Xperia Z Ultraは、メモを記録するツールとしての用途も想定されている。「画面サイズが大きくなると、手帳のように使いたいというニーズが増します。年配の方だと、昔はPDAを使っていて、タッチパネルで細かい入力が難しい、といった声も聞きますので、ペン入力にも対応させました」と市野氏はその背景を説明する。
ただ、「現在販売されているスタイラスはおおむねどの機種でも問題なく動きますが、太くて大きいので、メモや精細なスケッチには向きません」(市野氏)。そこでXperia Z Ultra専用のスタイラスペンを用意した。市野氏によると、タッチパネルの精度を高め、専用ICを採用したことで、細かい文字をスムーズに入力できるという。「これだけ小さい文字を書ければ、日常の手帳に使うこともできます」と同氏は胸を張る。
残念ながらスタイラスは同梱していないが、市販のペンや鉛筆(芯が電気を通す)でも手書きで入力できるのは面白い。「電気が通るもので、(専用スタイラスと)同じような太さなら認識できる」(市野氏)そうだが、「プラスチックのペンや、ペン先がものすごく細いものだと反応はよくない」とのこと。
さらに、ペンや鉛筆を使っても、画面が汚れないよう配慮した。Xperiaは従来からガラスの飛散防止フィルムをディスプレイに貼っているが、Xperia Z Ultraでは、通常の飛散防止フィルムより固いものを使い、そのうえでコーティングをかけている。
Xperia Z Ultraのペン入力を生かせるのが「スケッチ」アプリだ。このアプリではメモを残せるのはもちろん、スケッチブックのように画像を貼り付けて編集することもできる。スモールアプリの「クリップマネージャー」を使うと、画面の任意の部分を切り取って、スケッチアプリに貼り付けられるので、Webサイトで気になる記事を保存するのに役立つ。スタンプ機能もあるので、切り取った写真をデコって遊んだりもできる。
日本での発売が依然として未定であり、後発のXperia Z1とXperia Z1 fも大きな話題を集めたことから、少しかすんでしまった感のあるXperia Z Ultra。しかし6.4インチ液晶を備えるのは、Xperiaシリーズの中でもZ Ultraだけであるし、ペン入力に特化したディスプレイからは、新たな利用スタイルを広げたい! というソニーモバイルの意気込みを感じる。6インチ以上のスマートフォンが日本で受け入れられるかは未知数だが、Xperia Z Ultraは、新たなトレンドを生む可能性を秘めたマシンだといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.