開発者が知っておきたいMetroの“作法”すべてをカバーするのは大変なことなのです(4/4 ページ)

» 2011年09月29日 11時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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Snap Viewをいかに“生かす”か?

 Windows 8の“面白い”特徴として「Snap View」が挙げられる。画面左端から中央に向かって指をなぞると「1つ前のアプリを呼び出す」動作だが、指の動きを途中で止めて、出現したサムネイル画面を保持し続けると、画面の左または右側に小さい「Snap」として配置できる。

 Metroスタイルでは3種類の画面モードを想定しており、1つが全画面(フルスクリーン)動作の通常モード、2つ目が縦画面表示のモード、3つ目がこのSnapモードとなる。2つ目の縦画面を使うケースはあまり想定されていないようだが、Microsoftのアドバイスでは、3つ目のSnapモードについてサポートが必須となっており、評価用のタブレットデバイスに導入していたすべてのアプリでもSnapビューを持っている。

1280×800ドットクラスの解像度がWindows 8でカバーする最低ラインとして推奨されている。当然、解像度やアスペクト比の差でMetro UIの再現方法や画面表示も変わってくる(写真=左)。将来のHD化やウルトラHD化に備え、あらかじめアイコンなどのグラフィックスをSVGやXAMLを使ってベクター表示にしておくことも推奨されている(写真=右)

Metroでは4種類(正確には3種類)の表示モードがある。1つはワイド画面を横表示した状態の通常モード、2つ目は画面を縦方向にしたモード、3つ目はMetroの特徴である「Snap View」モードだ(写真=左)。通常モードをワイド画面でないPCで表示させた場合(4:3など)、あるいは、Snapとの混載の2画面表示で片側で表示されるのが「Minimum」と呼ばれるものだ。少なくとも、アプリはこの3モードでの動作を想定していなければならない。特にSnapのサポートは必須となっている(写真=右)

 Snapの利用方法でまず考えられるのは、フルスクリーンモードで表示した情報の縮小表示だ。このほか、動画再生であれば縮小画面で再生を継続して、片側で仕事をしながら動画を見ることも可能だ。音楽の再生であれば、バックグラウンド再生だけでなく、Snapで「停止」「スキップ」といったコントロールのほか、アルバムジャケットの表示も考えられるだろう。ゲームに利用する場合は、シミュレーションやRPGでステータス表示やチャットウィンドをSnapにすることも考えられる。いずれにせよ、さまざまなアイデアを取り込める“窓”として機能しそうな面白い試みだ。

Snapの利用例。正直いうとこれらはあまりいい例ではないのだが、縮小モードならではの特徴を生かした作り込みを行ってみると面白いだろう


 現在Microsoftが配布しているWindows Developer Previewは、主に開発者を対象にしたもので、Visual Studio 11 ExpressやBlend Expressionのほか、SDKや各種サンプルまで、アプリ開発に必要なツールを一通り提供している。対応言語もC、C++、C#、VBだけでなく、HTMLやJavaScriptなどWeb言語まで広くサポートする。ユニークなアイデアを持っている開発者は、この新しいプラットフォームでいろいろチャレンジしてみるといいだろう。

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