ZTEが考える“人とスマートフォンの交流”とは――そして日本展開は?:2015年にはZTEショップが日本に?

» 2014年01月31日 20時38分 公開
[田中聡,ITmedia]

 ZTEが1月16日に香港で開催した「ZTE Spring Media Luncheon 2014」では、同社の2014年のネットワークやスマートフォンに関する戦略が語られた。コンシューマー目線で気になるのは、ZTEは今後どのようなスマートフォンや周辺機器を開発し、日本ではどんな製品を出すのかという点。日本のメディア向けラウンドテーブルにて、あらためてグローバルマーケティングディレクターのリュ・チャンハオ(Lv Qianghao)氏に話を聞いた。

SamsungやAppleに負けない製品を出せている

photo リュ・チャンハオ(Lv Qianghao)氏

 ZTEが強調するのが、これからは「B to C」にかじを切るということ。エンドユーザーの声を取り入れ、通信キャリアを経由しないオンライン販売専用モデル「nubia」シリーズを投入するのもその一環だ。以前は通信キャリアを第一に考えていた、いわば「B to B」に主軸を置いていたが、「本当のエンドユーザーの需要が分からなくなっていた」とリュ氏は振り返る。そうした反省もあり、2014年は以前は異なる部署だったセールス、サプライヤー、R&Dなどの組織を一体化し、端末開発の効率化を図った。

 数あるスマートフォンメーカーの中でも、ZTEが特に意識しているのがSamsung電子とAppleだ。リュ氏は「ZTEはこれまでと違い、今はSamsungやAppleに負けない製品を出している」と自信のほどを語る。

 5.5インチのフルHD(1080×1920ピクセル)ディスプレイや3000mAhバッテリーを搭載するLTEスマートフォン「Grand S II」は、「GALAXY Sシリーズがライバルだ」とリュ氏は言い切る。偶然かもしれないが、シリーズ名を短縮するとGALAXY Sと同じ「GS」であるし、GALAXY Noteを意識したと思われる、5.7インチディスプレイ搭載の「Grand Memo」も投入している。

 オンライン販売限定の新シリーズ「nubia Z5S」のカメラ機能を見ると、iPhoneを意識していることがよく分かる。末尾の「5S」からは、つい「iPhone 5s」を連想してしまう。カメラ機能は実際に現地でiPhone 5sと比較してみたので、後日レビューしたい。

photophoto 「Grand S II」(写真=左)と「nubia Z5S」(写真=右)

 ZTEが競合製品に勝っている部分はどこにあるのか。リュ氏は「スマートフォンで一番重要なのは、人とスマートフォンの交流。Appleが成功したのは、携帯電話に初めてタッチスクリーンを採用したから。次のイノベーションは、人とスマートフォンの交流をより簡単にすること」と話す。このイノベーションこそが、Grand S IIに搭載した音声認識機能だ。

 Appleの「Siri」やGALAXY Sシリーズの「S Voice」など、競合メーカーも音声認識機能を搭載しているが、既存のものは「本当の意味で人とスマートフォンが交流できていなかった」とリュ氏は評価する。「簡単なアルファベットや要求は認識できるが、言語が限られていたり、方言の認識は難しかったりする。Grand S IIは、音声データを処理する独立したチップを搭載しており、方言の違いも認識できる」と胸を張る。「認識率を完ぺきにすることにも努めており、それがGrand S IIの日本投入が遅れている理由だ」とリュ氏が話すように、日本語の対応も視野に入れているようだ。

 スマートフォンのロック解除はパスコードやパターンが一般的だ。iPhone 5sや富士通製端末などでは指紋認証も導入しているが、リュ氏は指紋認証は不便なところもあると考える。「指紋認証は人間の自然な習慣としてはなじまないし、認識も速くない。またコストもかかる」(リュ氏)

 Grand S IIは音声認識を使ったロック解除にも対応している。人の自然な習慣である“話す”だけでロック解除できるので、指紋認証よりも利便性が高いというのがリュ氏の考えだ。これは音声認識のみではないが、ユーザー別でのロックも解除できる。「家族の中で自分、奥さん、子どもが個別にロックを解除でき、子どもがロックを解除したときは、子ども向けアプリしか使えないよう制限することもできる」と説明する。また、指紋は複製される恐れがあるが、「音声は複製できない」とリュ氏。安全性も音声の方が優れているとした。

 「Grand S IIの一番の優位性は、ボイスアンロックだ」とリュ氏は言い切る。ZTEは音声認識機能を軸に、「スマートフォンと人のコミュニケーション」をサポートしていく考えだ。「薄くて軽くてハイスペック。操作しやすいUI(ユーザーインタフェース)も採用している。金属のデザインも、多くのユーザーが好むものだ。バッテリーも長持ちするし、手軽な価格も強みだ」とアピールした。

2014年に4Gのハイエンドスマートフォンを日本で出したい

 気になる日本市場への展開については「4Gのハイエンドスマートフォンを、今年(2014年)日本で出したい」とリュ氏は話し、Grand S IIを投入するかどうかは、現在(日本の)通信キャリアと検討している段階だという。

 「日本市場でも専門の企画チームがあり、R&Dも日本で一番ふさわしい開発チームを設定している。日本はキャリアとの契約がメインなので、どうプロモーションするかをキャリアとディスカッションしなければならない。例えば、『Grand』の名前は残して、その後にキャリアが望む名前を付けることもあるだろう」(リュ氏)

 シャープの「CG Silicon」をnubia Z5Sに、「IGZO」をnubia Z5S miniに採用していることにも注目したい(Grand S IIのディスプレイは異なる)。「フラッグシップ端末を開発するには、世界でトップのパートナーと協力していく必要がある。シャープは世界的にも有名で、高解像度のディスプレイならシャープだと思っている。十分な明るさを実現できるし、バッテリーの持ちにも自信を持っている」とリュ氏。IGZOの「液晶アイドリングストップ」をどこまでチューニングできているのかは気になるが、高い省エネ性が期待できそうだ。

2015年にZTEのショップを日本で開設したい

 世界でZTEのブランド力をどのように高めていくかは長年の課題だが、その取り組みの一環として、ZTEのブランドショップを増やしていく。「まずは中国と北米から取り組み、その次にロシア、日本、欧州、インドネシア、インドにも広げたい」とリュ氏は話す。

 「日本で展開するのなら、Appleショップのように銀座はどうか?」との質問には「もちろん銀座のような場所にZTEショップを建てたいと思うが、今は自信がない。中国には『自分にふさわしい服を作る』という意味のことわざがある。日本では通信キャリア経由でZTEの製品を出していき、弊社の製品を日本の皆さんに受け入れてもらってから、銀座のような場所でお店を開きたいと思う」

 日本市場での展開は「正直に言うと、自信がある」とリュ氏は話す。「日本のソニー、東芝、パナソニックは、中国でも品質が高いというイメージがある。ZTEも勉強しないといけないが、米国、日本、欧州の長年の努力によって、ハイエンド市場のニーズは昔よりも分かってきたと思う」

 一方で「製品とコア技術はソニーにも負けていないと思うが、ブランド力と影響力は全然だと思う」とリュ氏が言うように、日本にはまだまだ攻め込む余地がある。同氏は「日本市場のことをもっと深く理解して、日本の皆さんにもZTEのことを理解いただいて、2015年にはZTEのショップを日本で開きたい」と意気込みを語った。

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