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» 2017年06月02日 10時00分 UPDATE

石川温のスマホ業界新聞:ガイドラインの抜け穴を絶妙に突いてきた「docomo with」――総務省には「問題がないということは確認をしている」

NTTドコモが繰り出した「docomo with」。この新しい料金プランは、総務省が定めた携帯電話サービスに関するガイドラインをうまく「切り抜けた」感じで作られている。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 吉澤社長の囲みが終わったものの、記者たちは新料金プラン「docomo with」についての疑問が解消されなかったようで、田畑智也料金制度室長を一斉に囲んだのだった。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年6月20日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。


「石川温のスマホ業界新聞」バックナンバー

―― 今回のプランは端末の購入を条件にしている。端末購入補助扱いにはならないのか。

田畑氏 「問題がないということは総務省に確認をしているところ。端末の購入を条件していると補助に当たるとガイドラインには書かれているが、ひとつは社長の吉澤が申し上げたように、期限に定めがないところと、一定の年齢以下とか以上とかそういったところをクリアすると問題ではなくなる。

 途中で期限の定めがあったりすると、引っかかってくる部分があるが、そういった点でチェックして問題がないと確認している」

(★ ガイドラインの抜け穴を上手いことすり抜けてきた感がある。他キャリアから突っ込まれなければいいが)

―― ドコモとして、端末購入補助を辞めていきたいという考えはあるか。

田畑氏 「辞めたいというか選択肢をちゃんと増やしたいという想いで今回は始めた。

 おととし、タスクフォースの要請もありましたし、端末購入補助を受けて頻繁に乗り換える人と長く使うかたの不公平感の是正が議論になりましたし、そのあとの文書でも要請をいただいた。

 今回はそのひとつのお答えになるのではないか。そういう意味でも選択肢を増やしたかった」

(★ 選択肢が増えることで、消費者がわかりにくくならなければいいが)

―― docomo withと月サポの割合はどうなっていくのか。

田畑氏 「そこは繰り返し申し上げているが、今後の状況を見ながら考えていきたい」

(★ ハイエンドを除き、ほとんどがdocomo withになりそう)

―― ローエンドやミッドレンジに入れやすいプランですよね。

田畑氏 「提供サイドとしてやりやすいかよりも、ユーザーにどういった反響があって、どういった要望があるか、それを踏まえて、今後どうするか議論した上でやっていきたい」

(★ わかりやすいが、本当に「得」なのかは判断に迷うところ)

―― iPhoneを購入し、月々サポートを受けた後、割賦を2年で完済したあとに、docomo withに切り換えるという使い方は将来的にあり得るのか。

田畑氏 「今回は端末を買うときの選択肢を増やすということなので、自動的にそういったことにはならないが、まずは出した上で、対象端末をどのように広げていくか、そこら辺を考えながらやっていく。iPhoneなどのハイエンド端末はそれなりに月々サポートがついているが、そういったものが支持されるのであれば、それを残すか考えていかないといけない」

(★ 確かに月々サポートを受けたあとに毎月1500円を引いてくれというのは虫が良すぎたかも)

―― SIMフリー買い増しても継続するというのは割と緩いのではないか。何か意図があるのか。

田畑氏 「お手持ちの端末にSIMカードを差し替えて使うという際、それで毎月1500円の割引がなくなるというのは、おそらくガイドラインに引っかかってくるのではないか。端末の変更に伴って割引を辞めると言うことになる。端末の購入補助になりかねない。

 そこを突破している点が、問題視されていない理由なのではないか」

(★ ガイドラインがあるため、このあたりのルールが緩くなってしまっているな)

―― 中古やSIMフリー端末を持ち込んで契約できれば画期的だと思うが。

田畑氏 「入り口は端末を買うときの選択肢を増やすのが目的。いきなりそういう目的で1500円を引くわけではない。(導入について)検討をしているわけではない」

(★ ワイモバイルに近い買い方よね。こうした買い方もこれからトレンドになりそう)

―― 極端な話、対象端末を購入して、すぐに売却して、自分の好きな端末で使っても問題ないのか。

田畑氏 「極端な例でいうとそういうことになりますね」

(★ 発売直後、arrows BeやGalaxy Feelが大量に中古販売店に山積みになりそう)

