2つ目のテーマ「サービス」については、新しいコミュニケーションサービスの提供について言及。大谷氏は「TwitterやFacebookの普及はすごいが、高齢者の利用率は低い。ただ、シニアの『コミュニケーションツールを使ってみたい』『知識や経験を生かしたい』『たくさんの人と話をしたい』という要望は強い。こういったサービスをやさしく提供できないかと考えた」と開発の背景について説明。一方で、初期設定や操作が複雑なこと、個人情報保護の不安、出会い系サイトなどへ誘導される不安など、たくさんの利用阻害要因があることも認識しており、それらに対応できる「らくらくコミュニティ」を立ち上げることを明らかにした。
らくらくコミュニティは24時間、専門スタッフが監視。電話番号が入った投稿や、セールス・勧誘の投稿などを防ぐ。また、出会い系サイトや有料サイトへの入り口となる紛らわしい広告なども排除する。利用登録は空メールを送り、ニックネームを登録するだけで済む。シニアに関心の高い食、旅、健康、写真などのテーマをあらかじめ用意して、投稿しやすいようにしたという。なお、らくらくスマートフォンだけではなくて、従来のらくらくホン、一般のスマートフォン、フィーチャーフォンやPCなどからも参加できる環境を提供していく。将来的には「他のコミュニティとの連携や海外ユーザーとの連携などを含めて、らくらくコミュニティを発展させていきたい」と大谷氏は述べた。
記者からの質疑応答では、富士通として100万台規模の販売を目指すと発言。また、F-12Dのバッテリーの持ちについて、富士通 執行役員 高田克美氏は「らくらくスマートフォンは液晶やプロセッサーで、夏モデルの中でも消費電力的に一番有利なものを採用している。使い方によって変わるが、らくらくホンから変わるユーザーの、バッテリーに対する不安を払拭するための努力はしてきた」と述べている。
発表会には、らくらくホンシリーズのCMキャライクターである大竹しのぶさんも登場。らくらくスマートフォンに対する感想を聞かれ、「撮影のときに使いましたが、使いやすかったです。年齢を重ねてくると、新しいことをするのがちょっと億劫だなと思う方も、これだったら使えるんじゃないかと思いました。フリックで操作したいと思う人はすぐ慣れると思います。挑戦するというほど難しくなく、らくらくホンがそのまま移行しただけですね」と感想を述べた。


発表会場にはタッチ&トライ用に多くの端末が用意された(写真=左)。5月中旬に行われたドコモの発表会時より、動作はかなりスムーズになり、スクロールは滑らかだった。ボタンの“押し感”も心地よくチューニングされていると感じた(写真=中、右)
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