総務省がガイドラインを作成し、制度ができあがりつつある「SIMロック解除」。しかし、手順やメリットがわかりにくいため、利用したことのないかたがほとんどでしょう。けれども、auやSoftBankのスマホを使っているのであれば、SIMロック解除は行なっておいたほうがよいといえます。その理由についてお伝えします。
SIMロック解除をすることで、多くの格安SIMが使えるようになります。格安SIMに乗り換えれば料金を安く抑えることが可能に。また、乗り換えなくても使い終わった古いスマホに別のSIMカードを入れれば、予備機として使うこともできます。
docomoのスマホ | auのスマホ | SoftBankのスマホ | |
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SIMロック解除をせずに 使える格安SIM |
OCN モバイル ONE IIJmio(D) 楽天モバイル mineo(D) LINEモバイル FREETEL BIGLOBE SIM U-mobile イオンモバイル NifMo レキオスモバイル |
UQ mobile mineo(A) J:COM MOBILE IIJmio(A) ※VoLTE対応機種は一部を除き SIMロック解除が必要 |
b-mobile S 開幕SIM |
※カッコ内のDはドコモの回線プラン、Aはauの回線プラン。 |
docomoのスマホは、多くの格安SIMでそのまま利用が可能です。OCN、IIJmioなどの老舗格安SIMから、楽天モバイル、LINEモバイルなどなじみのある会社の格安SIM、さらには沖縄のレキオスモバイルのような地方型の格安SIMなど選択肢は多岐にわたります。そのため、SIMロック解除の必要性は他の2社と比べると少ないでしょう。
他方、auのスマホはUQ mobile、mineoなどで使うことができますが、VoLTEに対応したスマートフォンはSIMロック解除が必須。結果として2015年4月以降に発売されたスマホはSIMロック解除を行う必要があります。
auから発売されたiPhoneを例に挙げると、下記のような状況です。
5s/5c | 6/6 Plus | 6s/6s Plus | SE | 7/7 Plus | |
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UQ mobile mineoで使うためには |
SIMロック解除不要 ※UQ mobileは 動作確認対象外 |
SIMロック解除不要 | SIMロック解除必要 | SIMロック解除必要 | SIMロック解除必要 |
なお、SoftBankはもともと格安SIMに消極的ということもあり、対応している格安SIMが3月に提供を開始したb-mobileの「開幕SIM」のみというさびしい状況です。また、現時点で開幕SIMは音声通話に対応していないため、選択肢はかなり乏しいといえます。
このように、docomoとau・SoftBankでは、格安SIMへの対応の違いがはっきりと分かれていますが、auとSoftBankスマホでもSIMロックを解除することで、他の格安SIMを使うことができるようになります。
SIMロック解除後は次のようになります。
docomoのスマホ | auのスマホ | SoftBankのスマホ | |
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SIMロック解除後 | OCN モバイル ONE IIJmio(D、A) 楽天モバイル mineo(D、A) |
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※カッコ内のDはドコモの回線プラン、Aはauの回線プラン。 |
以上から、auとSoftBankのスマホは、SIMロック解除を行なっていたほうがよいと考えられるのです。
SIMロック解除をしておくと、端末を売却する時に買い取り価格が高くなるというメリットもあります。
例えばスマホ買取を行っているCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)グループのイオシスは、SIMロック解除をしてあるiPhoneの買取査定額がアップすることをホームページに記載しています。また、じゃんぱらでは「少しだけ上がる」とのこと。さらにオークションサイトでも、出品時に「SIMロック解除済み」がアピールされているのを多く見かけました。
ゲオモバイルアキバ店では「SIMロック解除をしても変わらない」とのことでした。ゲオは中古スマホの業界団体「リユースモバイル・ジャパン」を立ち上げており、中古スマホの健全な流通を促しています。それらの影響で、今後は買取価格に影響が出るかもしれません。注目したいところです。
SIMロック解除は条件を満たせば無料で行うことができ、デメリットもないといえます。auとSoftBankユーザーのかたは、一度SIMロック解除をしてみてはいかがでしょうか。
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