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» 2009年07月07日 17時30分 UPDATE

これぞ低価格ミニノートの決定版!?:ソニーが満を持して投入した“WXGA液晶”Netbook――「VAIO W」徹底検証 (1/5)

国内メーカーがこぞってNetbookを投入する中、ついにソニーが重い腰を上げた。同社初のNetbook「VAIO W」シリーズは何が違うのか、その実力をじっくりチェックする。

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

最後の大物? ソニーが新作をひっさげてNetbook市場へ参戦

ソニー初のNetbook「VAIO W」シリーズ。今回からシリーズ名が「VAIO type 〜」ではなく、「VAIO 〜」というシンプルなものに変わった。型名も従来と異なる「VPC」から始まる表記となっている

 ここ1年でノートPC市場の勢力図を大きく塗り替えたNetbook。当初は海外メーカーが価格重視のNetbookを矢継ぎ早に投入し、日本でもヒットを飛ばしたが、昨秋からはこれに対抗すべく国内大手PCメーカーも積極的にNetbookをリリースし続けている。既に東芝、NEC、富士通といった国内メーカーの雄がNetbookを発売済みだ。

 一方、ソニーはNetbookキラーともいわれる“ポケットサイズPC”こと「VAIO type P」を2009年1月に発売することで、独自の路線を歩んできた。VAIO type Pは小型軽量ボディ、キーボードの使いやすさ、高解像度のワイド液晶ディスプレイ、細部までこだわり抜いたデザインなど、Netbookのワンランク上に位置する携帯性を重視したミニノートPCとして、好評を博している。

 とはいえ、VAIO type Pは価格帯がNetbookより上で、ギリギリまで小型化したボディに表示が細かい8型ワイド液晶ディスプレイを搭載するなど、一般ユーザーが使うには少々エッジが効きすぎている面もあった。低価格やノートPCとしての使いやすさを求めてミニノートPCに注目している層には、Netbookほど訴求できなかったことも事実だ。

 そこで、ソニーがミニノートPC市場での地位を盤石なものとするために追加したのが同社初のNetbook「VAIO W」シリーズだ。基本スペックは競合機種と同様にAtom Nをベースとしたものだが、1366×768ドット(WXGA)表示の10.1型ワイド液晶ディスプレイや、VAIOらしい凝ったデザインを採用することで、既存のNetbookとの差別化を図っている。

3色のカラバリを用意

 製品ラインアップは、店頭販売向けの標準仕様モデルとソニースタイル直販のVAIOオーナーメードモデルを用意。標準仕様モデルはボディカラーがホワイトの「VPCW119XJ/W」とピンクの「VPCW119XJ/P」の2色展開で、VAIOオーナーメードモデル「VPCW11AXJ」ではホワイトとピンクに加えて限定色のブラウンも選択できる。

 標準仕様モデルの発売日はVPCW119XJ/Wが8月8日、VPCW119XJ/Pが8月22日、VAIOオーナーメードモデルVPCW11AXJの先行予約販売は7月下旬、出荷は8月22日を予定している。標準仕様モデルの価格はオープンで、実売価格は6万円前後の見込みだ。VAIOオーナーメードモデルは5万9800円から購入でき、VAIO type Pの最低価格より8000円安い(2009年7月7日現在)。

 発売は1カ月先だが、今回はVAIO Wの試作機を入手できたので、使い勝手やパフォーマンスをチェックしていこう。なお、今回検証したのは試作機なので、実際の製品とは異なる場合があることをあらかじめお断りしておく。

VAIOならではのデザインはNetbookでも健在

 まずは“360度どこから見ても美しいフォルム”を目指したという外観から見ていく。ボディデザインは個性的なVAIO type Pとは異なり、パームレストとタッチパッドを設けたスタンダードなノートPCに仕上がっている。ボディの4隅に丸みを付けつつ、液晶ディスプレイを閉じたときに天板と底面の色が同じで、中央のシルバーが挟み込まれたように見えるデザインは、マカロンなどの洋菓子や南国のフルーツをイメージしたそうだ。

 もちろん、清潔感のあるホワイト、華やかなピンク、落ち着いた色調のブラウンと、カラーによって雰囲気は大きく変わる。女性を意識した外装とはいえ、全体的に甘すぎるデザインではないので、男性が使っても違和感は決してない。4隅の丸みやシルバーを間に挟んだようなデザインは、携帯時に手になじみやすく、実際よりボディが薄く見える効果もあり、理にかなっている。

ホワイトのボディカラー。天板は光が当たるとパールのようにキラキラと輝く

ピンクのボディカラー。パームレスト部も淡いピンクがかったシルバーとなっている

直販限定となるブラウンのボディカラー。高級チョコレートをイメージしたという落ち着いたブラウンだ

 天板はしっとりした滑らかな手触りの非光沢塗装で、光の反射によって色の見え方が微妙に変化する凝った塗装だ。パームレストにはドット状のディンプル加工が施されているため、汚れがつきにくく、独特のデザインパターンがあしらわれたタッチパッドはさらりとした手触りで指を動かしやすいなど、機能美にも配慮が見られる(ただし、ブラウンの天板は指紋が少し目立つ)。こうした工夫が奏功し、ボディは樹脂製ながら、質感はなかなかのものだ。

天板は手触りのいい非光沢塗装を採用(写真=左)。底面は余計な突起などがなく、シンプルにまとまっている(写真=右)

パッケージは2段構造になっており、タッチパッドと同じパターンが印刷されたアクセサリボックスを取り出すと、白い布に包まれた本体が現れる。ギフトとしても喜ばれるように、パッケージをデザインしたという

ボディカラーに合わせたアクセサリキットも用意

 デザインへの注力は別売のアクセサリにも見られる。ソニーは、専用キャリングポーチとUSBマウスをセットにしたアクセサリキットも8月8日に発売する予定だ。アクセサリキットは本体のカラーに合わせて、シルバー(ホワイト向け)、ピンク、ブラウンの3色を用意する。ただし、キャリングポーチとマウスの単体販売は行わない。

 このほか、ソニースタイルではVAIO W本体とアクセサリキット、オリジナルの吉田カバン製バッグがセットになった「いつでもお出かけセット」を8月上旬に発売する予定だ。VAIO Wとアクセサリ類、バッグも含めたコーディネイトを楽しみたいユーザーは、チェックしてみるといいだろう。

左から、シルバー、ピンク、ブラウンのアクセサリキット(直販価格は各4980円)

アクセサリキットはバッテリーパックLを装着しても本体がすっぽり収納できるナイロン製のキャリングポーチ(写真=左/中央)と、とスクロールホイール付きUSBマウス(写真=右)のセットだ

 次のページではVAIO Wの携帯性に迫る。

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