―― 「1500円割引」という言い方は料金プランではなく、割引サービスと誤解されやすそうだが、あえてそういった言い方にしているのか。

田畑氏 「1500円を毎月、引かれるというのを訴求したかった。その方がご理解得やすいのではないか」

(★ 確かにその方がわかりやすい)

―― 競合他社も扱うハイエンド端末だと導入しにくいというのがあるのか。

田畑氏 「定価で購入してもらうことを考えると、8万、9万、10万というハイエンドの機種よりも、そこそこの機能、そこそこの値段のほうが、こういった施策には需要があると判断した。

 工夫として、粗利を乗っける幅をそんなにのっけなかった。ミドルクラスじゃないとダメだというのではなくて、高額なものを定価で買う人は少ないのではないか。そんなに安かろう悪かろうの端末ではないので、バランスの問題で、定価で買っていただく。月額1500円を割り引くというのがどこまでお客さんに支持されるかというところだと思う」

(★ ドコモとしても、高額な端末購入補助が必要なハイエンドよりも、ミドルクラスの製品を売りたいのだろう。また、端末の販売での売り上げも、重視しなくなりつつあるのではないか)

―― いま、シェアパックを使っているユーザーはどれくらいいるのか。

田畑氏 「そこはお答えを差し控えたいと思う」

―― 公正取引委員会が、通信料金と端末代金の分離を明確にするようにと語っていたが、そこは意識しているか。

田畑氏 「一番、意識したのはお客さんの端末の買い方における選択肢を増やすということ。当時の総務省の議論に一度、応えたい」

(★ 確かに分離方向ではなく、さらに一体化してしまった感がある)

―― 8年前の買い方は具体的にどういったものだったのか。

田畑氏 「バリューコースとベーシックコースだったかな。複数の買い方がありますよ、というところを今回も月サポとwithを用意して選択肢を与えた」

(★ 当時も総務省の意向があって、仕方なく2つの買い方ができたのよね)

―― 8年前は失敗したというかユーザーに受け入れられなかったと思うが、今回は受け入れられそうか。

田畑氏 「不公平感の是正みたいな議論もありましたし、現にお客さんからもそういった声もいただいている。出してみて、どれだけのご指示をいただけるか。正直言って、最初の取り組みなので、やってみないとわからない。なるべく、受け入れられたらいいなと思っている」

(★ 当時も不公平感の解消が目的だった。果たして、今回は受け入れられるのか)

―― シンプルプランでも使えるのか。そうなると2回線目以降はほとんどお金を取れなくなったりしないのか。

田畑氏 「そうですね。追加の子回線の場合はそうなってしまう。シェア子回線は1回線目にはなりえない。そちらではそれなりの大きさのパックを選んでもらえる」

(★ 家族で使うならドコモというのがさらに明確になった感じ。一方、シングルは2回線持つ方が賢明な感じ)

―― 次期iPhoneは対象となる可能性はあるのか。

田畑氏 「そこはまだ検討していない。今後の端末価格はこれからの話。まずは反応を見たい」

(★ iPhoneは頻繁に買い換えられる機種だし、さすがに導入はしなそう)

―― 1500円はどういった経緯で、決まった金額なのか。

田畑氏 「還元に力をいれているが、どの程度にすれば還元として実感してもらえるか。それを考慮して、今回は1500円にした」

(★ 絶妙な価格設定だと思う)

―― 今後、他社でSIMロックを解除して、MNPしてきた場合にも対応したりするのか。

田畑氏 「今回は端末買うときの選択肢に答えた形。そういった声が大きくなれば検討していきたい」

(★ これはぜひやるべきよね。端末購入補助は必要としていないわけだし)

 

■取材を終えて

 田畑料金制度室長を囲んで、記者たちの疑問もだいぶ解消されたように思える。今後については未定だが、「対象端末を購入後、端末は売ってしまいつつ、好きな端末を毎月1500円引きで使う」というのも問題ないことが確認できた。

 また、家族で複数台、docomo withにすれば、3人で毎月4500円、4人で毎月6000円の割引になるのはかなり大きい。

 もしかすると、主力サービスになっていくかもしれない。他社の動向も気になるところ。

© DWANGO Co., Ltd.

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