第3回 本当にGALAXY S IIの半分?――「GALAXY S II LTE SC-03D」のバッテリー持ちを検証「GALAXY S II LTE SC-03D」の“ここ”が知りたい

» 2012年01月13日 23時31分 公開
[田中聡,ITmedia]

 NTTドコモのSamsung電子製スマートフォン「GALAXY S II LTE SC-03D」のスペックを見て驚いたのが、連続待受時間が「GALAXY S II SC-02C」の半分ほどになっていることだ。SC-03Dの連続待受時間は3Gが約300時間、LTEが約250時間、GSMが約250時間。SC-02Cの連続待受時間は3Gが約640時間、GSMが約480時間なので、3Gは半分以上、GSMは半分近くに減少している。バッテリー容量はSC-02Cが1650mAh、SC-03Dが1850mAhでSC-03Dの方が大きいが、LTEチップの消費電力の高さが影響してか、連続待受時間は逆転している。

 しかし3G接続時の待受時間が半分以下まで減少しているのは、さすがに短すぎないだろうか。というわけで、実際にどの程度バッテリーが持つのか、SC-03DとSC-02Cで比較してみた。以下のテストには、後述する動画再生時を除き、ブラウザアプリ「Dolphin Browser HD」にプラグインアプリ「Tab Reload」を使い、「ITmedia +D Mobile」のトップページを1分に1回リロードし続けた。バッテリー残量の確認には「Battery Mix」を用いた。アプリはほぼ初期状態のままで、Googleの自動同期はオンにした。

photophoto Samsung電子製のXi対応スマートフォン「GALAXY S II LTE SC-03D」
photophoto 1分に1回、ブラウザを読み込みながらバッテリー残量を比較した(写真=左)。左が「GALAXY S II LTE SC-03D」、右が「GALAXY S II SC-02C」。バッテリー容量はSC-03Dの方が大きい(写真=右)

Xi圏内の羽田空港で実験

Xi圏内でのテスト結果
(12月23日9時に羽田空港にて)
時間 SC-03D SC-02C
0分 99% 99%
10分 97% 97%
20分 96% 97%
30分 94% 96%
40分 94% 95%
50分 93% 95%
60分 92% 95%
70分 91% 94%
80分 90% 94%
90分 90% 94%
100分 89% 94%
110分 89% 93%
120分 88% 93%

 まずはXi対応エリアの羽田空港の国際線ターミナルで、2011年12月23日9時ごろから2時間計測した。バッテリー残量99%から始めたところ、2時間後の残量はSC-03Dが88%(11%減少)、SC-02Cが93%(6%減少)だった。このまま計測を続けると、SC-03Dは18時間、SC-02Cは33時間でバッテリーが尽きる計算になるので、SC-03Dのバッテリー持ちはSC-02Cの半分強(約54.5%)となる。SC-03DのLTE接続時の連続待受時間(約250時間)はSC-02C(3G接続時の約640時間)の半分以下(約39%)。もちろんこの数字と単純比較はできないが、Xiエリアでのバッテリー持ちは、SC-02Cの半分程度と考えた方がよさそうだ。

Xi圏外で実験

Xi圏外でのテスト結果
(12月25日13時30分ごろから江東区屋内にて)
時間 SC-03D SC-02C
0分 98% 98%
10分 98% 98%
20分 98% 97%
30分 98% 97%
40分 98% 97%
50分 98% 96%
60分 97% 96%
70分 97% 96%
80分 96% 95%
90分 96% 95%
100分 96% 95%
110分 96% 95%
120分 96% 95%

 Xiに対応しない3Gエリアではどれだけ差が出るのだろうか。江東区の屋内で2011年12月25日の13時30分ごろから2時間計測した。98%から始めたところ、2時間後のバッテリー残量はSC-03Dが96%、SC-02Cが95%で、こちらは1%の差だがわずかにSC-03Dの方が持った。スペックの連続待受時間を考えると、意外な結果だ。LTE基地局から電波を受信する際に、3G通信時より多くの電力を消費することがうかがえる。

Xi圏内/圏外で動画をストリーミング再生

 続いて16時ごろから、Dolphin Browser HDのリロードをオフにして、動画配信サービス「Hulu」で2時間40分ほど動画をストリーミングし続けた。バッテリー残量100%から始めたところ、2時間20分後の残量はSC-03Dが44%、SC-02Cが53%だった。あわせて、Xi圏内でもHuluのストリーミングを試してみた。12月28日の14時ごろから江東区の屋内にて残量100%から2時間20分再生したところ、バッテリー残量はSC-03Dが39%、SC-02Cが50%だった。バッテリーの消費量はSC-03Dが61%、SC-02Cが50%で、SC-03DのバッテリーはSC-02Cの82%ほどは持つので、Dolphin Browser HDでのテストよりは差は少ない。大容量のデータを受信する場合はXi圏外でもSC-03Dの方が消費電力が多いが、ブラウザ利用時よりは差が少ないことが分かる。

