラアプリを楽しめる(写真=右)
photophoto 新機能の「ARマスク」と「スタイルポートレート」

 オーディオ面では、Bluetoothの高音質コーデック「LDAC」や、ヘッドフォン自動最適化技術を新たに搭載。Xperiaから遠隔操作でPS4のゲームを楽しめる「PlayStation4 リモートプレイ」も、Xperia Z3から引き続き利用できる。

photophoto 高音質コーデック「LDAC」に対応し、対応するヘッドフォンやスピーカーで高音質なサウンドをワイヤレスで楽しめる
photophoto 接続した有線ヘッドフォンの周波数特性を分析して、最適な音質に調整する技術(写真=左)。「PlayStaion4 リモートプレイ」を楽しめる(写真=右)

 田嶋氏は、Xperia Z4は「デザイン」「カメラ」「エンタテインメント」で優れたユーザー体験を提供するというZシリーズの命題に答える「現時点での完成形」と言い切る。すでに発表済みの「Xperia Z4 Tablet」とあわせて、「究極を目指していく」と力強く語った。

photo Xperia Z4とXperia Z4 Tabletをセットで展開する。Xperia Z4 Tabletも日本での投入を予定している(6月以降の発売予定)

キャリアや市場の動向に合わせて端末を導入する

 Xperia Z4が4月のタイミングでの発表になった理由について、十時氏は「バルセロナ(Mobile World Congress 2015)でフラッグシップモデルの発表を見送ったので、このタイミングで説明をするのが最適だと判断した。準備が整ったのがこのタイミング。(発売が)夏からと考えると、このくらい前に先立ってご案内するのがいいと判断した」と答えた。

 ソニーモバイルは、これまでフラッグシップスマートフォンを半年に1回のペースで発表してきたが、今後スマートフォンはラインアップを絞り、フラッグシップ機は年に1回のペースでリリースする方針に変えた。しかし今回のXperia Z4は、Z3の発表から約7カ月しかたっておらず、年に1回よりも早いペースを維持している。この点について十時氏は「中期的な方向性として、(フラッグシップは)1年に1回にしたいと考えているが、個別の通信事業者のご意向と市場の動向があるので、それに合わせて、多少の調整はある」とした。日本では通信キャリアが大半のスマートフォンを扱っているため、キャリアの方針によってラインアップや発売時期がグローバルと異なってくることが今後もありそうだ。

「日本は最重要市場だ」――十時社長

 Xperia Z4の発売がアナウンスされているのは、現時点では日本のみ。海外での展開については検討中だが、十時氏は「アジア、中南米は成長市場だと思っている。(Xperiaの)ブランドが強く、市場の成長が見込めてポートフォリオがマッチするところには積極的に出していきたい」と述べた。

 日本でいち早くXperia Z4を発表したのは、「日本市場は依然として最も重要だと見ているため」と十時氏。2013年にNTTドコモが推し進めたツートップ戦略で大ヒットした「Xperia A SO-04E」の2年縛りが解け、Xperia Aユーザーの買い替えも期待される。十時氏も「Xperiaのお客様は拡大している。今の(Xperiaの)お客様に、新しいフラッグシップを楽しんでいただけるコミュニケーションを図っていきたい」とコメントした。

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 ソニーモバイルがXperia Z4のことを「完成形」と強調したように、現在のオムニバランスデザインをベースにしたXperia Zスマホは、行き着くところまで到達した感がある。Xperia Z4は一見するとXperia Z3との違いが見えにくく、抜本的な進化というよりは、正統進化を果たしたモデルといってよい。今回のZ4もZ3同様の売れ行きが期待されるが、新機軸のXperia Zシリーズを、そろそろ見てみたいとも思う。

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