スマートフォンの文字入力で面倒に感じる操作の1つが、英数字の切り替えではないだろうか。Xperia Z1に搭載された新バージョンの「POBox Touch 6.2」では、QWERTYキーにも数字キーが表示されるようになったので、メールアドレスやパスワードに英字、数字が混ざっているような場合、スムーズに入力できる。
文章を入力し、変換するときに先頭の語句だけを「部分確定」することも可能になった。これは「きょうのよていをへんこうします」なら、最初に「今日の」や「京の」などが変換候補に現れ、それを確定すると次に「予定を」が変換候補として現れる仕組み。漢字をより正しく変換できるはずだ。
これまで用意されていた50音入力や手書き入力、キーボードのサイズ変更も可能だ。手書き入力は2種類あり、ひらがなを連続して入力する「手書きかな入力」と、漢字や英数字も続けて書ける「手書き漢字入力」を選べる。キーボードの左下にある文字種類のキーを長押しで、キーボードの切り替えなどの設定メニューを呼び出せる。なお、POBox Touch 6.2では、上方向へフリックしても、この設定メニューを呼び出せるようになった。
5インチの画面サイズということもあり、片手入力時は、キーボードのサイズを変更すると、より入力しやすいかもしれない。文字種の一覧から1列目、右から4番目のアイコンをタップすると、キーサイズを指で自由に変更できる。POBox Touch 6.2では、初期サイズの「標準」と、変更した「カスタム」を切り替えられるようになった。
POBox Touch独自の機能といえば「アシストキーボード」と呼ばれる、次に押す候補のキーを大きく強調する機能がある。今回も搭載されているが、初期設定では「ノーマル」になっているため、体験したい人は「アシストキーボードの選択」で「ワイド」「ハイライト」「ダイナミック」を選ぶとよいだろう。
POBox Touchには多くの機能があるが、本体の「設定」→「言語と入力」の「POBox Touch」設定に新たに用意した「かんたん設定」から、設定方法のガイダンスを確認できるので、初めての人は参考にするといいだろう。
では文字入力の速度はどうか。Xperia Z1、A、Zの3機種を用意し、それぞれ10キー(ケータイキー/フリック入力)とQWERTYキーで、同じ文章を片手で入力し、ストップウォッチで計測した。キーボードは初期設定のままで、カスタマイズはしていない。
文章は以下の通り。
「阿部が1位、伊藤が2位、香川が3位、小林が4位、佐藤が5位」
予測変換は使わずに3回入力し、その最速/平均タイムは以下の通りとなった。
順位 | 機種名 | 最速タイム | 平均タイム |
---|---|---|---|
1位 | Xperia Z1 | 38秒14 | 43秒92 |
2位 | Xperia A | 38秒42 | 47秒69 |
3位 | Xperia Z | 47秒10 | 55秒52 |
順位 | 機種名 | 最速タイム | 平均タイム |
---|---|---|---|
1位 | Xperia Z1 | 42秒02 | 42秒8 |
2位 | Xperia A | 54秒53 | 58秒67 |
3位 | Xperia Z | 55秒16 | 55秒64 |
Xperia Z1がどちらの入力でもトップとなった。これはキーボードの違いだけでなく、端末の性能の違いもあるのだろう。Xperia Z1では、指の動く方向を予測する独自の機能により、Xperia Zからタッチパネルの追従性がアップしている。なお、この機能はXperia Aにも搭載されている。文字入力のテストとはいえ、大画面でXperia Aより持ちにくいはずなのに、押し間違いは少なく、フリック入力がスムーズに進んだ。同じ画面サイズのXperia Zの方が、押し間違いは多かった。
また、QWERTYキーに数字が加わったことで、圧倒的に速く入力できた。片手入力に向いていないはずだが、それでもスムーズに入力できる。特に右利きの場合、文字種類の切替ボタンが遠いので、これを押さなくて済み、入力時間が一気に短縮できた。コンパクトなXperia Aの方が持ちやすいが、それでも10秒以上の差をつけている。
コンパクトボディにXperia Z1と同等の機能を詰め込んだ「Xperia Z1 f SO-02F」の発売も12月下旬に控えており、こちらの使い勝手も楽しみだ。
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