動画ストリーミングテスト
Xi圏外で動画再生
(12月25日16時ごろから江東区屋内にて)
Xi圏内で動画再生
(12月28日14時ごろから江東区屋内にて)
時間 SC-03D SC-02C SC-03D SC-02C
0分 100% 100% 100% 100%
10分 97% 98% 96% 99%
20分 93% 94% 93% 95%
35分 87% 90% 88% 91%
40分 84% 87% 84% 87%
50分 80% 83% 79% 83%
60分 76% 79% 75% 79%
70分 71% 75% 71% 75%
80分 68% 72% 67% 72%
90分 67% 71% 64% 70%
100分 62% 67% 59% 64%
110分 58% 63% 53% 59%
120分 54% 60% 48% 55%
130分 49% 56% 43% 52%
140分 44% 53% 39% 50%

Xi圏内/圏外に移動しながら実験

 Xiの人口カバー率は2011年度末で25%の予定で、現時点はまだ十分にエリアが整備されていない。都内は比較的カバーエリアが多いが、自宅と会社を往復するような場合、Xi圏内と圏外両方に入ることもあり得る。筆者の場合、自宅はXi圏内だが会社は圏外だ。そこで、1日の中でXi圏外と圏内両方を移動すると、バッテリーの消費にどれだけ差が出るのかも調べてみた。12月26日の10時40分ごろから計測を開始し、27日の深夜3時ごろまで続けた。まず、10時40分ごろに山手線の東京駅に乗り、神田駅で降りてから有楽町駅へ向かった。Xiは圏内と圏外が切り替わっていた。1時間後の残量はSC-03Dが93%、SC-02Cが98%で、羽田空港よりもやや長持ちした。有楽町駅で降りてからは日比谷公園付近まで歩き、日比谷駅から大手町まで地下鉄で移動して会社に向かった。

 会社に到着した12時30分ごろの残量はSC-03Dが91%、SC-02Cが97%で、2機種とも大きくは減っていない。社内はXi圏外なので(対応マップ上では圏内なのだが……)、どちらも3G通信となる。10時間20分後の22時50分ごろの残量はSC-03Dが77%、SC-02Cが87%で、ここでもそれほど大差はついていない。その後、23時40分ごろに大手町の屋外(Xi圏内)を歩いてから地下鉄で自宅(Xi圏外→圏内)に移動したところ、2時間後の1時40分での残量はSC-03Dが71%、SC-02Cが84%で、やや差が広がった。以下の表を見ると、Xi圏外でのバッテリー消費量は、SC-03Dが1時間あたり1〜2%、SC-02Cが1%ほどで大差ないが、Xiがほぼ圏内の場所では11〜12時(1時間)はSC-03Dが7%、SC-02Cが2%、23時40分〜2時45分(3時間)はSC-03Dが7%、SC-02Cが3%となり、SC-03Dの方が2〜3倍程度消費している。11〜12時の方が消費量が大きいのは、平日午前の山手線車内という、比較的通信量が多い環境にいたためだと思われる。

Xi圏内/圏外でのテスト結果(12月26〜27日)
時間 時刻 SC-03D SC-02C Xi 場所、備考
0分 10時40分 100% 100% ほぼ圏内 山手線(東京駅から)
10分 98% 100%
20分 96% 100%
30分 95% 99%
40分 95% 99%
50分 94% 98%
60分 11時40分 93% 98%
70分 93% 97% 有楽町周辺を歩く
80分 92% 97%
90分 92% 97% 会社へ移動
100分 91% 97% 圏外
110分 91% 97% +D Mobile編集部
120分 12時40分 91% 96%
180分 13時40分 88% 95%
240分 14時40分 87% 94%
300分 15時40分 85% 93%
360分 16時40分 84% 92%
420分 17時40分 83% 91%
480分 18時40分 82% 91%
550分 19時50分 80% 90%
600分 20時40分 80% 89%
660分 21時40分 79% 89%
730分 22時50分 77% 87% ほぼ圏内 大手町〜江東区
780分 23時40分 76% 86%
900分 1時40分 71% 84%
965分 2時45分 69% 83%

 なお、SC-03Dについてはバッテリー残量が尽きるまで、翌27日以降も残量確認を続けた。27日は14時までXi圏内、14時から24時までXi圏外、24時以降はXi圏内にいたところ、28日の1時16分に0%になった。つまりバッテリーは計39時間36分持ったことになる。先述したXi圏内での想定持続時間(33時間)よりはやや持っており、Xi圏外にいるほどバッテリーが持ちやすくなることが分かる。


 今回の実験で分かったのは「Xi圏外ではSC-03DとSC-02Cのバッテリー持ちは大差ないこと」「Xi圏内では大容量の通信をする場合を除き、SC-03Dの方が2〜3倍消費電力が増すこと」。Xi圏外であれば、SC-03Dの連続待受時間がスペックどおりにSC-02Cの半分ほど、という結果にはならなかったが、Xi圏内ではおおむねスペックどおりと言えそうだ。なお、バッテリーの持ちは通信環境に左右されるので、今回の数値はあくまで都内での一例ととらえていただきたい。

 通信環境を考えると、常時Xi圏内がもちろん望ましいが、バッテリーの面からは不利だ。現状のLTE対応のベースバンドチップやスマートフォンの性能では、Xiは諸刃の剣になることは否めない。ドコモはXi対応機種を今後も拡充していく構えだが、エリアの整備はもちろん、端末のバッテリー性能向上も望みたい。

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