MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大225Mbps」「下り最大375Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。
そこで、各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介。今回は2017年11月編として、ドコモ系MVNOの通信速度をレポートしたい。au系MVNOやY!mobileについても同時に調査したので、別途記事を掲載する。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。
今回、テストを行ったのは以下の18サービス。
顔ぶれは前回代わりない。ドコモ純正サービスである「mopera U」を除くと、MVNOのサービスは計17となる。いずれのSIMもLTEの高速通信に対応したものを使っている。
調査条件は以下の通り。
通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定としている。用意しているのは4台のスマホなので、全サービスを同時に測定しているわけではない。各サービスの測定開時刻は、テスト結果の表を確認してほしい。記事で明記している速度結果は特記がないものを除き、3回の平均値となる。
本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。
まずは8時55分から行った午前中の測定結果をお伝えする。
天候は晴れ。寒いものの穏やかな冬の朝。計測場所は大型駅の近くで、デパートなどのショッピングスポットが集中している。そのせいか、クリスマスを控えてイルミネーションが施されていたりもするが、それ以外はいつもの出勤・通学風景が広がっている。
結果はどうだっただろうか。
下り平均速度では、前回に続き「イオンモバイル」が平均75.54Mbpsでトップ。やはり朝に強い。僅差の2位は、平均75.05Mbpsで「mineo(Dプラン)」。3位は平均62.96Mbpsで「IIJmio」で、上位3サービスは平均60Mbps以上なった。
4位は平均55.96Mbpsの「エキサイトモバイル」、5位は平均52.64Mbpsの「OCNモバイルONE」、6位は平均52.27Mbpsの「DMM mobile」と続く。いつもトップ争いをしているドコモ純正の「mopera U」は平均52.16Mbpsで珍しく7位……といっても十分高速だ。
下り平均40Mbps台には「BIGLOBEモバイル」「LINEモバイル」「NifMo」「FREETEL SIM」が入っている。今回の計測後に元の事業主の民事再生手続きというニュースが舞い込んだFREETEL SIMはワーストだった前回の平均3.3Mbpsからの大復活。30Mbps台には「楽天モバイル」「ロケットモバイル」、20Mbps台に「U-mobile LTE使い放題」「nuroモバイル」、10Mbps台「b-mobile(おかわりSIM)」「DTI SIM」が入った。
今回の下り平均ワーストは、なんと「0 SIM」で1.82Mbps。今回の計測で唯一の10Mbps割れとなった。0 SIMの下り通信速度は改善傾向にあったが、また元の遅さに。
一方、上り平均速度のトップは平均5.43MbpsのLINEモバイル。2位は平均4.95Mbpsのエキサイトモバイル。他の通信サービスはおおむね2〜3Mbps台で、ワーストはイオンモバイルの平均1.72Mbpsだった。
午前中の通信速度は下り、上りともに全体的に見れば速度が上がっていたようだ。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 8:55 | 62.96 | 3.47 |
OCN モバイル ONE | 8:55 | 52.64 | 3.99 |
BIGLOBEモバイル | 8:55 | 46.09 | 2.05 |
b-mobile(おかわりSIM) | 9:00 | 13.16 | 3.89 |
LINEモバイル | 9:00 | 41 | 5.43 |
楽天モバイル | 9:00 | 37.12 | 2.99 |
NifMo | 9:00 | 45.21 | 3.86 |
ロケットモバイル | 9:04 | 31.87 | 3.26 |
FREETEL SIM | 9:04 | 49.33 | 2.52 |
DMM mobile | 9:04 | 52.27 | 3.09 |
U-mobile LTE使い放題 | 9:04 | 25 | 3.6 |
mineo(Dプラン) | 9:08 | 75.05 | 3.71 |
DTI SIM | 9:08 | 11.78 | 2.47 |
0 SIM | 9:08 | 1.82 | 2.43 |
イオンモバイル | 9:08 | 75.54 | 1.72 |
エキサイトモバイル | 9:11 | 55.96 | 4.95 |
nuroモバイル | 9:11 | 25.38 | 3.67 |
ドコモ(mopera U) | 9:12 | 52.16 | 3.39 |
ランチタイム以降の計測は28日に実施した。27日と比べると、厚い雲が広がりとても寒い。冬らしい重い天候だ。こんな天気だと、駅周辺で外で待ち合わせる人は少なく、駅ビルのほうが賑わっている。
通常、この時間帯は通信が混雑しやすく、通信速度は一気に落ちて下り平均1Mbps未満のサービスが続出する。今回はどうだったのだろうか。
前々回、前回と同じく下り平均1Mbps以上を保ったのは3サービス。1サービスは「測定不能」となった。
下り平均速度の1位は平均65.17Mbpsでmopera U。2位は平均21.38Mbpsでnuroモバイル。ワン・ツーの顔ぶれは前回と同じで、nuroモバイルはMVNOトップをキープした。
3位は平均1.01MbpsでBIGLOBEモバイル。ギリギリ1Mbps以上を保った格好だ。前回4Mbps台を記録したU-mobileだが、今回は平均0.54Mbpsと1Mbps未満に沈んだ。
その他のMVNOサービスは下り平均1Mbps未満だった。ワースト1位は0 SIMで、何度やってもエラーが発生して測定できなかった。前回も0.19Mbpsで危うかったが、「激しく遅い0 SIM」に戻ってしまったのか……? ワースト2位はDTI SIMの平均0.39Mbps。
実はロケットモバイルも測定でエラーが続いたが、何度かリトライしたところ計測を完了できたので再測定時の開始時刻を掲載した。0 SIMは再測定もエラーばかりのため測定できていないため最初の時刻を掲載した。
上り平均速度は、3.67Mbpsで楽天モバイルがトップ。LINEモバイルが2.9Mbpsで続き、その他は1〜2Mbps台を記録。ワースト1位は測定不能の0 SIM、ワースト2位は平均1.05MbpsのIIJmioだった。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 12:25 | 0.75 | 1.05 |
OCN モバイル ONE | 12:25 | 0.43 | 1.97 |
BIGLOBEモバイル | 12:25 | 1.01 | 2.55 |
b-mobile(おかわりSIM) | 12:29 | 0.9 | 2.04 |
LINEモバイル | 12:29 | 0.44 | 2.9 |
楽天モバイル | 12:29 | 0.79 | 3.67 |
NifMo | 12:29 | 0.64 | 2.62 |
ロケットモバイル | 12:44 | 0.78 | 1.74 |
FREETEL SIM | 12:33 | 0.46 | 2.28 |
DMM mobile | 12:33 | 0.8 | 1.41 |
U-mobile LTE使い放題 | 12:33 | 0.54 | 1.66 |
mineo(Dプラン) | 12:37 | 0.36 | 1.26 |
DTI SIM | 12:37 | 0.39 | 2.37 |
0 SIM | 12:37 | 0 | 0 |
イオンモバイル | 12:37 | 0.79 | 1.71 |
エキサイトモバイル | 12:41 | 0.82 | 1.29 |
nuroモバイル | 12:41 | 21.38 | 1.75 |
ドコモ(mopera U) | 12:41 | 65.17 | 2.22 |
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