新しいMacBook Airは、スタバで何時間ドヤれるのか? VAIO Proとの比較も広田稔のMacでノマド(20)(4/4 ページ)

» 2013年08月14日 18時30分 公開
[広田稔,ITmedia]
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VAIO Proとも対決! 意外とMacBook Airが健闘してるぞ

「対決させるなら最高性能のヤツで!」とVAIO Pro13 Red editionの「全部盛り」を借りてみた

 ……とこれだけでは、あまりにざっくりとしたレビューなので、もう少し性能を深く見るために、フルHD動画の連続再生もテストしてみた。せっかく測るなら比較対象があったほうがいい。Haswell世代の薄型ノートPCをざっと見渡して、バッテリー駆動時間で目立つモデルといえば「VAIO Pro」だろう。

 特にMacBook Airと同じ13.3インチのVAIO Pro 13は、重量が約1.06kgキロとAirより軽いにも関わらず、バッテリー駆動時間は約13時間と1時間長い。さらに別売の拡張用シートバッテリーを底面に装着することで、最大26時間までバッテリー駆動時間を延ばせる。ついでにいえばソニーストアでストレージのSSDをアップグレードすると、PCIe x4接続になりデータ転送速度が毎秒1Gバイトを超えるという脅威の性能を見せてくれる。

 仮に出張の飛行機内でiTunes Storeで買ったビデオを見る場合、どちらのほうがバッテリー駆動時間が長いのか。それぞれ輝度を100%に設定して同じビデオを再生し、画面が消えるまでの時間をチェックしてみた。さらにMacBook AirではOS XとWindows、VAIO Pro 13では、内蔵バッテリーと拡張用シートバッテリー付きの合計4回測っている。

製品名 13インチMacBook Air VAIO Pro 13
CPU Core i7-4650U(1.7GHz) Core i7-4500U(1.8GHz)
液晶ディスプレー 13.3インチ(1440×900ドット) 13.3インチ(1920×1080ドット)、タッチパネル対応
メモリー 8GB 8GB
ストレージ フラッシュストレージ 512GB SSD 512GB
最長バッテリー駆動時間 12時間 内蔵のみ:10.5〜13時間、内蔵+拡張:21〜26時間(JEITA測定法)
重量 1.35キロ 本体のみ:1.07キロ、拡張バッテリー付き:1.39キロ
価格 18万4801円 21万1780円
すでにRed editionは売り切れてしまっているので、現在でも入手できる同スペックの赤くないVAIO Proで価格を比較。VAIO Pro 13は拡張バッテリー付きで、MacBook Airより2万7000円ほど高い。なお、各モデルの公称バッテリー駆動時間はそれぞれ測定法が異なることに注意

Windows 8における電源オプションのカスタマイズはこんな感じ。OS Xはそこまで細かく設定できないが、省電力関連は全部オフにしている

連続再生したフルHD動画は、アップルがポッドキャストで配信しているWWDC 2011のもので、動画のコーデックはH.264、ビットレートは3.11Mbps。OS XではQuickTime X、Windows 8ではQuickTime 7で開いている。ちなみに動画再生中のCPU使用率は、OS X+QuickTime Xで10%前後、(今回は測ってないが)OS X+QucikTime 7で15%前後と、QuickTime 7のほうが微妙に高い

というわけでテストした結果がこちら。単位は分。一番長かったのは、拡張用シートバッテリーを付けたVAIO Proで8時間52分だったが、MacBook Air+OS Xでも8時間2分とかなり健闘している

 筆者としては、MacBook Airで8時間2分という値に驚いた。もはやフルHDの動画を連続再生するより、ネットで調べものをしながら原稿を書いているほうが、ムダにバッテリーを消費するということだ。

 MacBook AirのOSX/Windows 8を見てみると、OSレベルでハードを制御してうまく省電力しているのか、それともQuickTimeにおけるCPU使用率の差が響いたのか、OS X環境のほうが2時間近く長い結果に終わった。

 VAIO Pro 13は、公称バッテリー駆動時間がJEITA測定法による値のため、最大輝度でのQuickTime動画連続再生という厳しい条件下では公称値よりも短い結果となった。ちなみに、PC USERで採用しているBBenchによる実測では、店頭モデルで9時間15分となっている(8月14日23時追記)。

 なお、拡張シートバッテリーを付けるとだいたい2倍に駆動時間が延びるという傾向は同じだ。外で長時間作業するときだけ拡張シートバッテリーを取り付けて、普段は300グラムほど軽い本体で過ごせるという選択ができる柔軟さはモバイラーにとってうれしいところだろう。

 まとめると、新しい13インチMacBook Airをスタバに持ち込んだ場合、軽い作業なら大体7〜8時間ぐらいはバッテリーで動作してドヤ顔できそうということが分かった。MacBook Airは最新モデルといっても、実売の最低価格なら2万〜2万5000円ぐらいは値引きして売られている。外で長時間作業する人(ハードドヤラー?)なら、手持ちのAirを下取りに出して乗り換えると幸せになれるはずだ。

 もちろんバッテリーが持つからといって、お店にずっと居ていいというわけではない。混雑時にはそっと席を立つぐらいのマナーもわきまえつつ、ぜひ新しいMacBook Airでノマドライフを満喫にしてほしい。

著者紹介:広田稔

 Mac雑誌の編集者、IT系ニュースサイトの編集記者を経てライターに。アップルとインターネットが専門分野で、初代iPhoneが発表された「Macworld Expo 2007」や、初音ミクの海外初ライブとなる「MIKUNOPOLIS」、ニコニコ動画史上最大のイベント「ニコニコ超会議」などをがっつり取材した。

 近著は「ニコニコ動画めもりある ニコニコ大会議編」(アスキー・メディアワークス)など。個人のTwitterアカウントは「kawauso3」です。


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