Facebookフォンから軽量タブレットまで――HTCがスマートフォン6機種を披露:Mobile World Congress 2011

» 2011年02月16日 20時34分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 HTCが2月15日(現地時間)、Mobile World Congress 2011会場そばのTeatre Lliureでプレス向けの新製品発表会を行い、新製品6機種を披露した。

photophotophoto 左から「HTC Desire S」「HTC Wildfire S」「HTC Incredible S」
photophotophoto 左から「HTC ChaCha」「HTC Salsa」「HTC Flyer」
photo HTCイベント会場のTeatre Lliure

「HTC sense」でユーザーの満足度が向上

photo 2010年の業績を語るピーター・チョウCEO

 発表会ではまず同社CEOのピーター・チョウ氏が登場し、HTCが2010年に記録的な出荷台数を記録したことを報告。また「マーケット全体では一四半期あたりのスマートフォンの出荷台数が2010年に初めて1億台を突破し、2011年末にはフィーチャーフォンの台数を抜くだろう」との見通しを語った。

 「スマートフォンの普及が進むことで、今後スマートフォンは一部の層だけが使う特殊な製品ではなく、マスマーケットで広く販売される一般的な製品になっていくだろう」とチョウ氏はみる。そしてHTCは自社製品に、使いやすさと利便性を提供する「HTC sense」という概念を投影しており、ユーザーからは満足感の高いフィードバックを得ているとのことで、手応えを感じているようだった。ユーザーからの評価が上がった結果、2010年の同社の端末販売数は2500万台を突破し、利益も93%増になっただけではなくブランドの認知度も50%まで高まったという。

 チョウ氏は「2011年はスマートフォンはさらに普及が進む年になる」とし、より広い消費者層に向けたAndroidスマートフォン5機種「HTC Desire S」「HTC Wildfire S」「HTC Incredible S」「HTC ChaCha」「HTC Salsa」を披露した。HTCが1度に5種類の製品を発表することは、同社としては初めてとのことである。

 各製品の詳細については、同社チーフマーケティングオフィサーのジョン・ワン氏が説明した。HTC Desire Sは現行モデル「HTC Desire」の後継であり、「HTC Desire HD」の下に位置するモデル。Qualcommの新しい1GHz Snapdragonプロセッサ(MSM8255)や、3.7インチのワイドVGAディスプレイを搭載する。HTC Wildfire Sも現行の「HTC Wildfire」を置き換えるモデル。幅59.4ミリ、高さ101.3ミリいうコンパクトなサイズが特徴で、複数のカラーバリエーションを持つ。HTC Incredible Sはデザインに特徴を持たせ、4インチのWVGAディスプレイと8メガピクセルカメラを備える。

photophoto 発表された5つの新機種(写真=左)。3つの「S」シリーズを説明するジョン・ワン氏(写真=右)

アプリ連携にこだわった“Facebookフォン”

photo FacebookとコラボレーションしたHTC ChaChaとHTC Salsa

 “Facebookフォン”ことHTC ChaChaとHTC Salsaは、FacebookとコラボレートしたAndroidスマートフォン。HTC ChaChaはQWERTYキーボードを備えており、より簡単に文字を入力できる。小型ボディが印象的なHTC Salsaは、いつでも手軽に持ち運べる。ワン氏は「Facebookユーザーは5億人、そのうち2億人がスマートフォンを利用している。Facebookを日常的に使いたいユーザーのためにこの2モデルを開発した」と狙いを説明した。

 これら2モデルで特徴的なのが、本体右下にある「F」マークのキー。これはFacebookアプリを呼び出せる単なるショートカットではなく、例えば写真を撮影した直後にFキーを押すと、Facebookに直接写真をアップロードできる。同様にWebブラウジング中や音楽再生中にFキーを押せば、それらの情報をFacebook上に送れる。「FキーはFacebookをより使いやすくするためのものであり、ユーザーに使いやすい機能を提供するHTC senseの概念の1つ」(ワン氏)

“軽さ”を重視したタブレット端末「HTC Flyer」

photo タブレット端末、HTC Flyerを発表するPeter Chou氏

 チョウ氏は、市場から期待が高まっている同社のタブレット端末についての戦略も語った。すでに多くのメーカーからタブレットが登場している現在、HTCが提供したいものは「ユーザーにとって使いやすく便利なタブレットであり、スペックだけを追求したものではない」。日常的にタブレットを使うためには軽さが重要で、多くのコンテンツが手軽に利用できることも必要だと同氏は考える。同社が繰り返し説明しているHTC Senseの概念、つまりユーザーへの満足体験を提供できる製品こそが、HTCが考えているタブレット製品となる。

 今回新たに発表されたのが、同社初のタブレット端末「HTC Flyer」だ。重さは他社のタブレット端末よりも軽い450グラムで、多くの人が普段持ち運んでいる書籍の平均重量の420グラムとほぼ同じ重さになることを目指した。また1.5GHzの世界最速となるCPUを搭載し、7インチのディスプレイと前面と背面にデュアルカメラを搭載、ビデオチャットも楽に行える。さらに新しい3Dホームスクリーンも搭載しタブレットとしての操作性も向上している。OSはAndroid 2.4を採用している。

 他社のタブレットと大きく違うのは、付属のペンを使うことで表示中のWebページやテキスト、書籍の内容を手書きジェスチャーだけでメール送信したり共有したりできること。HTCではこれを「HTC Scribe技術」と呼んでいる。また、ビデオ配信を行うSaffron Digital、オンラインゲームを手がけるOnliveと提携し、HTC Flyer上で映画の視聴やゲームの利用も可能になる。これらのコンテンツの連続利用は6時間ほどで、十分な容量のバッテリーが搭載されている。

 今回発表された6機種の発売は、欧州とアジアで2011年第2四半期を予定している。Facebook対応のHTC ChaChaとHTC Salsaは、米国のAT&T向けにも2011年末までに投入される予定とのこと。

photo 今回発表された6機種
photo キーノートスピーチでアプリケーションの重要性を語るチョウ氏

 なお、チョウ氏はMobile World Congress 2011の「The Power of Applications」と題されたキーノートスピーチにも登壇。「ハードウェアメーカーは今後端末だけを製造するのではなく、アプリケーションやコンテンツ企業との提携をすることで、ユーザーに使いやすい製品を提供することが必要だ」と語り、今回発表したFacebookとのコラボレーションモデルやタブレット端末、HTC Flyerへの動画やゲーム配信がその例であるとした。

photophotophoto タッチアンドトライコーナーに展示されていたHTC Desire S(写真=左)。HTC Wildfire S(写真=中)。HTC Incredible S(写真=右)
photophoto HTC ChaChaはショーケース内で展示されていた(写真=左)。HTC Salsaも実機には触れられなかった(写真=右)
photo HTC Flyerは付属のペンを使ったHTC Scribeのデモが行われていた

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