ソニーモバイルコミュニケーションズは4月20日、新たなフラッグシップスマートフォン「Xpera Z4」を発表した。2015年夏の発売を予定しており、国内でも複数のキャリアから2015年夏モデルとして登場することが、ほぼ確実だ。
Xperia Zシリーズの初代「Xperia Z」の登場から2年がたち、買い換えを検討している読者の方も多いだろう。そこで、ZからZ4の5世代をさまざまな面で比較してみた。
Xperia Z4のボディは薄型・軽量化が進んだ。重さは約144グラム、サイズは約72(幅)×146(高さ)×6.9(奥行き)ミリ。ボディの構造はアルミフレームとガラスの組み合わせで、フレーム部の光沢がより増している。フレームの美しさを生かすために、ストラップホールを本体下部に移すこだわりも見せている。
サイズ面において、Z1では、フレーム素材がアルミになったことで全体的に大型化。Z2では、画面サイズが大型化し、高さが増したものの、狭額縁設計によって幅や奥行きが減った。そして、Z3、Z4と画面サイズは変わらずコンパクト化が進んだ。
重量面において、Z1では、アルミフレーム化で約24グラムと大幅に増えた。その後は、“ダイエット”が続き、Z4は歴代最軽量となった。
機種 | Xperia Z4 | Xperia Z3 | Xperia Z2 | Xperia Z1 | Xperia Z |
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サイズ(単位:ミリ) 幅×高さ×奥行き |
約71.9×146×6.9 | 約72×146×7.3 | 約73.3×146.8×8.2 | 約74×144×8.5 | 約71×139×7.9 |
重量(単位:グラム) | 約144 | 約152 | 約163 | 約170 | 約146 |
Xperia Z4ではUSB端子がキャップレス構造になったことも見逃せない。MHLやUSB機器接続(USB On-The-Go)を使う機会が多いユーザーにとっては利便性が高まる。一方、「Xperia Z1」から継続して搭載されてきたマグネット式の充電端子は廃止された。
そこで気になるのが防水・防じん性能である。ZではIP5/7等級の防水性能のみ有していたが、Z1ではIP5/8等級に防水性能を引き上げ、IP5X等級の防じん性能も確保。Z2でも引き継がれた。Z3では防じん性能がIP6Xに引き上げられ、キャップレスUSB化されたZ4でも同等の防水・防じん性能を維持している。一般に、キャップレス化は防じん性能を確保する上で不利になると言われているが、軽量化とともに、ハードウェア設計に携わった人たちの頑張りを強く感じるところである。
機種 | Xperia Z4 | Xperia Z3 | Xperia Z2 | Xperia Z1 | Xperia Z |
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防水性能 | IPX5/8 | IP5/7 | |||
防じん性能 | IP6X | IP5X | − | ||
Xperia Z4のメインカメラは、有効約2070万画素の「Exmor RS for mobile」センサーと高性能レンズ「Gレンズ」を組み合わせており、暗所での高感度撮影に強い特性を引き継いでいる。GレンズはZ2から採用されている高品質レンズ。センサー自体はXperia Z1から有効約2070万画素のセンサーを使っているが、Xperia Z3からは薄型化しつつISO12800の高感度撮影に対応したものを採用している。
Z4では、インカメラが大きく進化している。Z以来、有効約220万画素の「Exmor R for Mobile」センサーを使ってきたが、Z4では画素数を有効約510万に増やし、レンズも広角化し、自撮りに強くなった。また、インカメラでも「プレミアムおまかせオート」が使えるようになった。
プレミアムおまかせオートモードでは「グルメモード」が追加され、食事をよりおいしく撮影できるようになった。
機種 | Xperia Z4 | Xperia Z3 | Xperia Z2 | Xperia Z1 | Xperia Z |
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メインカメラ | 有効約2070万画素積層型裏面照射型CMOS(高感度撮影対応) | 有効約2070万画素積層型裏面照射型CMOS | 有効約1300万画素積層型裏面照射型CMOS | ||
インカメラ | 有効約510万画素裏面照射型CMOS | 有効約220万画素裏面照射型CMOS | |||
