新品のスマホも、使えば当然中古スマホになってしまいます。「他人が使っていたもの」に対して神経質になってしまう点をクリアできれば、新品のスマホも中古スマホも利用に際しての大きな差はないように思います。しかし、SIMロックの解除手続きに関しては、中古スマホでは不可能な点もありますので注意が必要です。そこで、ここでは中古スマホのSIMロック解除事情について説明します。
SIMロック解除はドコモ、au、ソフトバンクと、キャリアごとに対応が異るため、かなりややこしい作業です。けれども、基本となる4つのルールをおさえておけば、ほぼ安心です。
ドコモでは、iPhone・iPadを除いた2011年発売の機種がSIMロック解除に対応していますが、2015年5月以降発売の機種からはルール改正が行われているので、注意が必要です。これに対し、auとソフトバンクでは、2015年5月以降に発売された機種がSIMロック解除の対象となり、それ以前の機種はSIMロック解除ができません。
※ソフトバンクでは、2015年4月以前に発売された5機種でSIMロック解除の受付を行っていました。しかし「売れ筋」ではない機種が対象で、中古市場にもあまり出回っていません。そこで、ここでは対象から除外します。
iPhoneの場合、2014年9月発売の「iPhone 6/6 Plus」まではSIMロック解除不可、2015年9月発売の「iPhone 6s/6s Plus」以降の機種からSIMロック解除可能です。
発売時期 | 2011年4月〜 | 2015年5月〜 |
---|---|---|
Android | 解除可能 | 解除可能 |
iOS | 解除不可 | |
発売時期 | 〜2014年11月 | 2014年12月 〜2015年4月 |
2015年5月〜 |
---|---|---|---|
Android | 解除不可 | 要注意期間 | 解除可能 |
iOS | |||
発売時期 | 〜2015年4月 | 2015年5月〜 |
---|---|---|
Android | 解除不可 | 解除可能 |
iOS | ||
※auのGalaxy S6 edge(SCV31)は2015年4月発売ですが、2015年5月以降発売の機種と同じくSIMロック解除可能。
中古スマホ販売店では、機種の「発売時期」が書かれている場合が多いので、注意を払いましょう。なお、auに関しては「2014年12月〜2015年3月に発売されたVoLTE対応機種」に限られ、SIMロック解除ができないことに加え、mineoやUQ mobileといったau系格安SIMでの使用もできません。
自分が契約したスマホをSIMロック解除する手続きは簡単ですが、中古スマホの場合は注意が必要です。ドコモは、2015年5月以降の「新ルール」では中古スマホのSIMロック解除を不可としています。ソフトバンクでも同様で、中古スマホのSIMロック解除はできません。
キャリア | ドコモ (2011年4月〜) |
ドコモ (2015年5月〜) |
au | ソフトバンク |
---|---|---|---|---|
契約者本人 | 手続き可能 | 手続き可能 | 手続き可能 | 手続き可能 |
中古端末 | 手続き可能 | 手続き不可 | 手続き可能 | 手続き不可 |
解約済み機種 | 手続き可能 | 契約者本人に限り (解約後90日以内) |
手続き可能 | 契約者本人に限り (解約後90日以内) |
さらに、ドコモとソフトバンクでは、解約後90日だけがSIMロック解除可能期間のため、注意が必要です。SIMロック解除への対応は各社横並びの印象を受けますが、この点ではauが非常にシンプルでわかりやすいと思われます。
SIMロックは購入後すぐに解除できるものではありません。6か月(あるいは180日)経過してから解除できるようになります。auでは、専用のサイトで製造番号を打ち込むことでSIMロック解除の可否を確認できます。チェックしてみましょう。
ドコモに関しては例外があり、前回に購入した機種を6ヶ月以上前にSIMロック解除していた場合、あるいは2011年4月〜2015年4月までの旧ルールにおいて即日解除が可能です。
発売時期 | 2011年4月〜 | 2015年5月〜 |
---|---|---|
Android | 即日可能 | 購入6ヶ月経過後に可能 (6ヶ月以上前にSIMロック解除を行なっていると即日解除可能) |
iOS | 解除不可 | |
発売時期 | 2011年4月〜 | 2015年5月〜 |
---|---|---|
Android | 解除不可 | 購入180日 経過後に可能 |
iOS | ||
発売時期 | 〜2015年4月 | 2015年5月〜 |
---|---|---|
Android | 解除不可 | 購入180日 経過後に可能 |
iOS | ||
最近の中古ショップでは「○月○日以降SIMロック解除可能!」と表示してくれているところも見かけます。購入前に確認できるのであれば、確認したほうがいいでしょう。
SIMロック解除の手数料は、手続き方法によって異なります。
キャリア | ドコモ (2011年4月〜) |
ドコモ (2015年5月〜) |
au | ソフトバンク |
---|---|---|---|---|
店頭 | 3,240円 | 3,240円 | 3,240円 | 3,240円 |
WEB | 手続き不可 | 無料 | 無料 | 無料 |
店頭で手続きを行うと3,240円かかりますが、Webサイトから自力でSIMロック解除を行うと無料ですみます。ただし、中古スマホの場合はWEBで手続きを行えず、店頭でお金を払って行う必要があります。この点は要注意です。
以上、SIMロック解除にまつわる「4つのルール」を確認しました。まとめると以下のようになります。
中古スマホで即日SIMロック解除が可能なものは「2011年4月〜2015年4月に発売されたドコモ端末」と「2015年4月以降に発売されたau端末」。どちらもショップでの手続きが必要で、手数料は3,240円。
ただし、総務省主体で今年の5月ごろからルール改正が行われる予定で、たとえばSIMロック解除までの期間が100日以下に短縮されます。また、一括購入した機種を即日SIMロック解除が可能にするとのこと。
これはあくまで総務省がまとめた「案」であり、これをもとにしてどのようなルールを定めるかは、キャリアしだいです。5月までに中古スマホの購入を検討している場合は、これからの動きにも注目しつつ、あらかじめルールを確認したほうがよいでしょう。
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