折りたたみガラホからWikoのスマホまで ミラノで見かけた楽しい端末たち山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2017年04月07日 15時37分 公開
[山根康宏ITmedia]

 イタリアはミラノで行われているデザインの祭典、「ミラノデザインウイーク2017」の取材に来ています。ミラノにも家電量販店がありますが、そこではどんなスマートフォンが売られているのでしょうか? 日本に参入したばかりのあのメーカーの製品や、ガラホなどがずらりと売られていました。

 ミラノの街中を歩いてみると、早速4月に発表されたばかりのSamsung「Galaxy S8」の広告が目立ちます。1年ぶりのフラグシップモデルであるだけに、ここミラノでも注目度は非常に高くなっています。

Galaxy S8 ミラノ市内で見かける「Galaxy S8」の巨大広告

 ミラノにある家電量販店を訪れてみても、入り口にはGalaxy S8が展示されていて、自由に触れます。発売は4月末か5月のようで、現在は予約を受け付け中。価格は未定ながらも連日予約者がいるようです。店内でも予約を相談しているお客さんがいました。価格は高いでしょうから、発売日なども気になるところです。

Galaxy S8 家電量販店の入り口にもGalaxyS8とGalaxy S8+を展示

 さて、店の中には各メーカーのブースが並びます。ソニーモバイルが見えますが、ここにはASUSやLGも一緒に並べられており、Xperiaは数機種のみでちょっと寂しい状況。また手前のメーカー名のないブースには、地元ブランドの製品などが並べられています。

Xperia ソニーモバイルも健闘と思いきや「ソニーを含むアジア連合」といった展示

 ここミラノでも勢いがあるのはHuaweiです。なにせ1社だけで15機種以上! 一昔前のSamsungをほうふつさせる製品種類です。価格も100ユーロ台から500ユーロ台まで分かれており、自分の予算と機能で好きな製品が選べる状況。Huaweiの強さをミラノで目の当たりにした気がします。

Huawei 圧倒的な機種種類を誇るHuawei。これは売れるわけです

 その手前にあるのが、先日日本にも参入したばかりのWiko(ウイコゥ)。展示台も同社のイメージカラーのブリーン(GreenとBlueの造語)にしているのはさすが。モデルの数も10機種強と、Huaweiといい勝負をしています。価格を見ると100ユーロ以下のモデルから高くても200ユーロ後半まで。Huaweiとは違い、手軽に買えるカジュアル製品がそろっています。

Wiko ブリーンの展示台に並ぶWikoのスマートフォン

 日本で販売が始まった「Tommy」も販売中。イタリアらしいというか、派手さが目立つ黄色いボディーのカラバリが展示されていました。国ごとにカラバリは異なるようですが、イタリアでは目立つ色が人気なのかも。このカバーだけでも欲しいものです。

Tommy Tommyは黄色モデルを展示

 ところで、Samsungはどんな製品を展示しているのでしょう。Samsungは別に専用の広々としたディスプレイ台があり、そこで「Galaxy S7」と「Galaxy S7 edge」を展示。ですがハイエンドで高価格なことと、1年前のモデルということで、お客さんからの注目度はやや落ちています。むしろイチオシとしてプッシュされていたのはAシリーズの「Galaxy A3」と「Galaxy A5」でした。どちらも金属ボディーのミッド・ハイレンジモデル。Samsungはイタリアの秋冬商戦を、この2モデルにだいぶ頼ったようです。

Galaxy A3とA5 Galaxy A3とGalaxy A5を目立つ位置に展示

 それではメジャーメーカー以外の製品を見ていきましょう。まずはBrondiから。スマートフォンも出しているのですが、フィーチャーフォンコーナーに行ってみると、ずらりと折りたたみ式の携帯電話が売られていました。このスタイルって日本と韓国以外ではあまりはやらなかったはずなのですが、今になってミラノで人気なのでしょうか?

Brondi 折りたたみ型携帯電話を多数出しているBrondi

 そして、3Gに対応したフィーチャーフォンが、ここにもありました! 「AMICO MIO+ 3G」という名のモデルはW-CDMAに対応し、1300万画素カメラを搭載。10キーはだいぶ大きく年配者向けとなっています。もうちょっとデザインを良くしてくれたら日本でも売れそうなのですけどねぇ。この手のフィーチャーフォンは、高齢者が使うことを意識した仕上げになっているようです。

AMICO MIO+3G 3G対応の折りたたみ型フィーチャーフォンも

 続いてこちらはNGMの「Vanity」。ホームボタンが宝石のようなデザインをした女子向け端末。ディスプレイサイズは3型前後でしょう。これでスマートフォンならサブ機にもでも欲しいところですが、残念ながらフルタッチ対応のフィーチャーフォン。デュアルSIM対応ですが2G+2GのDSDSです。スマートフォン全盛になる前に中国や新興国で流行したスタイルですが、いまだにこんな製品が売っているのですねえ。でももうちょっとお金を出せばスマートフォンが買えるだけに、これを買うお客さんはもういないかもしれません。

Vanity NGMの「Vanity」。10台の女の子がターゲットかもしれないけど、SNSアプリ非搭載では売れそうもない

 NGMももちろんスマートフォンは各種出していて、大手メーカーよりもかなり安く買うことができます。品質はそれなりですが、イタリアはSIMロックのない国なので、大手メーカーのハイエンドスマートフォンは高価格。NGMやBrondiなどの振興系メーカーのミッドレンジクラスのスマートフォンも勝機があるのです。

NGM NGMのスマートフォン。大手メーカーよりも格安で買える

 新興メーカーといえば、欧州にも中国のメーカーが多数出てきています。先日訪問したアテネにはXiaomiのスマートフォンも販売されていました。ここミラノにはXiaomiは未上陸。代わりにライバルだったMeizu(メイズ)が参入していました。5.5型ディスプレイに1300万画素カメラで200ユーロを切る「M3 Note」はけっこう人気だとか。地元系の新興メーカーは、中国での大量生産を武器にするMeizuなどと戦っていかねばならないので、今後大変です。

中国 中国新興メーカーのMeizuはイタリアに進出済み

 Wikoが思ったよりも検討し、地元メーカーも頑張っていたミラノ。せっかく来たので、どれかの製品を買って帰りたいものですが、取材が終わる頃には家電店は閉店。この手の買い物は、イベントが始まる前じゃないとなかなか時間が取れませんね。せっかくなので、Brondiの3G折りたたみ型フィーチャーフォンでも買って帰りたいところです。

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