インタビュー
» 2016年10月24日 18時30分 UPDATE

MVNOに聞く:「プレミアムコース」で“良安スマホ”に/iPhoneも扱いたい――mineoが進む次のステップ (1/3)

「mineo」の契約数は2016年10月時点で40万を超えており、好調に推移している。直近で注目したいのが、混雑する時間帯でも高速通信を約束する「プレミアムコース」。同コースを始め、mineoの現状をモバイル事業戦略グループ グループマネージャーの上田晃穂氏に聞いた。

[田中聡,ITmedia]

 ケイ・オプティコムの「mineo」は、NTTドコモとKDDIの回線を使った数少ないMVNOサービスの1つだ。契約数は2016年10月時点で40万を超えており、好調に推移している。

 直近で注目したいサービスが「プレミアムコース」だ。専用の帯域を用意して、混雑しているときでも高速通信を確保するもので、7〜8月に無料トライアル、10〜11月に月額800円の有料トライアルを実施し、本サービス提供に向けて仕様を詰めている。

mineo 専用帯域を使って通信品質を確保する「プレミアムコース」

 このプレミアムコースは、完成度によっては、混雑時に通信が遅いというMVNOの弱点を解消する画期的なサービスになりそうだ。一方でAプラン/Dプランともにランチタイムでの通信は苦戦しており、通常サービスの改善も求められている。

 こうした速度面の苦戦は、mineoのユーザーが着実に増えていることの証ともいえるが、難しいかじ取りになっていることも事実。プレミアムコースや通信速度をはじめ、mineoの現状について、モバイル事業戦略グループ グループマネージャーの上田晃穂氏に話を聞いた。

「プレミアムコース」では昼でも10Mbpsは出したい

上田晃穂 ケイ・オプティコムの上田晃穂氏

―― あらためて、プレミアムコースを提供する狙いを教えてください。また、有料トライアルの料金を800円とした理由も教えてください。

上田氏 格安スマホというと、安かろう悪かろうというイメージがあります。「安いから、遅くてもしょうがないよね」という。ここをなんとか打破したく、最近は「良安スマホ」と呼んでいます(笑)。「良かろう安かろう」というサービスを作れないかなと思い、プレミアムコースを設計しました。

 他社には(20GBや30GBという)容量を積み上げていくという“プレミアム”はありますが、速度がプレミアムなサービスは他社にはないので、独自のサービスとしてチャレンジングしました。

 じゃあ、安かろう良かろうの価格設定を考えたときに、一番意識したのは、大手キャリアの通信料の半分以下にすることです。無料トライアルで協力いただいた皆さんにアンケートを取ったところ、500円〜1000円ぐらいを希望する意見が一番多く、6割ほどでした。われわれも、それぐらいなら大手キャリアの半額以下で、良質な速度のサービスを提供できると考え、800円に設定しました。

―― 本サービスも月額800円になるかは未定ですか。

上田氏 あくまで有料トライアルでの価格です。ただ、トライアルが終わって「やっぱり2000円です」とはできないと思っているので(笑)、ほぼその(800円)ぐらいの値段になると思います。

―― トライアルではAプランとDプランでそれぞれ100人に絞っていますが、本サービスでも人数は絞るのでしょうか。

上田氏 人数の調整はあり得ると思っています。無料トライアルでは約5400人、有料トライアルでは約1300人が応募してきました。200人に対して1300人がお金を払ってでも使いたいということなので、注目されているのかなと。その中で抽選になるので、やりたいと思っても落ちてしまった人は経験できないので、合計200人がいいのかも含めて考えたいですね。プレミアムコースの人数を増やしていくことも考えています。

―― 抽選になる場合、どの程度のサイクルになるのでしょうか。

上田氏 もともとは、毎月総入れ替えでの抽選を考えていました。毎月200人が選ばれて、1月たったらまた選び直すというものですが、1回当たってもまた応募しないといけない。ユーザーさんの心理的な負担と、毎回申し込まないといけない手間があるので、1回当たったら、ユーザーさんの意思がある限りは続けたいと思います。200人+αの追加募集を毎月続けていく形になるかと思います。

―― プレミアムコースでは特に帯域の増強が必要になると思いますが、そのあたりもシミュレーションしていると。

上田氏 そうですね。少し前にDプランで速度が出ない問題がありましたが、ユーザーの特性に応じて、どんな使い方をするかが徐々に見えてきました。例えば、国内ユーザーは平日にはこういう使い方をするとか、訪日外国人や法人のトラフィックもあります。今までは合算で見ていましたけど、使い方が違っていて、例えば訪日外国人のお客さんは、21時以降にピークが出ます。昼間は観光して、夜ホテルに帰って、そこからダウンロードをするといったことが見えてきました。いろいろな属性に応じてトラフィックカーブが異なります。それを全部積み上げたときに、増強をどうするかのノウハウがたまってきました。

 プレミアムコースの使い方とユーザー数のコントロールを加えて、全体の回線増強をどうするか、設計していきたいと思います。

―― サービス開始当初からユーザーの利用動向は変わってきていますか。

上田氏 1ユーザーあたりの通信量が増えてきています。動画コンテンツが増えてきたというのもありますが、使われ方も変わっています。国内以外のユーザーさんも増えてきています。ユーザーの特性によって、どれだけの帯域を割り当てるかを考えています。キャンペーンをやるときも、先を見越して回線増強をしています。回線増強は2週間前に申し込まないといけないので、先を読む必要があります。

―― 通常の回線では、Dプランが苦戦しています。AプランもDプランほどではありませんが、UQ mobileと比べて昼間は速度が出ない傾向にあります。改善増強でどこまで改善されたのでしょうか。

上田氏 7〜9月に集中的に回線を増強しました。Dプランはそれなりに(速度が)戻ってきましたが、Aプランはちょっとわれわれの想定を超えるトラフィックがあり、まだ間に合っていません。一番混み合う昼の12時〜13時は、これぐらいのMbpsまで最低限出るようにしたいという基準に沿って増強を計画していきます。

 「マイネ王」では、9月末からカレンダーで回線増強スケジュールを出すようにしました。例えば、今ちょっと遅いと思っている人がいたとしても、「明日増強があるなら様子を見よう」となります。ユーザーさんにとって状況が分からないのが、もやもやの原因になるので、計画をお示しすることで、安心して使っていただけるようにしたいです。

―― プレミアムコースでは、最低何Mbpsという基準は設定するのでしょうか。

上田氏 品質保証の目標を約款に定めているわけではありませんが、昼でも10Mbpsぐらいは出したいと考えています。

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