通話中に写真や動画、現在地情報などを相手と共有できる「描きコミュニケーション」がドコモブースで参考出展されていた。通話機能はすでに成熟しており、発展の余地がないように思われがちだが、より便利に通話ができるサービスとして訴求する、と説明員はアピールしていた。ただし商用化の予定や時期は未定。
描きコミュニケーションは、インターネット上で行うVoIPの通話中に利用できるサービス。ネットワーク上にユーザー用のスペースを設け、ここで取得したデータを通話相手と共有できる。例えば、待ち合わせ相手と現在地の地図を共有し、相手に待ち合わせ場所(自分の現在地)を教えるといったこと可能になる。実際のサービスでは、GPSで取得した現在地情報を共有する使い方が想定されるが、今回はデモ用として、サーバに保存した地図画像を共有する流れが紹介されていた。
地図はブラウザ経由で表示され、画像編集ソフトを使う感覚で、手書きや拡大、縮小などができる。待ち合わせ場所を示せるよう、地図上に○や←などを自由に書き込むと、相手のケータイにも同様の書き込み内容が即座に表示される。特定の場所を目立たせたいときは、地図の拡大が役に立つ。
写真の共有は、例えばスーパーで買い物をしている旦那さんが、奥さんとの電話中に、カメラで撮った写真を見ながら、どの商品を買えばいいのかを聞きたいときに役立つ。写真を見ながら話すことで、「会話だけでは伝えきれないものが伝えられるようになる」(説明員)。地図と同じく、写真にも文字や記号を書き込めるが、デモ端末(NEC製)はタッチパネルには対応しておらず、手書き操作をするには十字キー(ニューロポインター)を使う必要がある。このあたりはタッチパネル対応機の方が使いやすそうだ。
動画の共有は、ケータイ2台とフォトビュワーを使って行われた。再生した動画の解像度はVGAで、長さは5分程度。動画はストリーミングで再生されるので、より長時間の動画も再生できる。動画は3台の端末で同じシーンがほぼ同時に再生されている。これは「通信速度の最も遅い端末に合わせ、どの端末も同じ速度が出るように調整しているため」(説明員)だという。ユーザー間で動画再生のタイムラグが生じないので、より円滑なコミュニケーションができそうだ。
なお、描きコミュニケーションは3G回線では利用できないため、今回のデモではすべて無線LANで通信している。大容量のデータを高速で送受信でき、なおかつ低遅延が特徴のLTEネットワークなら快適に利用できる、と説明員は話していた。今回の描きコミュニケーションは、LTE時代を見越した、新たなコミュニケーション方法を提案するサービスといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.