新たなAIサービス創出へ ソニー、ディープラーニングの「コアライブラリ」をオープンソース化

» 2017年06月27日 20時17分 公開
[田中聡ITmedia]

 ソニーは6月27日、AIサービスを実現するディープラーニング(深層学習)のプログラムを開発できる「コアライブラリ(Neural Network Libraries)」をオープンソース化した。

 開発者は、無償で公開されたコアライブラリを利用してディープラーニングのプログラムを開発し、これをベースにしたAI機能を端末やサービスに搭載できるようになる。

コアライブラリ 図版で赤く囲ったところが「コアライブラリ」が関連する部分

 ディープラーニングは、人間の脳を模倣した「ニューラルネットワーク」を用いた機械学習の1つ。ディープラーニングは人間を超える性能を秘めており、最近は囲碁でAI棋士がプロ棋士に勝利したことが記憶に新しい。画像認識や音声認識だけでなく、機械翻訳やロボット制御など、より広範囲なジャンルにも活用されている。

 コアライブラリは、そんなディープラーニングのプログラムを開発するためのソフトウェアで、ソニーは2010年から開発を進めてきた。AI開発に求められる機能を余すことなく搭載していること、開発効率が高いプログラミング言語「Python」を利用できること、NVIDIAのGPUでスピーディーにディープラーニングの技術を開発できることを特徴としている。

コアライブラリ コアライブラリはOSやプラットフォームを問わず動作する

 スマートフォンやIoTデバイスにコアライブラリを移植することも可能。スマートフォンに移植する場合、QualcommのSnapdragonなどの各チップに合わせて書き換える必要があるが、これもスピーディーに行えるという。

 ソニーのコアライブラリを活用した機能は、既に自社(やグループ会社)の製品に搭載されている。例えば「Xperia」のカメラに搭載されている「ARエフェクト」、ユーザーの行動履歴を記録できる「Lifelog」アプリ、「Xperia Ear」のジェスチャー認識、カメラの顔認識、不動産の価格推定エンジンなど。

コアライブラリ イヤフォン型のスマートプロダクト「Xperia Ear」で、頭を動かしてアシスタントに「はい/いいえ」と応答したり、着信の応答/拒否をしたりできるジェスチャー機能にも、ソニーのコアライブラリが応用されている

 開発者はコアライブラリを活用することで、上記のようなAI機能を実現するコアアルゴリズムを開発できるようになる。それをもとに、顔認識やジェスチャー認識などの技術は個別に味付けをし、製品やサービスに落とし込んでいく。ソニーが提供するのはフレームワークの部分で、同社が定義する顔認識やジェスチャー認識の仕組みをそのまま使えるわけではない。

 スマートフォンでも画像認識、音声認識、対話、予測変換、(カメラの)顔認識、シーン認識など、さまざまなシーンでAIを用いた機能が搭載されている。ソニーのコアライブラリを用いた、幅広いサービス・機能の登場が期待される。

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