ソフトバンクの「ソフトバンク」ブランド(以下「SoftBank」)では、携帯電話の通信に必要な「USIMカード」が端末種別ごとに分かれています。4G LTE/4Gスマートフォン用のものだけでも大きく以下の4種類があり、異なる端末種別では相互に使い回すことができません。
しかし、SIMロックフリー(あるいはSIMロック解除済み)であることが条件ではあるものの、SoftBankからiPhoneとAndroidの両方で使えるSIMカードが登場しました。その名は「Prepaid SIM for Travel」。字面の通り、訪日旅行客向けのプリペイドSIMカードです。
SoftBankでiPhoneとAndroidの両方を使えるSIMカードは非常に貴重。そこで筆者はひとりで沖縄に行ってきた帰りに、東京国際空港(羽田空港)の国際線ターミナルビル2階にある「モバイルコミュニケーションサービスカウンター」で富士山デザインのものを購入してみました。1日遅れのクリスマスプレゼントとして。
先述の通り、このSIMカードは“訪日旅行客”向けではありますが、日本在住者であっても有効な旅券(パスポート)を持っていれば契約できます。
購入時についても、ソフトバンクレンタルカウンターでは本人確認書類を提示する必要があります。ただし、購入時は旅券のほか、運転免許証や外国人登録証も本人確認書類として有効です。沖縄帰りということもあり、筆者は購入日に日本国旅券を持ち合わせていませんでしたが、運転免許証を提示して購入できました。
繰り返しですが、Prepaid SIM for Travelは“訪日旅行客”向けのプリペイドSIMです。そのためか、パッケージには英語の説明しか書かれていません。パッケージ内のセットアップガイドには、英語に加えて韓国語と中国語(繁体字・簡体字)の記載があります。日本語の記載は一切ありません。英語はそこまで難しくないですが、英語に苦手意識がある場合は要注意です。
セットアップガイドを読もうとしたところ、ガイドにゼムクリップが付いていることに気が付きました。ガイドは1枚しかなく、ゼムクリップを付ける必然性はありません。SIMトレイを開けるピンの代用品としてゼムクリップを付けているのだと思われます。
Prepaid SIM for Travelは、標準、Micro、Nanoサイズを端末に合わせてくりぬくマルチサイズSIMカードとなっています。特にMicroサイズにくりぬく場合、気を付けないとNanoサイズでくりぬかれてしまうので注意しましょう。
初回セットアップ時は、ひとまずASUSの「ZenFone 3」で使うためにMicroサイズでくりぬくことにしました。
SIMカードの挿入後、Android端末ではAPN(ネットの接続先)を設定する必要があります。パッケージやセットアップガイドに書かれている通りにAPNを登録して設定すればOKです。
なお、iOS端末(iPhone/iPad)ではAPN設定不要でネットにつながります。4G LTE/4Gエリアで利用する場合は「4Gをオンにする」ことを忘れないようにしましょう(標準では「オン」ですが)。なお、Prepaid SIM for Travelではテザリングオプション(インターネット共有)を追加料金なし(無料)で使えます。あまりアピールされていませんが、大きなメリットの1つです。
Prepaid SIM for Travelで通信できるようになったら、このSIMカード専用の「My SoftBank」で利用開始手続きを行います。パッケージ・マニュアルにあるQRコードを読み込むか、以下のURLをWebブラウザに入力してジャンプできます。登録手続きは、毎日9時から21時まで可能です。
なお、このWebページにはPrepaid SIM for Travelでデータ通信しないとアクセスできません。無線LAN(Wi-Fi)接続など別の通信手段経由ではつながらないので注意しましょう。また、別のMy SoftBankアカウントでログイン中の場合も手続きできません。ログアウトしてから改めてアクセスするようにしましょう。
パッケージやマニュアルには日本語表記がありませんが、Prepaid SIM for Travel専用My SoftBankは日本語表示に対応しています。画面右上のプルダウンメニューから「日本語」を選択すれば日本語で手続きを進められます。ただし、滞在先(現住所)などは半角英数字で入力する必要がありますので注意しましょう。
サイトの指示に従って必要な情報を入力し、旅券の顔写真ページの画像をアップロードして手続きを進めます。手続き完了後、入力内容に問題が無ければ30分以内にインターネット接続ができるようになります。ソフトバンクからも、手続き完了時と利用開始メールが英語で届きます。
これで、現在のSoftBankでは貴重な、iPhoneとAndroidの両方に対応するSIMカードが使えるようになりました。
プリペイドの有効期限は、31日または1GB。追加プランは500MBまたは31日間で1620円です。とりあえず、有効化または最終プラン購入日から360日間は電話番号は維持できるので、SoftBankでiPhoneの必要な場合のSIMカードとして大切に使っていこうと思います。
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