Xperia Z4は、ソニーが開発したBluetooth用サウンドコーデック「LDAC」にスマートフォンとして初めて対応している。通常のコーデック(SBC)と比較して最大約3倍の990kbpsでデータを伝送することで、従来のワイヤレス環境よりも高音質で楽しめるようになっている。対応機器はソニーからすでに複数発売されている。
また、ハイレゾ再生対応も進化している。Z2で初めて対応した際は、別途USB DACを接続する必要があった。Z3では本体単体で96kHz/24bitの再生が可能となり、Z4では192kHz/24bitの再生が可能となった。
さらに、Z4では有線ヘッドフォンの特性を自動解析して音質を高める「自動最適化」機能を搭載、メーカーを問わず手持ちのヘッドフォンの潜在性能を引き出すことができるようになった。
機種 | Xperia Z4 | Xperia Z3 | Xperia Z2 | Xperia Z1 | Xperia Z | |
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Bluetoothオーディオ | LDAC/aptX/SBC | aptX/SBC | SBC | |||
ノイズキャンセリング | ○ | − | ||||
フロントステレオスピーカー | ○ | − | ||||
ハイレゾ対応 | ◎(192kHz/24bit) | ○(96kHz/24bit) | △(USB DACが必要) | × | ||
ヘッドフォン自動最適化 | ○ | − | ||||
※初出時に、Xperia Z1をaptX非対応としていましたが、正しくは対応しています。おわびして訂正いたします(4/27 20:47) |
Xperia Z4はさまざまな面でパフォーマンス向上が図られている。プロセッサ(CPU)はQualcommの64ビットオクタコア「Snapdragon 810」を採用。前モデルとなるZ3と比べても約2倍の処理能力を持った。
通信速度も、より高速な規格に対応している。LTEは、Zで下り最大100Mbps(理論値、以下同)に対応していたが、Z1で下り最大150Mbpsになって以来、Z3までそのままのスペックを維持してきた(auモデルはキャリアアグリゲーションにも対応)。Z4ではキャリアアグリゲーションで下り最大225Mbpsの通信に対応し、より高速に通信できるようになった。
無線LAN(Wi-Fi)は、Z2でIEEE802.11acに対応、最大433Mbpsでの通信にできるようになった。Z4ではいよいよ2本の送受信アンテナを同時に利用する「MIMO」技術に対応、最大866Mbpsで通信できるようになった。
機種 | Xperia Z4 | Xperia Z3 | Xperia Z2 | Xperia Z1 | Xperia Z |
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プロセッサ | Snapdragon 810(2.1GHz+1.5GHzオクタコア) | Snapdragon 801(2.5GHzクアッドコア) | Snapdragon 801(2.3GHzクアッドコア) | Snapdragon 800(2.2GHzクアッドコア) | Snapdragon S4 Pro(1.5GHzクアッドコア) |
メインメモリ | 3Gバイト | 2Gバイト | |||
内蔵ストレージ | 32Gバイト | 32Gバイト(国内版) | 16Gバイト | ||
ディスプレイ | 約5.2型 フルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶 | 約5.0型 フルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶 | |||
LTE最大通信速度 | 下り225Mbps/上り50Mbps | 下り150Mbps/上り50Mbps | 下り100Mbps/上り37.5Mbps | ||
無線LAN | IEEE802.11ac/a/b/g/n(MIMO 2×2対応) | IEEE802.11ac/a/b/g/n | IEEE802.11a/b/g/n | ||
※初出時にXperia Z2のメインメモリを「2Gバイト」としていましたが、正しくは「3Gバイト」です。おわびして訂正いたします(4/27 21:49) |
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