日本のSIMフリー市場で特に奮闘している国内メーカーは富士通とシャープだ。2016年は富士通が「arrows M03」、シャープが「AQUOS mini SH-M03」「AQUOS SH-M04/AQUOS L」「AQUOSケータイ SH-N01」を投入した。
気になるのがソニーモバイルの動きだ。2015年に「Xperia J1 Compact」を投入したが、2016年は日本でのSIMロックフリースマホの投入はゼロ。大手キャリアとのビジネスが大きなウエートを占めているとはいえ、Xperia XやXperia XAといったミッドレンジ以下のスマホも開発しているため、2〜3万円台の市場でも存在感を出すことはできるはず。
またサムスン電子も海外ではローエンド〜ミッドレンジの多彩なラインアップ(Aシリーズ、Cシリーズなど)を展開しているが、日本ではいまだにSIMロックフリースマホを投入していない。
BCNの調査によると、2016年1月〜11月のスマートフォンのシェアで、HuaweiはApple、ソニーモバイル、シャープに次ぐ4位(5.69%)にまで上り詰めており、SIMフリー市場でもシェアを伸ばす余地は残されている。大手キャリアで慣れ親しんだメーカーならではの安心感もあるだろうし、ユーザーの選択肢をさらに広げるためにも、ソニーモバイルとサムスン電子の参戦にも期待したい。
また、2015年10月に「HTC Desire EYE」と「HTC Desire 626」を発売したHTCが、2016年はSIMロックフリースマホを投入しなかったのもさみしい。新機種自体が減っているHTCだが、2017年はどんな動きを見せてくれるのだろうか。
もう1つが、ASUS、Huawei、FREETEL、ZTEといったメーカー製スマホの、FeliCaや防水への対応だ。SIMロックフリースマホをメイン機種として使ってもらうには、こうした日本独自機能に対応させることが重要だ。特にFREETELは「日本品質」をうたっているだけに、日本ユーザーのニーズにも応えてほしいと思う。しかも2016年はiPhone 7がFeliCaと防水に対応したため、なおさら日本ローカライズへの機運が高まったともいえる。
HuaweiはかつてFeliCaや防水に対応したスマホ「Ascend D2 HW-03E」をドコモ向けに開発した実績があるし、ZTEがドコモ向けに提供した「MONO MO-01J」は防水に対応している。ASUSはFeliCaや防水への対応は本社ヘリクエストを続けているという。機能追加はコストアップにつながるので難しい選択だとは思うが、日本ローカライズの強化にも期待したい。
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